goo blog サービス終了のお知らせ 

折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

星空の誘惑

2020-09-01 | 星空の誘惑

越前岬からの話題が続く。

 

10日前にここで会ったカメラマンから聞いた話だが...

越前岬の灯台の明かりはぐるっと岬の斜面も照らすそうだ。

灯台が立つ場所は標高にして120mほど。

一方で私とそのカメラマンが立っていた場所は150mを超える。

その高低差ゆえに灯台の明かりは足元の斜面を回りながら照らし

遊歩道や草むらが「走馬灯」のように浮かぶのだ、と。

ところがその時は興味を持ちながらも

帰りを急ぐあまりそのまま立ち去ってしまった。

その後、時間がたつほどにその幻想的な光景が気になってしようがない。

さらにもうひとつ。

これだけ開けた空ならきっと夜空も期待できるはずだから

灯台の明かりと夜空はどんな風景を作り出すのだろうか...と

興味が尽きないのだ。

それで、待ちに待った一週間後。

現地の好天を確かめた上で

迷うことなくロケハンに出かけたという次第だ。

 

   福井県越前岬 2020.08.29  07:24pm  Sony α7S2  FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/2.8,0.6sec,ISO3200) 

 

陽が落ちて一時間後。

灯台が岬の斜面を照らし始めると

薄明かりの空にはひとつふたつと星がきらめきだす。

方位はほぼ西。

知っている星座は...と目を凝らすと

今にも水がこぼれそうな大きなひしゃくが見えた。

北斗七星だ。

 

子供の頃、星を眺めるのが好きだった。

父に買ってもらった天体望遠鏡とペンタックスで

夜空を撮り、そのネガは父が現像してくれた。

それが高じてカメラ、写真好きとなったのだが

思えばその頃以来の星空撮影だった。

当時覚えた星座や星の名前はほとんど忘れてしまっているが

図鑑を頼りにその日の写真に備忘として星座を書き込んでみた。

 

  福井県越前岬 2020.08.29  07:48pm  Sony α7S2  FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/5.6,8sec,ISO3200) 

 

暗い星座が多い中、

目立つ星と言えば北斗七星と

「うしかい座」のアルクトゥルスくらいだったが

偶然写りこんだ流れ星が地味な星空に

少しばかりの花を添えてくれた。

後で調べてみたのだが...。

秋が深まった深夜、銀河が西の空にかかり

「白鳥座」や「わし座」といったよく知られた星座が現れるようだ。

 

家から100キロ、二時間半の道のりは遠いが、

子供の頃、夢中になった夜空を

もう一度に眺めてみたいという気持ちは

その道のりを何とも思わないほど強くなっている。

「この年になって」と、自分ながらおかしくもあるが

それほど星空の誘惑は断ち切り難いのだ。