「9」のつく日は空倶楽部の日。
寒い、寒いと言っていたかと思うと
あっ、と言う間に三月が過ぎ桜も咲き始めた。
大方の社会人にとって三月はほとんどのことがリセットされ
新しい期を迎える準備で気忙しい。
加えて今年はコロナのこともあって出かける機会も減っている。
そんなこんなで写真に向き合う時間が減って
ブログの掲載頻度がさらに低くなっていることを反省しつつ、
せめて、空倶楽部だけはと、温存していた「光の舞台」の光景を。
福井県越前岬 2020.09.05 17:54 Sony α7S2 FE2.8 16-35 GM (19㎜ ,f/18,1/60sec,ISO250)
ここは越前岬。
広く開けた海とその海を見守るように立つ灯台の風景に惹かれ
四季折々に訪れてはその様子を何度も掲載している。
刻々と移り変わる空と海の色。
全国有数の群生地とされる水仙をはじめ季節を彩る花たち。
そして昨年からは、夜、辺りを照らす幻想的な灯台の灯りや
広く開けた星空もその風景に加わった。
一方で、なぜこれほどまでに越前岬に惹かれるのか、
その理由について詮索したことは無く、それを自然に受けとめていた。
ところが、昨年のこと。
交流いただいている笑子さん(*)がこの風景をある言葉で表現してくださった。
「光の舞台」である。
空と海を真っ青に染め上げる朝方の順光、
きらきらと海を銀色に照らす正午の陽光、
長い光跡を海に描く夕陽など。
ここ越前岬では光が織りなす様々な風景を眺めることができる。
「同じ場所によく飽きもせず...」、人はそう思うかもしれないが
季節や時間に伴う光の変化にさらに空の様子が加われば
一瞬一瞬が二度と見ることのできない景色となる。
同じ場所であっても同じ景色ではないのだ。
ここは光の風景を楽しむ場所、
すなわち「光の舞台」なのだ、と
それまで惹かれていた理由がストンと腑に落ちたのである。