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ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

紅白が「サヨナラの意味」である意味、ミリオンを巡る攻防と不透明な1期2期全員出場の行方 [22Dec16]

2016-12-22 01:00:00 | 芸能

乃木坂46が参加する、注目の番組とイベント

12月23日(金祝) 16 : 00 〜 19 : 00 [BS] BS スカパー! 『乃木坂 46 Merry Xmas Show 2016 12.9〜アンダー単独公演〜 独占完全放送』。アンダー単独の武道館クリスマスライブの模様を放送

12月23日(金祝) 19 : 00 〜 23 : 10 [地デ] テレビ朝日『ミュージックステーションスーパーライブ2016』に、乃木坂と欅坂が出演

12月29日(木) 24 : 30 〜 25 : 30 [地デ] テレビ東京『乃木坂工事中SP 乃木坂46&欅坂46合同忘年会!』。乃木坂と欅坂が、初のバラエティ共演

12月31日(土) 19 : 15 〜 23 : 45 [地デ] NHK総合ほか『第67回NHK紅白歌合戦』に、乃木坂と欅坂が紅組の正規枠で出場。乃木坂は2年連続2回目で「サヨナラの意味」を披露する予定。初出場の欅坂は「サイレントマジョリティー」

12月31日(土) 23 : 45 〜 [地デ] TBS『CDTVスペシャル!年越しプレミアライブ 2016 → 2017』に、乃木坂と欅坂が出演


乃木坂が出演する番組やイベントをさらに知りたい方は、以下のリンクをご利用下さい。

アレチの素敵な乃木坂業務連絡 08Nov16 〜 テレビ・ラジオ番組と重要イベントの日程 ['16Oct〜Dec]
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 08Nov16 〜 テレビ・ラジオのレギュラー番組日程 ['16Nov]

「ブックマーク」内にある次のリンクは、乃木坂のスケジュールを、過去分も含めて、まとめたものです。「ブックマーク」は、PCでは左サイドバー、モバイルでは記事の最後に置かれています。

定期日程(@Nov16)
重要日程(Oct~Dec16)
重要日程(Aug~Sep16)
重要日程(Jun~Jul16)
重要日程(Apr~May16)
重要日程(Feb~Mar16)
重要日程(Nov15~Jan16)



「明治は遠くなりにけり」という言葉があって、かなり昔、盛んに使われた時期があったらしいけど、近い将来、「昭和は遠くなりにけり」と言われるのかもしれない。

トミー・リー・ジョーンズが、今年亡くなった、永六輔、蜷川幸雄、大橋巨泉と「共演」する、缶コーヒーのCMを観ていると、そんな時代が、あと一歩にまで迫っているような気持ちになります。

なぜ、こんなことを書いているかというと、乃木坂3期生が公式ブログを始め、2人目の自己紹介に、

東京都出身 乃木坂46最年少 中学1年生12歳 岩本蓮加です!
チョコとプリンが大好きです。
れんたんと呼んでください(o^^o)

(岩本蓮加の2016/12/20_15:50ブログ)

とあるのを読んで、軽いショックを受けたもので(笑)。


乃木坂が結成された2011年の夏、最年少メンバーの齋藤飛鳥は13歳の中学1年生。

また、2012年の2月にデビューシングル「ぐるぐるカーテン」が発売されたとき、フロント抜擢された生田絵梨花は15歳の中学3年、星野みなみは14歳、中学2年生だった。

かつては、乃木坂に中学生が何人もいて、それが日常風景だったけど、グループが歳月を重ねるうち、いつのまにか、2期を含めて高校生が最年少となり、多くのメンバーが、成人式からの距離で年齢を把握した方が分かりやすくなっていった(笑)。

物理的には結成から5年経っただけの話ですが、その間に、さまざまな出来事が起こり、中学生が高校生になり、高校を卒業し、乃木神社で成人式を経験するメンバーが毎年増えていく。

こういった個人とグループの歩みを、ファンとして一緒に辿っていると、「会いたかったかもしれない」を歌っていた時代が、本当に遠くへ過ぎ去ってしまったと感じます。


3期メンバー最初のブログにも、

乃木坂46唯一の沖縄県出身、中学2年生14歳、伊藤理々杏です。

(伊藤理々杏の2016/12/19_18:00ブログ)

