「免疫力とは何ぞや?」そんな素朴な疑問に、答えを求めてパソコンに向かっていた私。
どこでどう間違ったのか「北海道医師会キャリアサポート相談窓口」なる画面に飛んだ、こんなことはよくある。
「?」私には全く関係のないサイトで、すぐに次に移行しようとキーに触った時「子育てとの両立」のワードが目に入った。
ある女医さんの体験談が載っていた。「女医さんの子育て?セレブだし、Helpの道も楽々あるだろうし・・・」そんな気持ちだった。
それを読んだ2分後、私は何と、パソコンの前で激しく泣いていた。何で?・・・、思いもよらない展開に、私自身が戸惑い、しばらく動けなかった。
著者は「札幌マタ二ティ―・ウイメンズホスピタル小児科 小熊或子」医師。
昭和20年道内で生まれ育った。
医大を卒業し、首都圏で研修医になり、しばらくして道内に戻り、結婚、出産で仕事を離れることになる。妊娠、出産、子育て、姑の介護、そのあたりの話は1行も触れていない、その間の苦労話はひと言も書かれていないのだ。
50代のある時、おそらくは、母親、娘、嫁の役割を全うしたのでしょう、仕事復帰の気持ちが高まってくる。現役で仕事を続けてきた知人に、どこか病院で研修をさせてもらえないかと頼み込むが「現場の者にとってはいい迷惑」と断られる。
時はまさにIT時代。60代でパソコン教室に通い、65歳ごろから大学の講義に通い、やがて女性医師をサポートする窓口にたどり着き、検診車に同乗したりしながら、少しづつ現場復帰を叶えていく。
そして、念願の「小児科医」に復職したのが70歳。(2016年)
「これからも、良い医師になるべく、もっともっと勉強しなければと思っている」と、最後に綴られていた。ここで私は泣いてしまった。これから、ここから、もっともっとと言っている70代の一人の女医さんがいる・・・、つくづく、謙虚であらねばと思う。
心身ともに、健康でいなければ70代で現役でいるのは難しい。私は先ずそのことに感謝して、更なる次のステージに向けて、自分を必要としている仕事をスタッフと生み、育て、その糧でこれからも生きていきたいと改めて思った。