ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

レポート:京都エコーの朝倉演奏会

2013-12-17 08:48:26 | ときのまにまに
昨日、朝倉市総合市民センター大ホールで京都エコーの朝倉演奏会が開催されました。京都エコーとは全日本合唱コンクール全国大会で、1980年から20年間連続金賞に輝く「あの京都エコー」です。昨年2月、福岡市内で開催された合唱団サウス・エコーとのジョイントコンサートで京都エコーの演奏を聴かれた朝倉高校の田中玲子先生が、ぜひ朝倉の高校生に京都エコーの生の演奏を聴かせたいと思い、その熱望が関係者の心を動かし、実を結び開催される運びになったとのことです。
朝倉市は2006年3月20日、福岡県の中央部を流れる筑後川のほとりに、桜と紅葉で有名な秋月城の甘木市、三連水車で有名な朝倉町、果物の産地として有名な杷木町が合併してできた風光明媚な新しい市です。
当日、1時半開場、2時から開演というのに、12時半にはかなりの人々が集まり始めました。係の人たちは、寒い中行列するのは申し訳ないということで急遽整理券が配られ、1時15分に開場するとのことでした。家内と私がホールの前に到着したのは午前11時で、まだ開場は開いていませんでしたので、同じ敷地内にある「朝倉歴史資料館」で時間を過ごし、昼食を食べ、12時半にほーるのまえにいその間に整理券を受け取り、1時10分頃から行列に並びました。1枚目の写真はその風景です。
第1部は朝倉高校音楽部の演奏で、高校生らしい若々しい演奏でした。
第2部、いよいよ京都エコーの登場で混声合唱組曲「水のいのち」、豊かな声量ときめの細かい表現力、これが京都エコーの持ち味でしょう。
第3部はアラカルトでその中でも「川の流れのように」、これの棒を振る浅井敬壹氏の頭の中を流れる人生の川、合唱一筋に生きて来た道、そんなことを想像しながら聴いていました。最後の谷川俊太郎作詞、三好晃作曲「生きる」、これを聴きながら私の心は震えていました。詩と曲、そしてそれを演奏している合唱団、この三身が一体となって、(これが「三位一体」だ)聴く者に迫る。いや、迫るというより包み込み、知らず知らずのうちに「そうだ、そうだ」と頷く。これこそが合唱音楽の極地であろう。少し長くなるが、詩の全文を掲載しておきます。

生きる   谷川俊太郎

生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木漏れ日がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみをすること
あなたと手をつなぐこと

生きているということ
いま生きているということ

それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして かくされた悪を注意深くこばむこと

生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ

生きているということ
いま生きているということ

いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまがすぎてゆくこと

生きているということ
いま生きてるということ

鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ

第4部は合同ステージ、ここでは高校生と親の年代、祖父母の年代の約100人の暖かい歌声、歌の力を感じさせてくれた。
最後にアンコールの代わりに、多くの聴衆も加わっての大合唱「大地」は感動のひと時であった。

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