日本のメディカルツーリズムは失敗する?英語・医療通訳士の必要性と大きな需要

2010-05-28 11:28:58 | Weblog
「日本のメディカルツーリズムは成功しない!」と断言されるショックな記事
=英語・医療通訳士への需要が大きいことの立証例

皆様のご清栄をお慶び致します。
さて、中国語・医療通訳士への需要が将来において大きくなる一方であることについては、今更言うまでもありません。
しかし、英語・医療通訳士への需要については懐疑的な見方をしている方が少なくはないと思います。なぜなら、一般的には、欧米圏の諸国は、概して遙かなる遠方にあるのみならず、それぞれに医療技術等も進歩している国が多いと考えられるため、高額の旅費まで払って日本に医療と観光に来るはずがないと思われるからです。
しかし、ここに一つの有力な反対証拠になりうるインターネット記事を見つけました。
下記の記事をお読みいただきますと、タイ駐在のビジネスマンから見れば、日本の医療機関のスタッフに十分な英会話力がないことが、メディカルツーリズム推進上の致命傷だそうです。
と言うことは、逆にいえば、医療機関スタッフの英会話力をしっかりと補えれば、十分にタイランドとも競い合えるということではないでしょうか?
この意味で、今後、我が国がメディカルツーリズムを他国と競い合って推進して行く上で、英語・医療通訳士への必要性と重要性にはかなり大きいものがあると断定できます。
どうかこのことを良く考えていただき、当アカデミーの英語・医療通訳士講座へのご参加をお待ちしています。

平成22年5月27日 木曜日
東京通訳アカデミー・学院長・岡村寛三郎


2010. 5. 13
メディカルツーリズムで日本に勝ち目はない
田中耕太郎(タイ・バンコク病院JMSマーケティングマネジャー)
たなかこうたろう氏●1965年生まれ。大学卒業後、オーストラリアで7年間ツアーガイドとして従事した後、インドネシア、タイのメディカルアシスタンス会社で働く。2004年より現職。
 ここ数カ月、外国人に日本の医療機関で医療サービスを受けるのを目的に観光に来てもらう、いわゆる「メディカルツーリズム」の機運が日本で高まっている。国際的に認証されている医療認定で、メディカルツアー誘致をしている病院にとっては必須となるJCI(ジョイントコミッションインターナショナル)を取得する病院も登場しているようだ。 私は大学を卒業して21年、一貫して海外でサービス業で従事してきた。今はタイのバンコク病院で日本人向けマーケット担当として、メディカルツーリズムに実際にかかわっている。その立場から、日本のメディカルツーリズムの可能性についてまとめてみたい。
年20万人の外国人が受診するバンコク病院
 バンコク病院は、心臓専門病院、眼専門病院、外国人専門病院、各専門科病院の4つの病院で構成されている。タイ全土に18カ所、カンボジアに2カ所、合計20病院を擁する、タイ株式市場に上場する私立病院グループの基幹病院で、常勤300人、非常勤400人の医師と、600人の看護師、800人の一般職員が働いている。病床数は約500で全室個室である。
 外国人患者様の誘致にも積極的で、年間20万人の海外からの患者様が受診している。うち、日本人は年間約4万人で、主にタイに駐在している日本企業の従業員や旅行者だ。ただ、日本人のように来タイの目的がほかにあるケースは、ほかの外国人では少なく、バンコク病院を受診する外国人の多くは、医療を受けるためにタイに来られている。
 国別にみると、アラブ首長国連邦、カタール、エチオピア、ミャンマー、ドイツ、米国、イギリスからの患者様が多い。これらの患者様を増やしていくため、バンコク病院には私のような医師ではないマーケット担当者が計20人おり、アラブ、アフリカ、中東、ヨーロッパ、東アジア、東南アジア、北米オセアニアなどで患者様のリクルート活動などを行っている。平成22年5月27日 木曜日
 さて、そのような病院のマーケット担当者から見て、日本の病院は、われわれの外国人患者誘致の脅威となるとは全く思っていない。物価や言葉、提供される医療サービス、医療レベルなど、メディカルツーリズムに相応しい水準にないためだ。私自身、仮に医療費を気にしなくてよいとしても、日本で手術を受けたいとは思わない。例えば循環器疾患ならば、バンコク病院の心臓循環病院で担当医を探すかたわら、米国の病院でその手術の権威を探し、両医師チームの空き状況や旅行に耐える体の状態なのかを総合的に判断して、どちらかで手術を受けるだろう。

英語を話せない日本の医療従事者
 まず物価の高い国はそれだけでメディカルツーリストの誘致には不利である。実は、入院して手術を受けるのに必要な治療費はバンコク病院と日本とではほぼ同じ、あるいはバンコク病院の方が高い場合もある。だが、患者様が必要なのは治療費だけではない。付き添い家族の滞在費、旅費、日常の生活費など、治療以外にもかかる費用は大きい。日本の2~3分の1程度の物価は魅力だ。
 また、メディカルツーリストは、ストレスなくコミュニケーションを取れるかを考える。担当医から直接病状や治療方法などを納得するまで聞きたいだろうし、看護や病院スタッフも患者様の日々の要求に満足に答えることが要求される。そのため、仮に母国語ではなくても、英語をその国民、特に医療従事者が話せるかがポイントとなる。医療従事者が英語を話せないとコミュニケーションが取れず、まずその段階で医療従事者は患者様から信頼されない。

以上