とあります。

更新のたび、「中学生」という言葉が繰り返されると、長らく忘れていた過去の記憶が、まざまざと呼び起こされるような、不思議な気分になります。

「乃木坂は遠くになりにけり」と呟くのは間違いだけど、以前、自分がよく知っており、慣れ親しんでいた「乃木坂」は、戻ってこないという感傷が沸き上がってくる。

個人として、タレントとして、華やかに成長した齋藤飛鳥、星野みなみ、生田絵梨花が、中学生の頃、まだ幼さと未熟さの中、手探りで進んでいた乃木坂の黎明期。

それが二度と帰ってこないのは、酷暑に喘いだ夏が過ぎ去り、澄み渡った秋空の下で感じる肌寒さのように、嬉しくもあり、寂しくもある。


新しいメンバー、しかもびっくりするほど若い人が加入することは、ファンの心を予期せぬ方向に揺さぶるようです。

グループの「若返り」というのは、本質的に、切ない作業なのかもしれない。

ところで、トミー・リー・ジョーンズがウィル・スミスと大暴れする『メン・イン・ブラック』は、意外に3作目がナイスだと思う(笑)。



さて、NHK紅白歌合戦の曲目が、「サヨナラの意味」と発表されました。

乃木坂は今、橋本奈々未の「卒業」というテーマに、グループを挙げて取り組んでいるので、大方のファンにとって、この選曲は予想の「本命」が来たという感じじゃないでしょうか。

ただ、ななみん卒業は、彼女の健康状態が絡んで、今や、かなりの難事業と化している(笑)。

そのため、握手会やライブを欠席というアナウンスが出される度に、一刻も早く、グループを離れる日に辿り着き、心身共に、楽になって欲しいという思いが募ってきます。


長年、一緒に旅をしてきた仲間が、この峠を越えたら、別の道へ行く予定で、今が一緒に過ごす最後の時間なんだけど、直面している峠越えがめちゃめちゃにハードで、思い出に浸って、別れを惜しむ余裕が微塵もない、そんな状況です(笑)。

とにもかくにも、無事に峠をクリアして、新しい道へ、元気に旅立って欲しいと、今はそれだけを願っている。

このまま行くと、彼女が乃木坂からいなくなり、束の間、ホッとした後、かなりシビアな「ななみんロス」が襲ってきそうで怖い(笑)。


しかし、大晦日のNHKホールで披露する曲として、「サヨナラの意味」が選ばれたのは、橋本奈々未の「卒業」以外に、もう一つ「意味」があるように思えます。

乃木坂が17枚目で取り組んでいる、別のテーマ、すなわち「ミリオン」達成が、選曲の背後に、チラチラと見え隠れしている。

次の表は、最新のオリコン売り上げと、今後の予定を示したものです。

(表1) 乃木坂の16枚目「サヨナラの意味」のオリコン週間ランキングの推移と関連イベントの日程

凡例
[順位] 売り上げ枚数 (累計売り上げ枚数 @ 同時期における前作累計からの伸び) : CD発売後経過週 日付

16枚目「サヨナラの意味」
[01位] 82.8万枚 (82.8 @ +10.0) : 01週目 11/07(月)13(日)
[04位] 03.9万枚 (86.6 @ +10.5) : 02週目 11/14(月)20(日)
[04位] 02.7万枚 (89.4 @ +11.6) : 03週目 11/21(月)27(日)※ 全国(幕張メッセ)
[08位] 01.0万枚 (90.4 @ +11.8) : 04週目 11/28(月)04(日)
[16位] 00.7万枚 (91.1 @ +11.3) : 05週目 12/05(月)11(日)
[06位] 01.2万枚 (92.3 @ +10.7) : 06週目 12/12(月)18(日)※ 全国(ポートなごや)
(今後の予定)
[00位] : 07週目 12/19(月)25(日)※ MステSuperLive
[00位] : 08週目 12/26(月)01(日)※ NHK紅白, CDTV年越しSP
[00位] : 09週目 01/02(月)08(日)
[00位] : 10週目 01/09(月)15(日)※ 全国(京都パルス)
[00位] : 11週目 01/16(月)22(日)
[00位] : 12週目 01/23(月)29(日)
[00位] : 13週目 01/30(月)05(日)
[00位] : 14週目 02/06(月)12(日)
[00位] : 15週目 02/13(月)19(日)
[00位] : 16週目 02/20(月)26(日)※ 橋本奈々未の卒業ライブ


