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☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『私の男』(2013)

2015年10月07日 | 邦画(1990年以降)
『私の男』(2013)

監督:熊切和嘉
腐野淳悟:浅野忠信
腐野花:二階堂ふみ
尾崎美郎:高良健吾
大塩:藤竜也
田岡:モロ師岡
大塩小町:河井青葉
花(10歳):山田望叶

【作品概要】
直木賞作家・桜庭一樹によるベストセラー小説を、『海炭市叙景』などの熊切和嘉監督が映画化。流氷に閉ざされた北海道と東京を舞台に、孤児となった少女と彼女を引き取ることになった男の禁断の関係を描き出す(Yahoo!映画より)。

【感想レビュー】
うあぁ…
色々と禁断な世界であった…。
一つの作品の中に、虫唾が走るほど嫌悪感を抱く部分と息を呑むほど美しく圧倒される部分とが断続的に訪れて、登場人物達は中心の2人の運命の大きな渦にあれよあれよと巻き込まれていきます

赤いドットで埋めつくさせれるシーン。血が迸るような熱い熱いシーンだった。流氷のシーンとの対比にドキドキ

内容に対する嫌悪感と映像美に対する恍惚感とで得も言われぬ感覚を味わいました…

二階堂ふみちゃん演じる花の高校生時代のゲジゲジ眉や(本当に生えていそうな設定の)口周りの産毛。思春期と成長期特有の青臭さや酸っぱさがツーンと喉と鼻の奥に立ち込めてきて、何とも胸焼けがしてくる…。観ていて辟易してくる…。そんな小娘(…!!!)が恋敵かもしれないと思っただけでもうグッタリなことに…
とにかく、花の眉毛に“女”の変遷が集約されていた
二階堂ふみちゃんは凄いなぁ…。

浅野忠信さん演じる淳悟の表情にグッときたし、藤竜也さんがなんと言っても素敵だった…

『回路(35mm)』 (2001)

2015年10月01日 | 邦画(1990年以降)
『回路(35mm)』 (2001)

監督:黒沢清
主演:加藤晴彦、麻生久美子、小雪、有坂来瞳、松尾政寿、武田真治、風吹ジュン、菅田俊、哀川翔、役所広司

【作品概要】
ある日、謎のサイトに繋がった亮介のPCに「幽霊に会いたいですか」というメッセージが…。ネットを通じて伝染してゆく孤独と恐怖を描いた代表作の一本。海外で一般公開され、カンヌで批評家連盟賞を受賞した。(シネマヴェーラHPより)

【感想レビュー】@theater
引き続き黒沢監督特集。『神田川淫乱戦争』に続いて、『ココロ、オドル』という23分の短編映画があったのですが…珍しく寝落ち…
浅野忠信さんがなんか遊牧民のようないでたちで荒野に居て、風で髪をなびかせている…のを観た気がします。凄い存在感と思ったのと音楽がドンドコドンドコしてたのだけ覚えております…。貴重な観賞機会だったのに無念


そんなこんなで、続いての『回路』は眠気も取れてスッキリした頭で臨めました
結論から言うと、怖かったし面白かったです

不穏な感じを、ホラー映画独特の効果音でビックリさせるというのではなくて、何かもっと異質な怖さでした
予測するストーリー展開が微妙に裏切っていかれる毎に。また、会話において予測する相手の反応がこれまた微妙にズレたものになっていく毎に怖さは増していきます。違和感の連続が解決せず、宙ぶらりんな状態でストーリーが進んでいく、その心許無さといったら…!


ラストの役所広司さんの台詞の“君たちは、間違っていない”の語尾の雰囲気は『ニンゲン合格』の“お前は、存在した”に似ていたなぁ


しかし、ネットに巣食う闇を2001年に予見していたあたりもリアルに怖い…




『百円の恋』(2014)

2015年09月19日 | 邦画(1990年以降)
『百円の恋』(2014)

監督:武正晴
出演者:安藤サクラ、新井浩文

【作品概要】
32歳のパッとしない女性がボクサーとの出会いから、毎日をサバイブしながら恋愛とボクシングに目覚めていく姿を、安藤サクラが演じた人間ドラマ。(Yahoo!映画より)

