折にふれて

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伏見川散策

2020-04-11 | 抒情的金沢

 

早朝の伏見川河畔。

 

伏見川は隠れた金沢の桜名所(...と勝手に思っている)。

それでこの時期、週末の朝は川沿いの道を

花見を兼ねてゆっくりと歩くのだ。

 

この伏見という地名。

いや、伏見に限らず、金沢には東山、高尾、山科など京都に通じる地名が多い。

それは金沢の歴史に由来するのだが、

まず金沢と言えばすぐに思い浮かぶのは、加賀百万石前田家だ。

しかし、それは豊臣政権以降のことで、

その前は加賀一向宗(今でいう浄土真宗)の門徒が加賀一帯の地を治めていた。

これは日本の歴史の中でも「百姓が納めし国」として稀有なことらしい。

もともと加賀の地は守護職として室町幕府より遣わされた富樫氏が治めていたが

一向宗を弾圧したことから加賀一向一揆に発展し、逆に富樫氏は滅ぼされてしまった。

それ以降、織田信長配下の佐久間盛政に滅ぼされるまで「百姓の国」は百年にわたって続いた。

話が脱線して長くなったが、元々富樫氏は京が発祥。

加賀を治めてからも京が懐かしく、

京の風景を重ねては地名につけた...というそれだけの話(笑)

 

さて...

伏見川は金沢南部の住宅街を抜けて流れる。

拙宅もその流域にあるのだが、

上流、下流と誰が植えたものか、延々と桜並木が続く。

にもかかわらず金沢市民でもそのことを知っている人は少ない。

早朝ということもあるが、すれ違う人も少ない河畔を

せせらぎの音を聞きながら散歩する。

この時期限定の至極の時間なのだ。

そうだ!

金沢と京都のかかわりついでの話。

全国各地に「小京都」と呼ばれる町がある。

なんでも、「全国京都会議」と称する団体があって、

「京都に似た自然景観、町並み、たたずまいがある」ことが加盟条件らしい。

全国には金沢も小京都のひとつと思っている人がずいぶんと多いようだが

金沢は加盟しておらず、当然ながら小京都ではない。

金沢に本社がある地方新聞社の主筆の話をまた聞きしたのだが。

「金沢は武家文化。公家文化の京都とはその成り立ちが根本的に異なる。」

だそうだ。悪しからず。

 

 

 

 

 

 

 

 

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