昨日、新しい週間ランキングが発表され、発売6週目の「サヨナラの意味」は、1.2万枚を積み上げ、前週の16位から、6位へアップしています。

ポートメッセなごやで、12月17日(土)に全国握手会、翌18日(日)に個別握手会が開催され、その効果によって、売り上げ枚数と順位が上昇したと考えられます。

とくに、17枚目では、全国握手会のミニライブ券と初回握手券が切り離され、両方へ参加するには、初回限定盤が、従来の1枚から、2枚必要となり、そのシムテム変更が、CDセールスを押し上げた面はあるでしょう。

実際、名古屋で全国握手会が行われた週における、過去シングルの売り上げは、「ハルジオンが咲く頃」が6週目の0.8万枚、「裸足でSummer」は8週目で1.0万枚だったので、「サヨナラの意味」では、より大きな伸びを見せています。


ただ、オリコン累計は、ポートメッセ効果を入れて92.3万枚で、「ミリオン」に載せるには、あと8万枚ほど積み上げなければならない。

「サヨナラの意味」は、CDが発売されるや否や、出荷数ながら「ミリオン」達成と、メディアやメンバーを通して、大々的に喧伝された経緯がある。

オリコン累計が「ミリオン」に届かないとなると、あの高らかに宣言された「ミリオン」は何だったんだと(笑)、若干、トホホな空気が流れるかもしれない。

「出荷数」だけでなく、「実売数」でも「ミリオン」となり、「卒業」する橋本奈々未への、プレゼントとするのが、運営が描く、理想のシナリオじゃないでしょうか。


では、今後、8万枚を積み上げることが可能かどうかですが、ん〜、もの凄く、微妙です(笑)。

もっとも枚数を稼げる全国握手会は、来年の1月14日(土)に、京都パルスプラザ会場を残すのみ。

発売10週目に当たりますが、期待できる積み上げは、いくら何でも2万枚が限度じゃないでしょうか。


そして、過去のシングルでは、全国握手会がすべて終了すると、CDセールスの伸びは、一気に鈍化してゆく。

(表2) 乃木坂の15枚目「裸足でSummer」のオリコン週間ランキングの推移と関連イベントの日程

凡例
[順位] 売り上げ枚数 (累計売り上げ枚数 @ 同時期における前作累計からの伸び) : CD発売後経過週 日付

# 売り上げ枚数は、万枚単位で、小数点以下2桁目を四捨五入している

15枚目「裸足でSummer」
[01位] 72.8万枚 (72.8 @ -2.2) : 01週目 07/25(月)31(日)
[07位] 03.3万枚 (76.1 @ -1.1) : 02週目 08/01(月)07(日)
[07位] 01.6万枚 (77.8 @ -0.8) : 03週目 08/08(月)14(日)
[15位] 00.8万枚 (78.6 @ -1.5) : 04週目 08/15(月)21(日)
[16位] 01.2万枚 (79.8 @ -0.9) : 05週目 08/22(月)28(日)
[08位] 01.8万枚 (81.6 @ +0.1) : 06週目 08/29(月)04(日)※ 全国(幕張メッセ)
[12位] 00.6万枚 (82.2 @ -0.1) : 07週目 09/05(月)11(日)
[07位] 01.0万枚 (83.2 @ +0.9) : 08週目 09/12(月)18(日)※ 全国(ポートなごや)
[19位] 00.4万枚 (83.6 @ +1.2) : 09週目 09/19(月)25(日)
[07位] 01.0万枚 (84.6 @ +2.1) : 10週目 09/26(月)02(日)※ 全国(京都パルス)
[42位] 00.1万枚 (84.7 @ +2.2) : 11週目 10/03(月)09(日)
[50外] 00.1万枚 (84.8 @ +2.3) : 12週目 10/10(月)16(日)
[50外] 00.1万枚 (84.9 @ +2.3) : 13週目 10/17(月)23(日)
[50外] 00.1万枚 (84.9 @ +2.3) : 14週目 10/24(月)30(日)※ 個別応募終了
[50外] 00.1万枚 (85.0 @ +2.4) : 15週目 10/31(月)06(日)
[50外] 00.1万枚 (85.1 @ +2.4) : 16週目 11/07(月)13(日)
[50外] 00.0万枚 (85.1 @ +2.4) : 17週目 11/14(月)20(日)
[50外] 00.0万枚 (85.1 @ +2.4) : 18週目 11/21(月)27(日)
[50外] 00.0万枚 (85.2 @ +2.4) : 19週目 11/28(月)04(日)
[50外] 00.0万枚 (85.2 @ +2.5) : 20週目 12/05(月)11(日)


