引き続き『置き去りにできなかった写真』から。
被写体として向き合う自然の風景は夕方のものが圧倒的に多い。
それを不思議とも思わなかったが、
昨年から交流させていただいた空倶楽部の方々が
どちらかというと「朝型」が多いことを知って
自分はひょっとしたら「少数派なのかもしれない」と
思ったりもしている。
撮影日と決めた日は夜明け前から出かけることが
ほとんどなので朝が苦手というわけでもない。
思うに...。
北陸という土地柄から「海」を身近に感じている。
また、物心ついた頃から海に沈む夕陽を眺めることが多かったから
「自然の風景」と言えば「海」。
そして「海」と言えば「夕方」。
そんな三段論法式にいつの間にか「自然の風景」は
「夕方」との意識が刷り込まれてしまったのかもしれない。
さて、その夕方の海で撮る写真のこと。
写真を始めたころは、とにかく大きい真っ赤な夕日を撮りたかったものだが
最近は好みが変わってきて、渚の砂や波打ち際にレンズを向けることが多い。
その興味のひとつの現われがこの写真。
白山市徳光海岸 2019年11月2日 16:58 Sony α99 F2.8G/70-200㎜ (130mm f/14/500sec , ISO800)
寄せた波が引くたびに一瞬、濡れた砂が光を放つ。
波に洗われる砂がとどめようとする「光の痕跡」。
その穏やかさ、そして儚さがいいのだ。
その日の「光の痕跡」を思い出しながら
クールダウンしてくれる曲を探してみた。
The Style Council - My Ever Changing Moods (Piano Version)