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☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『悪魔の陽の下に』(1987)

2013年11月07日 | 西洋/中東/アジア/他(クラシック)
『悪魔の陽の下に』(1987)

モーリス・ピアラ監督、ジェラール・ドパルデューさん(ドニサン)、サンドリーヌ・ボネールさん(ムシェット)、モーリス・ピアラさん(ムヌ=セグレ)出演。


ロベール・ブレッソン監督による『少女ムシェット』、『田舎司祭の日記』の原作でも知られる作家ジョルジュ・ベルナノスの同名小説を映画化。

カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した際に、授賞式で客席からのブーイングを受け、「あなた方が私を嫌うなら、私もあなた方が嫌いだ」と言い放ち、トロフィーを高々と掲げたピアラのエピソードは有名である。(公式サイトより)

【STORY】
敬虔な聖職者であるドニサンは、ときに過剰な苦行を自らに課し、自分が真に聖職者に値する才能があるのかと苦悩している。ある真夜中、ドニサンは北フランスの田舎道をはるばる一人歩いていた。ふと気付くと隣を歩く馬商人に話しかけられる。慣れない旅の道中を案内してくれる馬商人に一瞬心を許したドニサン。しかし、この馬商人は試みを与える悪魔であり、自分の分身を意味していた。「おれが見えたら、他人の心も見える。お前が見るのは、おれの憎しみだけだ」。その言葉を残し、目覚めると馬商人は消えていた。その明け方、ドニサンはムシェットと出会う。(公式サイトより)

【感想レビュー】@theater
特集の2本目に観ました。

こちらは、観終わって、時間が経つほどジワジワ、ジワジワと怖くてなってきております…

聖職者や悪魔というと、エクソシストを連想するのですが。
描写もテンションも、グッと抑えた感じです。

“敬虔な聖職者”に悪魔が宿る様子も怖いし…。
馬商人のくだりも、画面に力があって怖かったです…。

美しい娘:ムシェットが、男性を翻弄する様も悪女というか、悪魔が宿っているようで怖いし…。

やっぱり、キリスト教が土着でない日本に住んでいる私には、なかなかに身近でないテーマなのですが、よく分からないけど、なんか怖い…という印象を持ちました…

途中、睡魔に襲われて、必死に手のツボを押しながら観ました…うぅ

あと2本とも観れますように


『ヴァン・ゴッホ』(1991)

2013年11月06日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『ヴァン・ゴッホ』(1991)

モーリス・ピアラ監督、ジャック・デュトロンさん(ゴッホ)、アレクサンドラ・ロンドンさん(マルグリット)、ベルナール・ル・コクさん(テオ)、ジェラール・セティさん(ガシェ)出演。

映画監督になる前、画家でもあったピアラが最も敬愛するゴッホを描く。

ピアラを一気に名匠ジャン・ルノワールの高みへと近づけた決定的代表作である。ゴッホを演じたジャック・デュトロンは、本作でセザール賞を受賞。現代フランス映画の作家たちに多大なる影響を与えた作品であり、公開当時、ジャン=リュック・ゴダール監督はピアラ本人に次のような賛辞を記した手紙を送った。


【STORY】
療養のため訪れたオーヴェルの村。医師ガシェの診察を受けたゴッホは、そこで娘のマルグリットと出会う。美術コレクターでもあるガシェと親しくなった彼は、マルグリットをモデルにした絵を描くために家に通うようになり、やがてふたりは親密さを増していく……。美しく穏やかな風景のなかで過ごした、画家に訪れる死までの日々。(公式サイトより)

【感想レビュー】@theater
モーリス・ピアラ特集に行ってきました
夏頃から流れていた予告編を観て、絶対観よう!って決めていた作品です

なんかなんだか、すごく面白い!…とか次どうなるの?!(←実在の人物なのでもう展開はだいたい分かっていますが…)…などの面白さでは無いのですが、魅入ってしまう何かがありました

吸引力、と言い換えても良いかもしれません

ピアノのシーンも出てきて、ゴッホの口の悪さに閉口しつつ、でも魅力的でドキドキしましたけども

絵画が沢山出てきます

安心安定の暮らしでは、内から産まれてくる“何か”になかなか出逢えないし、かと言って、いつもいつも不安で、周りにゴタゴタと言われる暮らしでも、その“何か”になかなか出逢えないし…芸術家過ぎるゴッホの孤独を垣間見ました。

邪念の無い、ある青年に描いてあげるシーンは、なんだかとっても素敵でした

ゴッホを演じたジャック・デュトロンさん、ゴッホの自画像でよく見るゴッホとそっくりでした


そういえば、画家を描いた作品は、今年ロシア映画特集で『ピロスマニ』を観ましたけども、どちらの人物も変人で面白いなぁと思いました。
よく言えば純粋であるし、それらの映画を通して、彼らを見ると、愛すべき画家に見えるので、これはもう監督が、それぞれの画家をとても敬愛した眼差しで撮ったからに違いない!と思いました

そうだ!フレンチカンカン♪のシーン、エネルギーがあって、とっても良かったです

静と動と、田舎と都会と、豊かな暮らしと貧しい暮らしと、明るいゴッホと翳りのあるゴッホと…色々、色々で魅入ってしまったのかもしれません

『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)(2007)

2013年11月05日 | 邦画(1990年以降)
『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)(2007)

