「9」のつく日は空倶楽部の日。
9月もすでに後半。
それにもかかわらず、高く抜けるような青空にはなかなか出会うことができないこの秋。
したがって、夏の終わりに撮りだめした空が依然として続く。
ということで...、
困った時の空撮り基地、北陸自動車道、徳光パーキングエリアの歩道橋から、
少しだけ秋の気配を感じた夕空を。
Sony α99 Vario-Sonnar 24-70㎜/f2.8 (f/5.6,1/60sec,ISO400)
さて、これまでも何度かこの風景を紹介している。
大きく開けた海沿いのハイウェイ・パーキングに、四季折々の空を写し込んでいるのだが、
それというのも、どこか海外を思わせる(勝手にそう思っているのだが)風景に惹かれるからだ。
また、折々の風景には、
必ず、なにか音楽とそれにまつわる情景を感じていて、
それはハイウェイを連想させるもの、
たとえて言うなら、「アメリカ」が歌うカリフォルニアのベンチュラ・ハイウェイであり、
サイモンとガーファンクルの「アメリカ」に出てくる横断ハイウェイだったりもした。
そして、今回かさねた情景は、アメリカン・ニューシネマの名作「真夜中のカーボーイ」のラストシーン。
そこに流れるフロリダへの道と風景、そして主題歌の「うわさの男」だった。
そのシーン。
テキサスから一攫千金を狙いニューヨークへやって来たカウボーイのジョー(ジョン・ボイド)、
そして、ジョーから金をだまし取った詐欺師のリコ(ダスティン・ホフマン)。
最初は反目していたふたりだったが、次第にその間には不思議な友情が芽生えていった。
ニューヨークで奮闘するふたりだったが、やがて、夢が潰え、長距離バスで新天地フロリダを目指すことになる。
しかし、その時すでに、リコは不治の病に冒されていて、
フロリダを見ることなく、バスの中で息を引き取ってしまう。
そんな切ないラストシーンに流れたのがニルソンの「うわさの男」だった。
Harry Nilsson - Everybody's Talkin' (1969)
なんともやるせない結末ながら、
この爽やかで呑気とも思える曲が、
ふさいだ気持ちを救ってくれたことを覚えている。