15枚目は、発売10週目の京都パルスプラザをもって、全国握手会が終わりますが、翌11週目からオリコン順位は急落、12週目には1千枚以下の売り上げで、50位圏外に転落、17週目以降は、数百枚にまで下がっている。

上表で、発売10週目と20週目の累計売り上げ枚数を比べると、10週間経っているのに、積み上げが1万枚にも達していないことが分かります。

もし、全国握手会後の売り上げ急落が「サヨナラの意味」でも、同じように起こるならば、8万枚を稼ぐ勝負は、10週目の京都までで決してしまう。

そして、7、8、9週目で6万枚以上を売り上げるのは、「通常」であれば、ほぼ不可能と言わざるを得ません。


しかし、17枚目に関しては、「通常」とは違うことが待っている。

7週目には、テレビ朝日『MUSIC STATION SUPER LIVE』があり、8週目の大晦日は、『第67回NHK紅白歌合戦』から、TBS『CDTVスペシャル!年越しプレミアライブ 2016→2017』へ、怒濤のテレビ出演が予定されています。

とくに、30%以上の視聴率を期待できる紅白において、橋本奈々未の「卒業」を告知し、「サヨナラの意味」をパフォーマンスすれば、その後、何が起こるか分かったもんじゃない(笑)。


紅白を通じて多くの視聴者が、ななみんと「サヨナラの意味」に興味を持ってくれれば、発売7、8、9週目の売り上げで「ミラクル」を起こせるかもしれず、さらに、2月20日(月)の卒業コンサートへ向け、大きな人気の波が発生する可能性もある。

オリコン累計の「ミリオン」到達が、「通常」ならば微妙な見通である中、紅白のステージは、起死回生への願ってもないチャンスです。

乃木坂の将来を考えるならば、「裸足でSummer」によって、2017年に中心メンバーとなるだろう齋藤飛鳥を前面に出すなり、あるいは、MV再生数のもっとも多い「制服のマネキン」を選択して、乃木坂流のダンスナンバーを披露し、生田絵梨花、生駒里奈、星野みなみといった、グループの「原点」であり、「未来」でもあるフロントを紹介することも、意義のあるチョイスです。


しかし、そうではなく、「サヨナラの意味」を選んだのは、卒業商法によって、手の届くレベルにまで「ミリオン」が近づき、紅白のステージを、17枚目セールスの総仕上げの一つと捉えた面があるかと思います。

「卒業」する上に、芸能界を「引退」するメンバーを、紅白という大舞台でフィーチャーするのは、年が明けて、すぐにやって来る「ポストななみん」時代を見据えるならば、あまり賢いやり方とは思えない。

ただ、CDセールスにおいて、何はともあれ、「ミリオン」という称号を獲得することが、乃木坂の将来を明るく照らすのだと、運営が信じているならば、なるほどと頷けるものはある。

「サイレントマジョリティー」を選択し、現シングル「二人セゾン」のセールス上昇ではなく、グループの特徴を伝えることを優先した欅坂とは、おそらく異なった発想が、曲目「サヨナラの意味」の背後にあるのでしょう。


