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折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

彼方の春

2019-02-03 | 日常

北陸の冬、今年は暖冬ということで、昨年に比べると穏やかな日が続いている。

だが、穏やかといっても、それは積雪が少ないということだけであって、

冷たい雨や雪を降らせる鉛色の空が何日も続く冬に変わりはない。

そして、その冬もすでに2か月。

さすがに嫌気がしてくるのだが、そんな時、訪れるのがこの場所だ。

 

片野海岸 カフェ うみぼうず


Sony α99  Planar 50㎜ (f/5.6 , 1/320sec , ISO100) 

 

もう何年も前になるが、ちょうど今頃のある日のこと。

横殴りの雪が降る、ことさら荒れた日にこの店を訪れたのだが、

店に入ったとたん、寒さでこわばった体とこころが、

暖かさとコーヒーの香りで、一瞬にほころんだことを印象深く覚えている。

さらに、ちょうどその時、雲の切れ間から陽が射しこんで、

テーブルにできた陽だまりを眺めていたら、

春がすぐそこまで来ている──。 

突然、そう思えてきたのだった。

以来、長い冬にめげそうになった時、ここを訪れるようになったというわけである。


Sony α99  Planar 50㎜ (f/5.6 , 1/25sec , ISO100) 

ところで。

「うみぼうず」という茶目っけたっぷりの店名、おそらくはマスターの風貌から名づけたものだと思う。

その風貌には似合わない(失礼!)ソフトな口調が印象的だったが、

なにか、マスターの体に変調があったのか、一年以上休業していた。

したがって、ここを訪れるのは2年ぶりとなる。

上客ではないのでおこがましいが、

営業再開がうれしく、さらにずっと、冬の日の癒しの場であってほしいと願うのである。

(他のシーズンは混雑しているので、冬限定ということで...。 勝手な言い分、ごめんなさい!)

 

さて、今日は節分。そして、明日はいよいよ立春。

あくまでも暦の上でのことだが、

この言葉を口にするだけで、今朝のこころはあたたかい。

 

 


 

なぜそう思うのか、覚えていないのだが...。

冬も終わりごろとなると思い出す曲のひとつが、バッドフィンガーのウイズ・アウト・ユー。


Badfinger - Without You

ニルソンの代表曲として覚えている人も多いと思うが、

オリジナルはこの人たちである。

ビートルズの弟分というふれ込みで鮮烈なデビューを果たし、

数々のヒットも飛ばしたが、中心人物、ピート・ハムとトム・エヴァンスの早世など、

悲運のバンドとしての印象が強い。

あらためて聴いて、そして思ったのだが...。

少ない音で語られる、この「ウイズ・アウト・ユー」にしみじみとした趣きを感じるのは、

このバンドの行く末を知っているからかもしれない。