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2019年7月30日(火)
鳳凰小屋のキバナノアツモリソウ
地蔵岳のオベリスクを知ったのは、確か2011年実相寺の山高神代桜を見に行った際、駐車場案内係の方に「あれが甲斐駒ヶ岳、隣が鳳凰三山。」と教えてもらったころ。 まだ山登りはしていなかったが、爛漫の桜の背後にそびえる雪を頂いた山々は神々しく見えた。
中央高速を走っていても見ることができるオベリスクはそう遠い所ではないだろうと思っていたが、山に登るようになり興味を持って調べ始めると、そこは私にはそう簡単にたどり着ける場所ではない、という結論に至った。 登山口までのルート、登山口から地蔵岳へのルート、できれば地蔵岳を含めた鳳凰三山を縦走した場合のルートなど。。。距離、標高差があるだけでなく、ちょっと複雑そうで。。。まぁそれは考えないようにして置こう、という候補になっていた。
けれど近年もう少しよく調べてみれば、青木鉱泉もしくは御座石鉱泉の登山口まで車で入ることができれば、山上には薬師岳小屋、鳳凰小屋と二つの山小屋があるので何とかなりそうだ。 最初は青木鉱泉、御座石鉱泉に車で入ってゆくことが難しそうだったので、バスを使って広河原や夜叉神からのルートを考えたが、バスの時間、駐車場の確保など考えるととても実現できそうな気がしなかった。 が、韮崎側の登山口ならそこへ直接車で行けば良いのでシンプルだ。 しかも色々調べてみると各鉱泉への林道は考えていたほど悪路ではなさそう。。。
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ネットで調べた結果、御座石鉱泉から鳳凰小屋に至り一泊、もしくは当日中に地蔵岳へ登り一泊。 翌日鳳凰三山を縦走の後ピストンで御座石鉱泉に戻る、というルートに決めた。
まず御座石鉱泉登山口への林道も3ルートほどあったのだが、一番シンプルに小武川沿いを上がるルートを選択。 宿泊の際鳳凰小屋のオーナー細田さんに伺ってもこのルートで正解だったようだ。 上の写真は林道途中から。 中央はたぶん地蔵岳。 悪路と言われていたが、ほとんどが舗装道路。 路面に落石があったり、たまに大きな起伏や穴があったりもしたが、注意して低速で行けば問題なかった。 私の車のナビは迷わず案内してくれたし、途中要所要所に案内板もある。
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御座石鉱泉到着は5:40頃。 市営駐車場となっており無料、トイレあり。 平日ということもあり、先行車は2台ほど。 夜明け前には曇り空だったが日の出とともに青空になった。 標高は 1,080mほどだが、車から出ると既に暑い感じがあった。
ここからの登山ルートは鳳凰小屋のHPで初心者にもお勧めとされていた「燕頭山(つばくろあたまやま)コース」にした。 6時には出発できたので、予定通り歩けて午後1時ごろ鳳凰小屋に到着できれば、その日のうちに地蔵岳に登りたい。。。気力・体力が残っていれば。
ちなみに下山もピストンにしようと思ったのは、小屋に少しでも荷物を預けて三山縦走できる、初めての山なので同じ道が良いだろう、ドンドコ沢コースでも小屋に荷物を置いておけるが、沢を下るのは大変そう、などの理由から。 また、ドンドコ沢を下ると青木鉱泉から御座石鉱泉まで小一時間歩くか、バスを利用する必要がある。 ドンドコ沢には風光明媚な滝がいくつかあるようだが、今回はとにかくシンプルに。
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登山口から一時間ほど登るとこのような場所に。
ロープから出てはいけないが右も左も砂利の平らな場所。 写真左奥はきっと崖でその下は川だ。
ここまでもそこそこ急登だったが、燕頭山までがいよいよ更に急登、CT2:20。
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陽射しは強いが樹林帯続きなので助かる。 ただし大汗。
久しぶりの暑さにこの先が思いやられる。 鳳凰小屋まで標高差 1,300m登れるのか。。。
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時々は展望が開ける。 登り始めて約3時間。 富士山が見えた。
けれど既に雲が上がり始めている。
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本当に急登続きでようやく燕頭山に到着。(10:20)
CT2:20 のところ、3:20 かかった。 しかもここからさらに小屋までCT2:00。
もう急ぐまい。 想定内だ。
鳳凰小屋ではお湯を頂けないのでバーナー持参。
なので、ここでコーヒーを入れておやつ休憩。
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燕頭山山頂はササで覆われている。
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木々にはサルオガセがたくさんついている。
深呼吸をしてゆっくり休んで、第2ラウンドだ。
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燕頭山を越えれば激しい急登はない、とのことだが、
すでに激しくない登りでも足腰に堪える。
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景色はだんだん砂っぽい斜面や岩、コケ、針葉樹などで、どこか日本庭園風。
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美しいコケの庭園が広がる。
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「北アルプス展望地」なのだ。w
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急な登りはなくとも「まだかな。。。」と。 もうだいぶ疲れてきた。
そう言えば、ここまで会った人は下山の数人のみ。 ドンドコ沢を登り中道を下る人が多いようだ。
が、小屋の人に聞いてもこの燕頭山コースが一番歩きやすいというので、今回はここで良かったろう。
ここでも十分にきつい。。。