しかし、「サヨナラの意味」のセールスには、テレビ露出の効果という点で、やや不安を覚える部分があります。

AKB48、46枚目表題曲「ハイテンション」のMV再生数が、4日先行して公開されていた「サヨナラの意味」MVを追い抜いたのは、12月初めのことで、その後も、上昇速度と累計の両方において、前者が後者を上回り続けている。

以下の表は、「サヨナラの意味」MVの累計再生数が逆転される前、上昇速度で追い抜かれたときの状況を示しています。

(表3) YouTubeに公開されている「サヨナラの意味」と「ハイテンション」のMV再生数推移

凡例
「サヨナラの意味」MVの公開後経過週数 対象週の日付
対象週における再生回数上昇速度 (週終わりの累計再生回数/+対象週における積み上げ再生回数 @ MV公開後経過週数)
(日ごとの推移)
対象日における再生回数上昇速度 (日終わりの累計再生回数)

# 青色は「サヨナラの意味」赤色は「ハイテンション」のMVに関するデータ

公開4週目 11/07(月)13(日)
07.0万回/日 (357.2/+048.9 @ 04W)
06.8万回/日 (302.9/+047.9 @ 03W)
(日ごとの推移)
07.5万回/日 (315.9)06.4万回/日 (261.4) : 11/07(月)
07.0万回/日 (322.9)06.3万回/日 (267.7) : 11/08(火)
07.3万回/日 (330.2)06.3万回/日 (274.0) : 11/09(水)※ CD発売
06.9万回/日 (337.1)06.3万回/日 (280.3) : 11/10(木)
06.2万回/日 (343.3)06.7万回/日 (287.1) : 11/11(金)
08.0万回/日 (351.3)08.9万回/日 (295.9) : 11/12(土)
06.0万回/日 (357.2)06.9万回/日 (302.9) : 11/13(日)

公開5週目 11/14(月)20(日)
05.8万回/日 (398.0/+040.8 @ 05W)
09.2万回/日 (367.3/+064.4 @ 04W)
(日ごとの推移)
05.9万回/日 (363.1)06.6万回/日 (309.5) : 11/14(月)
04.8万回/日 (367.9)05.9万回/日 (315.4) : 11/15(火)
05.5万回/日 (373.4)09.1万回/日 (324.4) : 11/16(水)※ CD発売
05.3万回/日 (378.6)08.7万回/日 (333.1) : 11/17(木)
05.7万回/日 (384.4)10.1万回/日 (343.2) : 11/18(金)※ Mステ
06.9万回/日 (391.3)12.7万回/日 (355.9) : 11/19(土)
06.7万回/日 (398.0)11.4万回/日 (367.3) : 11/20(日)


「サヨナラの意味」MVは、公開4週目に入っても、週全体の平均上昇速度では、「ハイテンション」MVを上回っていました。

しかし、この週の水曜、11月9日にCDが発売されたとき、上昇速度に顕著なアップが見られなかった。

前週の金曜、11月4日に、Mステで「サヨナラの意味」をパフォーマンスしてから、発売週に突入しており、プロモーションとしては、理想的な展開の筈なんですが、再生数の積み上げが加速していない。

そして、上昇速度は徐々に下降し、公開5週目に、5.8万回/日まで落ちていきます。


一方、「ハイテンション」MVは、11月16日(水)にCDが発売され、同日、再生数の上昇速度が、前日の5.9万回/日から、9.1万回/日へアップ。

さらに、18日(金)、Mステでパフォーマンスが披露されると、さらに10.1万回/日へ跳ね上がり、高い水準を保ったまま、土曜、日曜を過ごすことになる。

ここにおいて、「ハイテンション」MVの上昇速度に関する優位が確定し、それ以降、現在に至るまで、「サヨナラの意味」MVは、週単位だけでなく、日単位の数字でも、後塵を拝する状況が続いています。


「サヨナラの意味」は、「ハイテンション」と同じくらい、集中的なテレビ露出を仕掛けていたけど、MV再生数の積み上げが十分加速しなかったことが、明暗を分けてしまった。

