Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

ダリアの花、160

2017-05-02 17:24:41 | 日記

 蛍さんは今まで見た皆の恐怖の形相から、

自分自身がまだ見ていない向日葵の花に、訳の分からない恐怖心を感じ取っていました。

内心酷くびくっと来るものを感じ、背筋にひんやりとした物が走りました。

肝が冷えて縮上がる感じです。彼女の足は竦んで花壇へと向かわず、その場で立ち止まってしまいました。

 でも、種を撒いてからあれだけ見てみたいと長い間楽しみに待っていた向日葵の花です。

未知への好奇心が彼女の足を元の園庭の方へも向かわせず、じーっと彼女をその場に留めていました。

『どう仕様かしら、私も戻ろうかな。』

そう思いながら彼女が酷く迷っていると、花壇観察に行っていた先人の男の子達が何人か戻って来ました。

 今まで泣き惑い逃げて行った子供達とは打って変わり、彼等は明るくにこやかでした。

笑顔で屈託なくしゃべり合い、意気揚々とのんびり歩いて来ます。先の女の子達と随分様相が違って見えます。 

そこで蛍さんはその子達に歩み寄ると、

「向日葵どうだった?怖い花なんだって?」

と聞いてみました。すると、

「向日葵?特にどうっていう事も無いよ。」

なぁ、それがどうかしたのかいと、蛍さんの問い掛けが彼等には如何にも意外だという物言いをします。

 向日葵?大きな花だったよな、ああ、大きい大きい、確かにな。等、彼らは笑って言うと、

あれだけ大きいと、なぁ、びっくりするよな、と言い、普段通り皆でにこにこして蛍さんを見つめます。

 蛍さんは『なぁんだ。』と思い、普段から女の子達は弱々しいから、さっきの子達はかなり大袈裟なんだなと思いました。

彼女はこの男子達の平々凡々として如何にも平気な様子に、『私も向日葵見に行こうかな。』と思い始めました。

しかし、その矢先、彼等の内の1人の男の子が、いやに蒼ざめて黙っているのに彼女は気付きました。

 蛍さんはその子を指し示して、あの子は怖そうだけどと他の子達に聞いてみました。

「ああ、あいつは臆病なんだよ、あんな花どうってことないさ、なぁ、皆、そうだよな。」

怖くなんてないよな。只の植わっている花じゃないか。他の花みたいに地面から動けるわけじゃ無し。ほら、追いかけても来ない。

そんな声掛けが彼等の間でされると、男子の間では向日葵は大丈夫という意見がまとまった様でした。

 そして、彼等の中に混じっていた彼女と普段仲の良い1人の男の子が、

「ホーちゃん、ホーちゃんも見て来るといいよ、向日葵。見ないと損かもな、あんなに大きくて立派な花、お日様みたいだったぜ。」

と言うので、蛍さんは遂に向日葵の花を見に行く決心をしたのでした。


ダリアの花、159

2017-05-02 17:22:26 | 日記

「あの子は…、そうなのか。」

何だか表情を曇らせて、彼は何事か考えているようでした。

 本堂の脇の入り口に蛍さんの父が姿を現しました。光君の祖父はハッとして、もうそんな時間かと思い、

蛍さんと何も話していない事に気付きました。

 彼女の父にもう少しお願いします。5分ほど良いでしょうか、考え事をしていてまだ何も話していないんです。

光君の祖父はそう正直に彼に話し、父親からもう1度承諾を得るのでした。

蛍さんの父は2人の時間を作る為に、また奥の座敷へと戻って行きました。

 光君の祖父は、今回は早めに要件を切り上げなければと、直ぐに蛍さんに話し掛けました。

「君ね、蛍さん、ホーちゃんだったね、ホーちゃんは向日葵が好きだろう?」

蛍さんは、あまり話した事が無い年配の男性と2人で話をするのは気が進まなかったのですが、

彼ににこやかに親し気に話しかけられると、彼女も打ち解けたにこやかな表情に変わりました。

 「うん、好きよ。大きくて黄色いお花ね、お日様みたいな花でしょう。大好きよ。」

「あの花は大きいだろう。君の背丈より大きくて、君は怖くないかい?」

光君の祖父にそう聞かれて、蛍さんは一瞬ひやりとして、胸に思い当たる物が有りました。

  それは幼稚園時代の事でした。子供達皆で花壇にヒマワリを植えました。

その花を知っている子や先生から、それはとても大きな花だと聞かされた子供達は、向日葵の開花する日をとても楽しみにしていました。

やがて向日葵は芽が出て茎が伸び、草丈が伸びるごとに葉も大きくなり、その葉の大きさに皆一様に驚いて行くのでした。

遂に蕾が付き、明日、明後日には開花するらしいと噂がながれ、皆が喜びに湧いてその開花を待ち焦がれていた開花当日、

それは起こりました。

 蕾が緩み始めた後2、3日雨が続き、その後天候が回復して、からりと晴れたよいお天気の日でした。皆は久しぶりの外遊びに興じていました。

その時です、おーいと誰かの声が聞こえ、咲いたよー、向日葵がさいたよー。という声が遠くの花壇の方で聞こえました。

わー、咲いたんだって。きゃー、見に行こう。わーっと、園庭にいた皆は一斉に花壇まで駆け出して行きました。

花壇から可なり離れた場所にいた蛍さんも、皆に遅れまいと急いで花壇に向かって走り出しました。

彼女は砂場を超えて園の建物を曲がると、花壇方向へまっしぐらに向かいました。

 その時です、きゃー!、わーんと、子供達の鳴き声が聞こえ、顔をくしゃくしゃにした2、3人の女の子が泣きながら駆け戻って来ました。

バラバラと、蛍さんにぶつかる様に行き合うと、顔を上げている者は恐怖で引きつった形相、泣いている者は手で顔を覆ったまま走って行くのでした。

逃げて行く第1陣が、その隊列を避けた彼女の脇を走り去ったと思ったら、次の女の子達の塊が、やはり悲鳴を上げてダーッとばかりにやって来ました。

蛍さんはぶつからない様に更に脇に下がりました。走り去る子達を傍観して、彼女が続いてまた花壇方向からやってくる子供達に目をやると、

その中に仲良しの見知った子が1人いました。蛍さんが、あ、○○ちゃんと声をかけると、

「あ、蛍ちゃん、行かない方がいいよ。」

怖いよ、怖い。向日葵って怖い花だよと、彼女が立ち止まって蛍さんに言うと、他の子達の何人かも立ち止まり、口々に彼女に同意して怖い怖いを連発するのでした。

そこで彼女達は、蛍さんに向日葵は怖い花だと一様に告げると、ワーッとばかりにまた駆け出して、一目散に向こうへ行ってしまいました。

向日葵から少しでも離れて遠い所に行きたいと言うと、仲良しの女の子も蛍さんを1人残して、園庭の方へ駆け戻って行ってしまいました。


長年やっているのに

2017-05-02 17:17:20 | 日記

 すらすらと出てこない外国語、英語。

思うように話せないのが悩みです。

英語について思う時、私って語彙力ないなと思います。

 母国語に関しては、語彙力というより、年齢的に言いたい言葉が咄嗟に出てこないのが悩みです。

ゆっくり考えてから書く事が出来る、ブログや文章はまだ、…救いですね。