☆映画の旅の途中☆

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『真木栗ノ穴』(2007)

2014年06月11日 | 西島秀俊さん☆映画
『真木栗ノ穴』(2007)

監督:深川栄洋
真木栗勉:西島秀俊
水野佐緒里:粟田麗
浅香成美:木下あゆ美
沖本シズエ:キムラ緑子
佐々木譲二:北村有起哉
細見貢:尾上寛之

【作品概要】
山本亜紀子の「穴」を映画化した異色ファンタジー。現実と妄想の間で展開する不可思議なストーリーが深い余韻を残す。
築40年の安アパートに暮らす作家の真木栗勉(西島秀俊)は、ある日部屋の壁に隣室をのぞき見できる2つの穴を発見。片方の部屋には若い男が住み、空いている部屋に若い女が引越してくるのを期待した彼は、その妄想を小説に書き始める。期待通りに女が越してきたとき、真木栗は毎日のように穴をのぞき、その女のとりこになっていく…。(Yahoo!映画より)

【感想レビュー】
もうこの作品は大大大好きで、もう何回観たのか分からない位ですけども、毎回毎回、新しい発見があります

鎌倉がロケ地で、釈迦堂・切り通しや江ノ電、極楽寺周辺が出てきますが、時代設定が曖昧な感じもいいのです。
真木栗先生や沖本シズエ(キムラ緑子)さんの衣装を見ていても、もっと昔に見せているけど、80年代くらいかな…などと観ていると、雑誌に“ITの革命児”の見出しが出てきて、えっ⁉っと思っていたら、部屋のカレンダーの西暦がしっかり映されていました。なんと2007年…。…してやられた…。

現実と幻想の境界線が曖昧で、フワッとしています。展開に沿って観ていくと、違和感に感じる点が幾つもあるのですが、観終わった後に、あのシーンのあの演技や雰囲気は、そういうことだったのか!…と合点がいきます。
とはいえ、それでも尚、判然としない点はありますが、そここそが醍醐味で、それを楽しむ映画です

冒頭と最後のシーンが同じで、作品の世界がループするような印象を持ちます。
ラストには電話の鳴る音が入っているのですが、呼ばれている感じが、なんだかドキっとします。どこに、誰に呼ばれているのか…。

深川監督も西島さんも仰っていますが、美術が本当に凄いです、素晴らしいです。
低予算映画という事ですが、ちっともチープな感じがしないのです。真木栗先生のお部屋

そして!真木栗先生のシワシワの五千円札も、クタクタのジャケットも、ヨレヨレの茶色いパンツも、…いいっ!
話し方やそのイントネーション、語尾の感じ、仕草、表情、などのすべてが真木栗先生を描いていて、惹き込まれます

『深川監督に全シーン徹底的に演出された』と西島さんが仰っていますが、ユニークな真木栗先生のキャラクターが、サスペンスともホラーともつかない不思議なこの作品の中で、とっても魅力的に生きています。クスクス笑いながら観てしまいますから

そして、劇中音楽のピアノがとっても素敵でした
DVD特典で、映画に音を入れる様子があるのですが、演奏者が映像を観ながら演奏するスタイルで、興味深かったです。


冒頭シーンの台詞↓
『例え白日夢であったとしても、掴んだ手を離したりはしない。なぜなら、私たちは誰もが孤独であり、その命は刹那で、儚いものだから。』


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