10月19日(水)の深夜、『オールナイトニッポン』で橋本奈々未が「卒業」を発表、その2日後、21日(金)に、フルバージョンMVが公開され、当初、もの凄い勢いで、再生数が伸びていきます。

ところが、時間が経つにつれ、再生数の伸びが鈍化し、音楽番組での楽曲披露が始まって以降も、反転上昇がほとんど見られなかった。

やがて、累計再生数で、4日後発の「ハイテンション」MVに抜かされ、1ヶ月公開が遅い「二人セゾン」MVにも、逆転を許すことになる。

音楽番組におけるステージパフォーマンスが、MV再生数の上昇につながっていない。


分厚いテレビ露出を仕掛けても、なかなか楽曲指標の数字が上がってこない現象は、MVの再生数だけでなく、iTunes Store トップソングの順位推移にも認められます。

(表4)「サヨナラの意味」「裸足でSummer」「ハルジオンが咲く頃」の iTunes Store トップソングにおける、配信後経過週で区切った順位帯推移

凡例
配信開始後経過週
A-B-C-D-E / F-G-H [Z] : 週の日付

# 上記 A〜H と Z は、指定された週において、それぞれ以下の順位帯に、ランクインした日数を表す
A(1〜10位)、B(11〜20位)、C(21〜30位)、D(31〜40位)、E(41〜50位)、F(51〜100位)、G(101〜150位)、H(151〜200位)、Z(200位圏外)
#「※」には、「サヨナラの意味」を披露した「地上波」テレビの音楽番組を記している

サヨナラの意味
裸足でSummer
ハルジオンが咲く頃

1週目
5-0-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 11/02(水)06(日)※ Mステ, シブヤノオト
4-1-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 07/20(水)24(日)
2-3-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 03/23(水)27(日)
2週目
2-5-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 11/07(月)13(日)※ 乃木坂工事中
1-6-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 07/25(月)31(日)
0-0-3-4-0 / 0-0-0 [0] : 03/28(月)03(日)
3週目
0-2-5-0-0 / 0-0-0 [0] : 11/14(月)20(日)※ うたコン, Rの法則, ベストヒット
0-2-5-0-0 / 0-0-0 [0] : 08/01(月)07(日)
0-0-1-2-4 / 0-0-0 [0] : 04/04(月)10(日)
4週目
0-0-0-1-2 / 4-0-0 [0] : 11/21(月)27(日)
0-0-0-4-3 / 0-0-0 [0] : 08/08(月)14(日)
0-0-0-0-0 / 7-0-0 [0] : 04/11(月)17(日)
5週目
0-0-0-2-5 / 0-0-0 [0] : 11/28(月)04(日)※ ベストアーティスト
0-0-0-0-0 / 7-0-0 [0] : 08/15(月)21(日)
0-0-0-0-0 / 5-2-0 [0] : 04/18(月)24(日)
6週目
0-0-0-0-6 / 1-0-0 [0] : 12/05(月)11(日)※ FNS歌謡祭第1夜
0-0-0-0-0 / 2-5-0 [0] : 08/22(月)28(日)
0-0-0-0-0 / 0-2-5 [0] : 04/25(月)01(日)
7週目
0-0-0-0-0 / 7-0-0 [0] : 12/12(月)18(日)※ 堂本兄弟SP
0-0-0-0-0 / 3-4-0 [0] : 08/29(月)04(日)
0-0-0-0-0 / 0-6-1 [0] : 05/02(月)08(日)

# CDの発売は、「サヨナラの意味」と「裸足でSummer」が配信2週目、「ハルジオンが咲く頃」は1週目


橋本奈々未の「卒業」「引退」という大きな看板があり、AKB48の「ハイテンション」と並んで、凄まじいほどの分量、テレビ露出を仕掛けているのに、配信1、2、3週目のランキング推移は、前作「裸足でSummer」と、ほとんど変わりません。