若松孝二監督、坂井真紀さん(遠山美枝子)、井浦新さん(坂口弘)、並木愛枝さん(永田洋子)出演。


若松監督は本作品の構想を2005年の段階で明らかにしており、自身の集大成とも位置づけている

【STORY】
ベトナム反戦運動や公民権運動、ヒッピー文化やパリ5月革命など世界的な左翼全盛の時代に、日本でも反権力的な学生運動が盛り上がっていたころが舞台である。その学生運動の中でも最も純粋であったがゆえに、真剣に革命の実現を信じた連合赤軍の若者たち。彼らが何に突き動かされ、どのような葛藤を経てあさま山荘事件へと至っていったのか、そしてリンチ事件へと至ったのか。連合赤軍側の立場から、彼らの生き様を描こうとしている。(Wikipediaより)

【感想レビュー】
つ、ついに観たっ!!

圧巻でした!!

冒頭は、実際の映像と時系列のテロップが流れ、なぜ学生運動が盛んになって行ったのかが分かりやすい構成になっていました。

印象的だったのは、坂井真紀さんらが演じる赤軍派の創立メンバー遠山美枝子や重信房子らが、笑顔で楽しそうにデモ隊に加わり活動していたシーン。

彼女は山岳アジトの訓練に参加しますが、どんなに森恒夫に“総括”を求められても、納得を得ることがいつまでも出来ません。

そして、山岳アジトでも女性らしく身綺麗にしていましたが、その事が、革命左派の永田洋子の逆鱗に触れ、どんどん、どんどん追い詰められていきます。

永田洋子を演じる並木愛枝さんの演技に…心底震えました…。

森恒夫と2人で連合赤軍のトップでしたが、彼女が結局、森恒夫さえ支配していたように見えました。
遠山美枝子に対して、またその他の女性活動家に対して、女を武器にしていると批判したにも関わらず、森恒夫と身体の関係を持った後の…女性らしさといったら…。
その描き方が凄いなと…。


“総括しろ”が耳をついて離れません…。

リンチで殺されていく同志を目の当たりにしているのに、“総括”を求められ、自己批判で真実を言う(内容はもう、滑稽としか思えないのですが…)。

そしてそれを総括するには、もはや暴力を受け、気絶して生まれ変わるしかない、という可笑しな森恒夫の持論が展開され、処刑という名の殺人や滅茶苦茶な暴行による殺人が行われていきます。

もう完全に思考停止状態ですし、恐怖で支配されていて、そこにはもう、彼らの言う“革命”という崇高な目的も思想も…一体どこに在るのだろう?…と。

“総括”という名の粛清が行われていく状況下で、森恒夫と永田洋子の逮捕をラジオで聞いた他メンバーの安堵感が、画面を通してさえ伝わってきました。

映画をただ観ていた私ですら、心底!安堵しましたから…。


観て本当に良かったです
どうして彼らが、粛清に走り、思考停止し、結局は稚拙な内面を露呈していく事になったのかが、よく分かりました!








【追記】『帰郷』(2004)

2013年11月03日 | 西島秀俊さん 徒然日記
【追記】『帰郷』(2004)

そしてまた、DVD特典の内容を少し…

萩生田監督の『神童』もそうですが、特典がとっても充実しています

監督、西島さんに負けず劣らずの身振り手振りの激しさ
(!!)です
でもとっても早口なので、身振り手振りもまた早くて、忙しなく……。
それで、ちょっとしたイントネーションがお二人は何だか似ていらっしゃるので、微笑ましいのです

この作品の脚本は、西島さんに当て書きしたものなのですが…。
それは、“晴男くんが西島さんそのもの”という事ではなく、一つ一つの場面で、西島さんだったら、どうするだろう?どうなるだろう?という楽しみの想定で作られたのだそうです

また、監督との対談や舞台挨拶の時のビジュアルが、既に晴男くんではないので、そこも見どころです




『帰郷』(2004)

2013年11月02日 | 西島秀俊さん☆映画
『帰郷』(2004)

萩生田宏治監督、西島秀俊(晴男)、片岡礼子さん(深雪)、守山玲愛さん(チハル)出演。

【STORY】
心温まるロードムービー。我が子かもしれない少女とささやかな冒険を繰り広げる青年の心のうつろいを繊細に捉えていく。(Movie Walkerより)

【感想レビュー】
『蟹工船』の浅川監督に引き続き、晴男くんに会いたくなって、また観ました

北野監督の『菊次郎の夏』を彷彿とさせる劇中音楽や海岸沿い、そしてお祭りのくだり
またガダルカナル・タカさんがちょっと出演されているので尚さらそう思ってしまうのですが

沢山、沢山好きなシーンがあります!

冒頭の帰省する列車のところ。あの憮然とした口元…

海岸沿いを肩車して、歌うシーン
『オ パキャマラド パキャマラド
パオパオパンパンパン
オ パキャマラド パキャマラド
パオパオパ
ドと レと ミと ファと ソと…』

名シーンですね


吉行和子さんの無邪気なお母さんな感じも素敵です


晴男くん、確かに…憎たらしいほど内面が変わらない男性という感じで、久しぶりに会った何やらワケありな仲の同級生に振り回され、彼女の7歳になる娘のチハルにも振り回され…、純粋そのものなのです

帰郷という作品に、そして晴男くんに癒されます