2019年7月31日(水)
鳳凰山(観音岳)山頂直下から甲斐駒ヶ岳、赤抜沢ノ頭、地蔵岳(オベリスク)を望む
地蔵岳で日の出を過ごし、赤抜沢ノ頭を下り観音岳に向かう。
右手(西側)には白峰三山を間近に望み、左手(東側)にうっすら見えている山はどこだろうと写真に収める。
後から調べると一番奥は瑞牆山、金峰山、甲武信ヶ岳、国師ヶ岳あたりの山並み。
手前は茅ヶ岳だろう。 一番手前に濃く見えるピークが燕頭山のようだ。
赤抜沢ノ頭、地蔵岳を振り返る。
赤抜沢ノ頭を下りながら見た観音岳へのルートはそれ程遠く厳しいようには見えなかったのだが、
アップダウンを経て、時に登りにくい程の砂地、大きな岩場をマークのついたルートを探しながら、
少し不安な気持ちを持ちながら進んでゆくのは、なかなか大変だった。
それでも岩場の間に現れる美しい砂地からの絶景はそんな不安や苦労を忘れさせるほど。
観音岳への登り。
中央に人が立っているが、その先の登りも地蔵岳の登りほどではないが、登りにくい砂斜面。
そして、足跡の先をよく見て登ってゆかないと正規ルートから外れて体力消耗してしまう。
砂斜面の途中、白っぽいタカネビランジ。
疲れていたのか、ボカしてしまった。
観音岳山頂に近づき、振り返ると赤抜沢ノ頭背後に鋭利な山が。
あれは甲斐駒ヶ岳? となるとお隣の仙丈ケ岳は?
そして、地蔵岳右方には八ヶ岳。
先ほど見た金峰山の方向。 大分雲が湧いてきている。
観音岳山頂直下まで来るとこの景色。
写真左奥が仙丈ケ岳だった! やはりここから見るととても大きくて、甲斐駒ヶ岳から随分離れて見える。
さらに右にアサヨ峰も見えてきた。 その右が甲斐駒ヶ岳。
手前はアサヨ峰の手前が高嶺になるのか? その右に赤抜沢ノ頭、地蔵岳。
仙丈ケ岳と甲斐駒ヶ岳の間には北沢峠がある。 あぁ、そこから両山に登ってみたいものだ。
鳳凰三山最高峰(2840.7m、8:22)、観音岳に到着。
背後(西側)は青空だが、何しろ東~南側に随分雲が張っているので、先を急ぐ。
薬師岳方面(東南)には黒っぽい雲も上がってきたので「行くのを辞めて戻る?」とも思ったが、
もうそれ程の登りはなさそうだし、雷鳴も聞こえないので行くことにする。
薬師岳手前で富士山の姿も確認。 気持ちの良いビーチ歩きを経て。。。
と~ちゃ~く!! 鳳凰山(薬師岳、2780m、9:00)
周り中雲が多くなってきた中、白峰三山と鳳凰三山はずっと天気が良く、ありがたいことだった。
ここには薄いピンク色のタカネビランジ。
タカネビランジは南アルプス周辺にだけ分布する高山植物。 花期や花色が個体により変化に富んでいる、のだそう。
萼筒や茎に毛が生えるのがタカネビランジ、無いのがオオビランジ。
鳳凰小屋のHPなどを見て開花状況を見ていたが、まだ早いかもという時期だった中、たくさん見られて良かった。
薬師岳山頂は平らな砂地が広く、展望も良いので休憩には最適。
雲も多くなってきたが、私もここではコーヒーを沸かしておやつ休憩。
ここから夜叉神峠方向に少し下った辺りに薬師ヶ岳小屋がある。
薬師岳山頂ビーチにもイルカとトドがいるよ~。
これで念願の鳳凰三山縦走を完歩しました。 このお天気の良い中、感無量です。 しかし、この先の下山も先は長く気を許せません。 観音岳先の分岐までピストンで戻り、鳳凰小屋まで下る。 これがパート1。 その先燕頭山までがパート2。 そこから御座石鉱泉までがパート3。 という3部構成の気持ち。 更には午後から雨も降りそうなので、急坂を下る心配もあり、早目、早目を心がける。 とはいうものの、もともと遅いのだから慎重第一。
下山はあまり写真を撮らないように、と思いつつヒメコゴメグサ。 コゴメグサにも色々種類があるらしい。
ヒメコゴメグサは 那須,日光,秩父,八ヶ岳,南アルプスに分布し,山地~高地の草地に生育する。
ミヤマコゴメグサと比べ、ヒメコゴメグサの方が小型で、葉が丸みを帯びている、のだそう。
ミヤマコゴメグサと比べ、ヒメコゴメグサの方が小型で、葉が丸みを帯びている、のだそう。
周囲に見えるのはウラシマツツジの葉かな? 紅葉の時期も来てみたい。
観音岳先の分岐。 ここから鳳凰小屋まで樹林帯を下る。
ここまでの稜線歩きは変わった形の花崗岩の岩の間、白い砂地を往きと同じように戻るのだが、足跡だけをたどったり、赤いマークたどったつもりが、 気づかず X印に入り込んだりで、ルートミスをしそうになったりもした。 要注意だ。 YAMAPあって良かったというところ。
この分岐から先はえぐれた登山道で倒木なども見られ、1時間ほどで鳳凰小屋到着。 鳳凰小屋で預けてあった荷物を引き取り、整理をしながら休憩をして、オーナーの細田さんやスタッフさんたちにお礼をしてから下山。 とても良い小屋だった。 また訪れることができたらいいなぁ。
この先は往きに見た花や登山道各所を再度確認しながら下山。 写真を撮らなくても下りが不得意なので充分遅い。 燕頭山までCTより1時間以上多くかかってしまった。 とても疲れたので燕頭山で30分もおやつ休憩をし、雨を感じたのでカメラも全てザックにしまい、レインウェアジャケットを着て歩き始める。 時折降っている感じはするものの、木々のおかげで濡れることはなかった。 標高が下がると暑く感じたのでレインウェアは脱いだ。
燕頭山から先もとても長く感じ、CTを随分超過したかと思ったが、30分ほどの超過だったようだ。 「YAMAPのCTは少し短い。」とお話をした登山者の方から聞いたのでご注意を。
17:30 近くに御座石鉱泉駐車場に到着。 朝 3:00から長い一日だった。 ヘトヘトに疲れ「もう一度鳳凰三山は無理かな。もうこりごり。」ぐらいに感じていたのだが、駐車場で翌朝登るという方に声を掛けられ、色々質問されお話しているうちに、「いいなぁ~。楽しんできてください!」という気持ちになってしまうのだから、本当に不思議だ。w
その後、随分むかし、田植えのイベントに参加した際に利用した「武川の湯」に再訪し、汗を流した。 ぐっすりと仮眠をしてからの帰宅。
日がたつほどに「ホウオウシャジンやヤナギランは咲いただろうか。 紅葉の季節も良いだろうなぁ。」と思い出してしまう。 「また登れると良いなぁ。」という気持ちになる。 南アルプスは自分には難しい山が多いのだが、比較的近い山梨県から望むことができるため身近に感じてしまう。 ほかの山にも、山頂まで行けずとも足を踏み入れてみたい、そんな気持ちになった今回の山行だった。