それどころか、「地上波」の音楽番組がなかった配信4週目は、順位を大きく崩し、50位圏外に4日も落ちてしまう。

集中的なテレビ披露によって、かろうじて順位下落を遅らせている感があり、プロモーションに見合った成果が上がっていない。


「サヨナラの意味」と「ハイテンション」は、最近リリースされた、J-POPの全楽曲中、もっとも多くの音楽番組で披露された曲かもしれない。

しかし、本来、テレビ露出に敏感に反応する iTunes トップソングの動きが鈍く、MVの再生数と同様、反転上昇がなかなか起こらない。

「サヨナラの意味」は、CDセールスが累計90万枚を突破したものの、それ以外の楽曲セールスは、桁外れのプロモーションによって、何とか前作を越えている感じで、欅坂「二人セゾン」には、到底及ばないというのが、偽らざる現状です。


音楽番組におけるステージが、MV再生数にせよ、iTunesランキングにせよ、数字を上方向に揺らさないので、出演すれどもすれども、楽曲指標がアップしてこない。

ところが、一つだけ、希望の持てるステージがあります。

上表の配信5週目、17枚目表題曲において、ほぼ初めてと言っていい、明らかな順位の反転上昇が起こっている。

切っ掛けとなったステージは、生歌比率が高いのではないかと話題になった、日テレ『ベストアーティスト2016』です。


基本的には「被せ」だけど、おそらく、生田絵梨花、衛藤美彩、中元日芽香の3人が歌唱に参加して、メンバーの肉声が響き渡ったパフォーマンスだった。

いつもと異なるステージに驚き、慌てて

軸は生田衛藤中元か、『ベストアーティスト』の「サヨナラの意味」は生歌指向の秀逸なステージ [30Nov16]

という記事を書いたのですが、ステージに対するネット上の反響は大きく、iTunes トップソングにおいて、順位が上昇に転じます。

披露された生歌パフォーマンスのレベルが高いかどうかはともかく(笑)、少なくとも、多くの人の心を揺さぶったことは間違いない。

そして、聴く人の心に届けば、楽曲セールスはちゃんと反応するようです。


『ベストアーティスト』のステージが話題を呼んだことから、配信6週目のフジテレビ『FNS歌謡祭第1夜』への関心が高まったのか、2週に渡って、トップソングの順位は、50位圏内に入ります。

しかし、『第1夜』では、『ベストアーティスト』ほど生歌が入らず、普段通りの「口パク」「被せ」ステージに戻ってしまった。

配信7週目のフジテレビ『堂本兄弟もうすぐクリスマスSP』も、バックコーラスを担当した高橋みなみの「星空になる」が、明確な生歌だった以外は、ほとんどメンバーの地声を感じなかった。

高橋みなみは、乃木坂ではなく、現在、AKB48ですらないので、そんなに有り難いとは思わなかったけど(笑)、一部でも生声が入ると、ハッとするのは確かです。

こういった「期待外れ」が続いたためか、配信7週目は、再び50位圏外に留まり、再び、低落傾向を見せ始めています。


紅白歌合戦で、乃木坂は、美少女、美人揃いのビジュアルを期待され、「サヨナラの意味」のステージも、最初から最後まで、アップショット多めのカメラワークになる可能性がある。

アンダーを参加させて、総人数を増やすと、より多くの俯瞰ショットが必要となり、数人のトップメンバーに絞って、たくさんのアップを短時間に見せることが出来ない。

つまり、今回は、初出場で「君の名は希望」を歌ったときと違い、16th選抜の19人だけで、大晦日のNHKホールに立つ確率が、結構、高いんじゃないかと、危惧しています。

そもそも、「サヨナラの意味」は、橋本奈々未という1人のメンバーを前面に押し出す曲で、多人数が参加する作りではない。

加入したばかりの3期はともかく、1期2期は、経験を積ませるため、全員をステージに上げるのが理想ですが、パフォーマンスの見せ方によってメンバー構成が制限されるのは仕方ないことで、今回は、多人数出演がとくに難しい曲を選んだ感があります。


もう一つ気になるのは、アップ多めのビジュアル重視だと、生歌を避ける傾向があって、「口パク」「被せ」のステージが、2分ちょっとの間、いつものように、粛々と行われて終了するかもしれない。

音響効果の良いNHKホールで、生歌比率を高めるのは、かなり挑戦的な試みだけど、いくちゃん、みさみさ、ひめたんの今の声量を考えると、何とかなるんじゃないかと思っています。

