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☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『東京裁判』(1983)

2015年08月13日 | 邦画(クラシック)
『東京裁判』(1983)

監督:小林正樹
脚本:小笠原清、小林正樹
音楽:武満徹

【作品概要】
映画解説・あらすじ
 “東京裁判”と呼ばれ、戦後日本の進路を運命づけた極東国際軍事裁判。太平洋戦争敗戦後の昭和23年、市ヶ谷の旧陸軍省参謀本部にて開廷された裁判の模様を、裁判より25年の後に公開されたアメリカ国防総省の長大なフィルムをもとに製作した記録映画。生々しい当時の映像をもとに、戦争責任の所在、国家と個人の関係、あるいは勝者が敗者を裁くことの限界といった様々な問題を浮き彫りにした渾身の力作。
allcinema ONLINE(外部リンクより)

【感想レビュー】
前後編に分かれているDVDレンタルで観ました。近代史をもっと知ろうという一貫で観たものです。もちろんこれを鵜呑みにするのではなく、あくまでも資料として。

よく云われるように、連合国側などの勝者によって敗者を裁いたものだという側面が分かりやすい内容だった。
また、判事達や検察側にはそれぞれの立場で様々な思惑があり、それぞれに有利なシナリオに沿って判決が導かれるように躍起になっていた事も伺える内容だった。
例えば、連合国側の裁判長ウエッブ(豪)は、天皇責任については強硬派だったが、マッカーサーは、日本統治には天皇が必要であるとの思惑から、主席検察官キーナン(米)に、天皇免訴の立場を取らせた。
そうしたなか、多くの判事が連合国側に有利な判決で一致したが、インドのパル判事は、そもそも裁判そのものがおかしい、と指摘した。“平和に対する罪と人道に対する罪は戦勝国により作られた事後法であり、事後法をもって裁くことは国際法に反するなどの理由で被告人全員の無罪を主張した”
ただしこれは、日本の戦争責任が存在しないという立場ではない。

このように、連合国側か選んだ判事の中にも、法律者としての誇りを高く保つ人もいたのだなぁとびっくりした。

そして、被告側には一人一人弁護士がつくのだが、その中には連合国側と同じ国の弁護士もいた。こういった人の中にも、パル判事と同じように法律者として公平な論理展開をし、裁判を闘った弁護士がいた。


モノクロ映像でありながら、表情の変化や声の調子など、伝わってくるものがある。前編、被告席の東条英機が後ろに座っている大川周明に頭を叩かれて苦笑いするシーンなどは、法廷にドッと沸く声が響き、その空気が伝わってくるようだった。なんだか違和感があって、それが何なのかを考えているうちに数日が経ってしまったのだけども。どうも、真顔の東条英機像しか記憶にないから、歴史上の人物の笑った顔っていうのがけっこう衝撃だったのですね。しかも動画。

過去と現在が生々しく繋がっていく感覚…。緊張感のある法廷で、こんな一幕があったとは。

恥ずかしながら知らない事もたくさんあったので、観て良かったです。



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