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葉山の四季

葉山の四季をお伝えしたいと思います。

春泥の里。

2014-03-14 21:33:11 | kaeruの五七五

 春泥(しゅんでい)、季語としてというよりも信州・上田育ちの者には、この

時期の足元の感覚として残っています。完全舗装の道を歩く生活のなかで

も、この季語の俳句にそれを感じられるのは嬉しいことです。

 

  春泥のそのごちやごちやを恋と呼ぶ    櫂 未知子

            (『美しい日本の季語』 三月十四日の句) 

 都会育ちでかなりの年齢になって、俳句に関心を持つようになった人が

この 「ごちゃごちゃ」 をどう受けとめられるでしょうか。春泥を歩く感じから

ではなく、「恋」の「ごちゃごちゃ感」から春泥を感じとるかも知れません。

  恋なのか春泥の道まわり来て    清蛙

 少年であった頃、舗装された道路から土の道へと入り込み、リンゴ畑を

歩いてみたものです、藤村を気取るほどの度胸はありませんでしたが。

 

 明日はその「春泥の里」上田に出かけることになりました。

 三人兄弟の末が、私と兄嫁の喜寿を祝って甥っ子と共同で席をもうけて

くれることになり、夫婦で出かけます。

 そこで、三月十五日の句も、こちらは 『癒しの一句』(ふらんす堂)より。

  昼蛙どの畦のどこ曲らうか    石川桂郎