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だいぶ近づいてきたような気がする。
ここまで花も随分見てきた。 広大な花畑ではないが。
お初の花にも数種お目にかかり感激。 花は後からまとめてアップしようと思っている。
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トレイル脇の斜面が砂だ。 大分近づいたかな。 もうヘロヘロだ。。。
と思っていると、木々の間からカラフルなテントが見えてきた。
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到着した~!!(13:29)
いやぁ~、本当にうれしかった! 疲労困憊ではあったがほぼ計画通り。
ただ、もうこれ以上歩く気力・体力はなく、言われるがままに鳳凰小屋にチェックイン。
この時間からチェックインさせてくれ、部屋や寝床まで案内してくれるのはありがたかった。 部屋に入ると既に布団の上で休んでいる人たちもいた。 部屋写真を撮り忘れたが、一階が食堂や談話室(コタツ付き)。 二階が宿泊部屋。 部屋は中二階のある二段構成。 中二階は140センチくらいの高さのところ、ハシゴ5段程度なので、慣れれば中段辺りに片足を置き二歩で上り下りできる感じ。 私は中二階の端だった。 濡れ物は屋根を支える梁に掛けて良いということ。 この梁(鉄枠)に頭をぶつけないようにするのがポイント。
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外の水場は常に水が流れており、南アルプス天然水。 とても美味しい! トイレは外でバイオトイレ。 ほとんど匂わない様式タイプ。 私は相当汗をかき着替えをしたかったので、着替えはトイレですべきか伺うと、倉庫の一部屋を貸してくれて、翌朝もここで着替えをしてよいとのこと。 倉庫と言っても布団が置いてある部屋で宿泊するにも全く問題ない部屋。 鳳凰小屋は小屋の隣にこの倉庫を含むもう一棟の建物があり、団体の方たちが倉庫でない部屋で宿泊されていた。
小屋のスタッフの方たちは皆さん何を聞いてもハキハキ答えてくれるし、感じが良い。 とても良い雰囲気だった。
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着替えも済ませ地蔵岳にも行かないことにしたが、時間はまだ午後2時過ぎ。
鳳凰小屋は小屋のお庭や周辺のお花畑で有名だ。 ここでじっくり花撮影をする。
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鳳凰小屋でおそらくもっとも有名なキバナノアツモリソウ。
最盛期は2週間ほど前と読んだが、まだいくつか咲いていた。
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タカネグンナイフウロ (初見)
グンナイフウロの高山型。 花の大きさがより大きく、花色が濃いことが特徴。
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咲き始めは濃いピンク色。
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ヤマブキショウマ
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クルマユリ
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トリカブト 咲き始め
「キタザワブシ」と書かれたものを見た。 確かに葉の形が。。。
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ムカゴトラノオ
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ヨツバシオガマ
とても小さなものが多い気がしたので調べると、近年の調査で「飯豊山以北に分布する大型のヨツバシオガマは別種である」
となっているらしい。 → ヤマケイオンライン
「東北で見たものより小さい」と感じたのかなぁ?
どこの物よりも小さい気がしたのだけど。。。
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テガタチドリ
小屋の周囲はシカの食害防止のために網が張られている。
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観音岳に向かうトレイル脇には既にこれが見られた!
今回最も楽しみにしていたタカネビランジ。(初見)
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小屋のテラスからはオベリスクを望むことができる。
雲が取れてきた。 明日は晴れるかな。。。
この後 16:00~17:00 ぐっすりと昼寝をしてしまった。
17:30から夕食。
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名物のカレーの他に生姜の甘辛煮、卵とじのスープ。
カレーはお代わり自由。 「ルーだけでもいいですよ~。」と言ってくれる。
大変美味しかった!! 私は普通に一人前を頂きお腹いっぱい。
食後も 19:00頃までうっすら明るかったので再びお花を撮ったり、オーナーの細田さんにお話を伺ったり、スタッフの方たちとお話をしたりして 19:30ごろ布団に入る。 平日なのに宿泊者は多かったが一人ひとつのお布団を頂けた。
翌朝は3時ごろ起きて支度をし、4時前から地蔵岳に登り始め、ご来光(4:50頃)を地蔵岳で拝めればという計画。 一人でヘッドランプを付け暗い中を登れるのか、と心配だったがほとんどの方がそうしそうなので勢いでやってみる。 朝食はチェックインの際にお弁当にしてもらえるよう頼める。 夕食時にも「変える人は言って下さい」とアナウンスがあった。 7:45消灯で早いな、と思ったがあっという間に眠りに落ちた。
夜トイレに行きたくなり時間を見ると 23:30ごろ。 外トイレなので行きたくなかったが、起床までまだあるので仕方なく行くと満天の星! 機材も気力もなかったので写真を撮ることはなかったが、素晴らしい星空だった。 翌朝への期待と共にもう一度布団に入った。
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