メディカルツーリズム管理者と医療過誤訴訟対策

2010-07-04 17:55:34 | Weblog
「メディカルツーリズム管理者」と医療過誤トラブル

何故メディカルツーリズム遂行に当たっては、全体を取り仕切る司令塔に当たる「管理者」が必要なのか?

(1)医療と観光をセットにしたメディカルツーリズムは、医療サービスという人類や国民の健康と幸福に関わる究極の社会福祉上のテーマに関わると同時に、観光やレジャーという消費社会においてもっとも好まれる産業分野に関わるため、明らかに国家の今後の経済成長を担うに足りるだけの大きなプロジェクトとされる内容と規模をもっている。
このことは、東南アジアで誕生したメディカルツーリズムが、1997年の金融・経済危機の克服策として国家の様々な支援の下に成長し、今日では、世界中から多くの顧客・患者を招くことに成功し、とりわけ経済波及効果が大きいことも立証されてきた事実からも明らかである。
それだけに、バブル経済の崩壊以降、最近20年間にわたって経済や医療サービス分野での沈滞と崩壊現象が明らかな我が国にとっては、先ず、至上命題の社会福祉事業向けの国家財源を確保する為に、そして少子高齢化による国力減退という社会的危機を乗り越えるためにも、是が非でも成功させなければならない最重要課題の一つである。

(2)とはいえ、このメディカルツーリズム推進は、実は、今までのツーリズム振興とは異なる大きな問題点を抱えています。そのいくつかの問題点のうちで最大のものは、我が国が苦手としてきた外国語を使って宗教・信条や生活スタイルの大きく異なる外国人患者の生命身体と健康に直接かかわる医療サービスを提供しなければならないことにおける不安感であろう。即ち、病院や医師が最も忌み嫌う医療過誤トラブルの発生に対する恐れではないでしょうか?
そこで、この問題点に対する対策なしには、ただでさえ医師や看護師などの医療スタッフの不足を嘆いている病院や医師たちの積極的な協力は得られないでしょう。
ここにおいて、東京通訳アカデミーがトラブルの発生そのものに対する予防策の構築に大きな努力を払っているゆえんです。さらに、万が一に発生してもそれを、法廷の場に持ち込まないで解決する善後策にも妙案を用意しているゆえんです。当アカデミーは、自信を持って医療過誤トラブルに巻き込まれることがない回避策を確立済みであることをここにおいて明らかにします。内容は、授業に参加してお聞きください。

(3)更に、メディカルツーリズムは既に十余年にわたって、東南アジアを始め世界の多くの国々によって振興されてきているため、後進国である我が国がこれから乗り出すに当たっては、多くの先発事例の長所・短所を学べる好都合さがあると同時に、それだけ多くの国々や企業・病院等との国際競争にさらされていると言う大きな問題があります。

(4)第四に、メディカルツーリズムでは、国内医療情報の国際発信などによる海外でのマーケッティングから、多くの訪問先との日程調整等による訪日プランの立案、国内での病院や宿泊所の手配、通訳や医療サービスに関わる満足度の問題への対応、観光地への案内など実に多岐にわたる業務があり、これをそれぞれの分野の専門家や事業家・アシスタントスタッフ等が関わるため、これら異種類の多くの作業や担当者間に於いて、一貫した思想と目的を維持しながら錯綜する利害を調整し、最終的に高いレベルの顧客満足度を実現するために、ツーリズム全体を的確かつ効率的に運行させる責任を果たす司令塔の存在が不可欠となるのです。


医療過誤トラブルの現状について

ちなみに、医療過誤訴訟は、多くの病院や医師に於いて極めて神経質になられる克服が極めて難しい問題です。
とはいえ、我が国での医療過誤をめぐる最近の新規訴訟件数は、年間でも1,000件を大きく下回り、しかも、原告の請求内容が一部でも認められる割合も25%レベルと際立って低下しています。
この改善傾向がどこまで定着していくかは、もちろん不明ですが、何故、改善傾向が続いているのか?については、何よりも医師・病院側の医療サービスの質の改善努力が主要原因だと考えるべきでしょうか?
医療技術やサービスの質的・量的改善は、治療面に応用される科学技術の日進月歩のおかげでもあるでしょうし、病院内スタッフの連係プレーの内容や質の向上も認められるでしょう。
ある意味では、2000年代初頭の数年間における医療過誤訴訟の急激な増加[2004年がピーク]が大きな反省理由となり、改善に向けての大きな努力が払われてきたのでしょう。

資料(インターネット記事より)

医療訴訟件数 09年新規は733件で144件減少、判決の認容率は25%台に(2010.5.31,1:55)資料
08年の医療訴訟 新規877件・67件減少、認容率わずか27%に低下(2010.4.28,1:20)資料
医療訴訟 07年の新規件数増加、全国944件 審理期間は短縮(2009.3.15,23:50)資料

医療訴訟 06年も新規件数減少、全国で912件(2007.7.5,19:35)
和解が半数超える、判決の認容率は35.1%に低下
 全国の医療訴訟の06年の新規件数は912件で前年に比べて87件減少、2年続けての減少となりました。一方、既済件数は審理の効率化などで06年も72件増加して1139件となりました。その審理期間は平均25.1ヵ月となり、前年より1.8ヵ月と大幅に短縮、9年前の1997年に比べると11.2ヵ月短縮されています。最高裁判所のまとめです。
 既済1139件を診療科別にみると、(1)内科256件(4件減)、(2)外科188件(71件減)、(3)産婦人科161件(12件増)、(4)整形外科119件(4件減)、(5)小児科33件(6件増)、の順となっています。また、歯科は74件(10件増)です。
 診療科別件数は、前年までは新受件数でしたが、06年データからは既済件数となりました。
 結果別に見ると、和解が607件で52.3%と半数以上を占め、前年に比べて78件増加しました。判決は402件で2件増加しましたが、全体に占める割合は35.3%で前年より2.4ポイント低下しました。取り下げも50件、4.4%で、前年より4件増加しています。また、請求の放棄が1件、請求の認諾が1件、その他78件となっています。
 和解が50%を超えたのは、97年の52.8%以来9年ぶりです。
 判決のうち、訴えの内容が一部でも認められた認容の件数割合は、06年は35.1%で前年を2.7ポイント下回りました。最近では03年の44.3%をピークに減少を続けています。
 また、認容率は医事関係以外の通常訴訟では80%を超え、06年も82.4%となっていて、医事関係訴訟の認容率は非常に低いものとなっています。

以上

なぜ「メディカルツーリズム管理者」というポストが必要なのか?徹底的検討!

2010-07-04 09:38:25 | Weblog
今日からメディカルツーリズム管理者講座、開始!

間もなく、メディカルツーリズム管理者講座が始まります。
初回の今日は、何故、メディカルツーリズムに於いて管理者というポストの人材が必要なのかについて、徹底的にその理由を検討します。
メディカルツーリズム誕生の歴史から、世界の現状から、メディカルツーリズムそれ自体の多層・複雑な仕組みから、医療過誤訴訟やトラブル回避の観点から、団体行動における個人の能力に関する心理学上の実験例から…多岐にわたって研究を進めます。
ではよろしくお願いします。

平成22年7月4日 日曜日
東京通訳アカデミー・学院長・岡村寛三郎