散文的で抒情的な、わたくしの意見

大河ドラマ、歴史小説、戦国時代のお話が中心です。

スニッファーは面白い。

2016年11月27日 | ドラマ
NHKの嗅覚捜査官スニッファー。日本のドラマとしては、実に面白い。

まあ日本のドラマではありませんが。

犬なみの嗅覚をもった男が、その能力で犯人を捜しだすという犯罪もので、「ウクライナの私立探偵スニッファー」が原作です。

でもこのドラマの題名(日本語訳)も変。私立探偵じゃないからです。特殊警察の顧問というか、協力者、契約局員です。

主人公の顔が似ています。もっとも阿部寛さんの方がハンサムです。

設定もドラマの流れも「非常に似ているが、全く違うとも言える」感じです。

主人公の元妻、今の恋人との関係。日本版だと非常にコミカルですが、ウクライナの原作版だともっと「シビア」です。

相棒の刑事、日本版だと香川さんですが、これまたコミカルな人物です。ウクライナ版だと「ハンサムではないが女たらし」という設定で、日本版ほどコミカルではありません。

ウクライナ版ではいわゆるロシア系マフィアが登場します。殺害シーンなどもかなりリアルです。

でも日本版はNHKですから、マフィアは新興宗教団体に設定替えされ、残虐な殺人シーンも少ししか登場しません。

日本版が「人情劇」になっており、親子の情とかに焦点があてられる傾向にあるのに比べ、ウクライナ版は「日本的な人情ドラマ」とは違っています。

人情ものの回もありますが、日本的な人情ものとはかなり違った印象を受けます。

ただ、相棒とスニッファーの関係に「熱いもの」がある点はウクライナ版の面白さです。普段は冷淡ですが、スニッファーの危機に対しては、熱い行動をとります。

ちなみに相棒を「刑事」と書きましたが、ウクライナ版での肩書は「大佐」です。

ウクライナの「村」が登場します。特殊警察の捜査設備や建物は非常に近代的なんですが、「ウクライナの村」は「びっくりするほど貧乏」です。住宅は家というより小屋です。

ウクライナのことなんて全く知らないので、ウクライナを知ることができる点も興味深いところです。こんなに貧しいんだな、と少し世界のことが分かった気持ちになります。

珍しくどちらも面白い。日本版、もうちょっと人情ドラマ性を薄くすれば、なお面白いと思います。

ちなみにウクライナ版は字幕のみで、そこが難点。字幕は疲れます。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