【感想レビュー】
WOWOWの録画で観ました。
いやぁ~本当に凄かったです‼ただいま感動中です

中心の二人だけでなくて、家族はもちろん、ちょこちょこ出てくるコンビニやボクシングジムの登場人物たちさえも鮮やかに息づいていて、断片だけど、生身の人間としてリアルに感じました…

安藤サクラさんや新井さんの演技や存在感が凄いのは言わずもがなですが、実際に俳優の肉体の変化を通して伝わってくるものに、ひたすら感動し夢中で観ました
映像越しでもビシビシと
やっぱりそこはリアルだからかなぁ。

サクラさんの、まるでダンスのステップを踏むような軽快で俊敏な動きのシャドーボクシングは絶品すぎたぁ

うっすらとそしてゆっくりと、でもじわじわと前に進んでいく再生物語。
観たあと、心に温かいものが広がる素敵な映画でした


『おおかみこどもの雨と雪 』(2012)

2015年08月26日 | 邦画(1990年以降)
『おおかみこどもの雨と雪 』(2012)

監督:細田守
声:宮崎あおい、大沢たかお
【作品概要】
細田守監督による長編オリジナル作品第2作である。細田は本作で初めて自ら脚本も手がける。テーマは「親子」であり、19歳の少女が「おおかみおとこ」と出会い、その間に生まれた「おおかみこども」の姉弟が成長し自立するまでの13年間を描く。(Wikipediaより)

【感想レビュー】
ちょっと前のWOWOW放送を録画で観ました

結論からいうと、想像していたよりとっても良くて、しばらくリピートしてしまいました
何でだろう…

この監督のは『サマーウォーズ』だけ以前に観ていて、絵柄がちょっと好みではないものの、何かクセになるなぁなどと偉そうに思っていたのですが。
それでまぁ何となく観始めたおおかみこども。

おおかみこどもの雪が大人になった設定でのナレーションがまぁ長くて長くて悶々とするのと、雪のお母さんの無理くりな笑顔とかそのいじらしいキャラクター設定に相容れないものを感じつつも、何だか有無をいわせないエネルギーがあって、グッと堪えながら観る…。そして観る。さらに観る。

…っと、急にハッとさせられる瞬間があります

日本オオカミの末裔と人間の間に生まれたという設定が、まずもうファンタジーなのですが、そういった境遇ならではの(?)の苦労とか痛みみたいなもの
は、妙にリアルな描写なのです


そして登場人物達が忍耐を要するストーリー展開なので、観ているこちら側もムムムな時間帯が続きますが、一面の雪のシーンの音楽‼そして風を感じる映像の数々‼…このカタルシスは凄いっ‼と思わず魅入ってしまいました

おおかみ姿で疾走するシーンの、おおかみ目線のスピードを伴った映像の臨場感たりや…

また菅原文太さんのお声に耳を傾けつつ…。

いや、しかし色々凄かった

『わたしのハワイの歩きかた 』(2014)

2015年08月18日 | 邦画(1990年以降)
『わたしのハワイの歩きかた 』(2014)

監督:前田弘二
出演者:榮倉奈々、高梨臨、瀬戸康史、加瀬亮

【作品概要】
ハワイを舞台に、現地ロケにて制作された恋愛コメディ映画で、日常の行き詰まりからの解放を求めてハワイに旅した女性の、現地での恋愛の顛末を描いた。(Wikipediaより)

【感想レビュー】
WOWOWでやっていたので観ることに。
ちょっと前から放映していたのですが、榮倉奈々さんが主演という以外は知らず、タイトルだけで何とな~く敬遠していた作品です

結論からいうと、けっこう面白くて、軽く観られるわりに、さり気なく色々と描かれていて良かったです
フレネミーな女友達とか。いわゆる中二病な登場人物達とか。誇張されて描かれているけど、あぁいるいる、分かる分かるっていう感じがあって、でも笑える感じで全体的には爽やかだった

榮倉さん演じるヒロインにはなかなか共感はできませんが、まずまずの肉食系で面白かったです

それにしても…タイトル…?

なんか、いわゆるセレブリティな生活や身分に憧れる人達を軽くディスる感じとかもあって、そういう意味では、このハワイの設定は世界の縮図だったりした

本当は、私の人生の歩きかた、的な内容だったけど、ハワイってすることで違う土地でのプチモラトリアムで再生していく様子がゆったり描かれている。

ゆるゆる観るのにお勧めな映画でした