当たり障りのないステージをこなしても、楽曲人気が跳ねないのは、これまでのプロモーションを通して、よく分かっているので、音程やリズムが少々乱れても、メンバーの生声をお茶の間に届ける、そんなステージにして欲しい。

視聴者の心を揺さぶるのは、自分たちの歌を届けたいという思いであって、失敗もなければ成功もない、音源ありきの無難なパフォーマンスを披露しても、「ああ、美人が多いね」でスルーされて終わる危険が大きい。

TBS『ハロウィン音楽祭2016』からフジテレビ『堂本兄弟もうすぐクリスマスSP』まで、過去12回に及んだ「サヨナラの意味」のテレビ披露と、それに伴う楽曲指標の動きは、メンバーのビジュアルをアップで2分半映すより、生歌比率を上げる「冒険」の方が、プラスの反響を生むことを示しています。

また、もし大晦日のNHKホールで、乃木坂が果敢に生歌に挑めば、そのことが、グループの財産として、2017年以降の活動において生きてくるでしょう。

 

3期メンバーは、1期2期と同じく、飛び抜けた美少女しかいないようで、乃木坂のビジュアルは、さらに若く、さらに華やかに、うんざりするほど強化されるのは間違いない(笑)。

しかし、今の乃木坂が問題を抱えているとすれば、美人が足りないことではなく、それ以外の部分で、視聴者を惹き付ける要素を、ステージパフォーマンスに盛り込めていないことです。

『ベストアーティスト』の生歌がもたらした成功は、乃木坂の新しい魅力を切り拓くヒントを与えている。

生田絵梨花、衛藤美彩、中元日芽香の歌声は、彼女たちのビジュアル以上に、人を魅了する力を持っています。

そのパワーをステージで活用せず、いつまでも眠らせておくのは、結局、グループの「未来」を危うくすることだと思う。


最後に、乃木坂、欅坂、AKB48の楽曲の、最新 Billboard JAPAN Hot100 を載せておきます。

(表5) 2016/12/26付 Billboard JAPAN Hot100 における、乃木坂、欅坂、AKB48の楽曲ランキング

凡例
「曲名」(グループ名_収録シングル)
(総合) Hot100順位 [項目] その項目における順位 : 週番号

#「週番号」は、CD発売週を「1週目」、その前週を「1週前」として数える
#「各項目」の意味は、[S] ストリーミング数、[R]ラジオ放送回数、[L] PCによる読み取り数 (ルックアップ)、[T] ツイート数、[M] 国内動画再生回数、[F] ランクイン回数
#「00位」は、100位圏外
# 曲は、総合順位の高い順に並べている

2016/12/26付チャート : 2016/12/12(月)〜18(日)

二人セゾン (欅坂46_3枚目)
(総合)06位 [S]04位 [R]56位 [L]05位 [T]14位 [M]07位 [F]06回 : 03週目

サヨナラの意味 (乃木坂46_16枚目)
(総合)10位 [S]10位 [R]64位 [L]09位 [T]17位 [M]85位 [F]09回 : 06週目

サイレントマジョリティー (欅坂46_1枚目)
(総合)28位 [S]36位 [R]00位 [L]33位 [T]31位 [M]10位 [F]40回 : 37週目

ハイテンション (AKB48_46枚目)
(総合)38位 [S]74位 [R]00位 [L]17位 [T]47位 [M]32位 [F]08回 : 05週目

大嫌いなはずだった。 (HoneyWorks meets さゆりんご軍団+真夏さんリスペクト軍団 from 乃木坂46)
(総合)42位 [S]79位 [R]00位 [L]00位 [T]32位 [M]05位 [F]02回 : 02週目

僕以外の誰か (NMB48_16枚目)
(総合)87位 [S]00位 [R]00位 [L]00位 [T]12位 [M]00位 [F]02回 : 02週前

世界には愛しかない (欅坂46_3枚目)
(総合)95位 [チャート解析対象外] [F]21回 : 19週目


「大嫌いなはずだった。」の「[M] 国内動画再生回数」5位が凄い。

アニメは本当に強いです。


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