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葉山の四季

葉山の四季をお伝えしたいと思います。

今夜はこれ=『赤毛のアン』

2014-05-19 23:28:04 | 本のひと言

  まず今日の「赤旗」の「潮流」です。(太字はkaeru)

 NHKの朝のドラマ「花子とアン」のタイトルバックに出てくるアンと緑の美しい風景は、モンゴメリの小説『赤毛のアン』の舞台、カナダの東海岸の湾に浮かぶ平和な島です▼カナダは100年前の1914年、第1次世界大戦が始まると、自動的に参戦しました。イギリスから戦争の遂行について相談がなく、首相ですら新聞記事以上のことをほとんど知らなかったという、大英帝国の自治植民地でした▼人口800万人の国で、18歳以上の男性63万人を遠くヨーロッパの西部戦線に送り、塹壕(ざんごう)の中で6万人余を戦死させました。4年3カ月続いた戦争に巻き込まれるのが、村岡花子が訳した『アンの娘リラ』(新潮文庫)の青年たちです▼小説は、アンの娘リラの視線で描かれ、ドイツ軍とたたかう連合軍の勝利を祈り、赤十字少女団の活動に参加し、戦場の兄たちや友人、恋人を思い、大きく揺れ動きます。母のアンは、詩人の心をもつ次男を亡くし、悲しみにくれます▼戦争が終わり、自ら志願しながら負傷して帰ってきたアンの長男に「僕は戦争というものを十分見てきたから、戦争など起こり得ない世界をつくらなければ」と、著者は語らせています▼村岡花子は本の「解説」で、「著者モンゴメリ夫人の戦争に対する憤りや平和愛好の熱情を、私たちは読みとりたいのです」と書いています。1000万人超の戦死者を出した第1次大戦の直後に出版された作品に、第2次大戦を経験した自身の思いを大きく重ね合わせているようです。


 今年は著者 = L・M・モンゴメリの生誕140年にあたるそうです。新訳の 『赤毛のアン』 がでました。村岡花子訳

は省略本だったので、日本初の全訳文を手がけてと訳者の松本侑子(ゆうこ)さんは述べています。

 私の本棚に文庫の「アン」が何冊かありますが、自分で買った記憶はないし読んだおぼえもないので妻のものか

娘が置いて行ったものでしょう。 なにか子ども向きの本という思いもありました。

  ところが訳者の松本さんは、≪ 『赤毛のアン』 は児童書ではなく、英文学と聖書から百カ所の引用、複雑な伏線

が張りめぐらされた奥行き深く知的な文学である≫ と述べています。