古都探索日記

奈良や京都の散策日記

グレン・グールド・トリビュート 二日目

2012-11-11 09:28:20 | 音楽
 画像をクリックしてください。プログラムが拡大されます。グールド自身がトロントを案内する「Glenn Gould's Toronto」の上映につづき宮澤淳一氏と浅田 彰氏(京都造形芸術大学大学院長)のお二方による対談が本日のメイン。浅田氏は20年前にグールド没後10年記念のNHK・TV番組を制作している。「グールドは何故あのような演奏をしたのか? また何故それができたのか?」がテーマであるがお二人の意見は何となく噛み合わない。そもそも本人がこの世にいないのだからそれらは永久の謎であり断定などとてもできないと思う。バッハが何故あのような作品を残すことができたのかという謎と同じである。不毛の対談のように感じられた。昨日のモンサンジョン氏はこの「何故か」には一言も触れなかった。知りたいのは事実だけである。対談を聞いていると私にはグールドが愛読し自分の聖書とまで言い死ぬ間際まで肌身離さず携えていた夏目漱石の「草枕」の有名な一節が思い浮かんだ。「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」 そしてその住みにくい人の世を少しでも住みやすくするために芸術は存在するのだと漱石は主張している。グールドの今でいう「引きこもり」のおかげで残されたたくさんの遺作を単純に楽しめばよいのではないかと私は思う。

 「ヨハン・セバスティアン・バッハこそが神であり。グレン・グールドはその預言者である。」これが私の信仰である。

 プログラムはさらにゴールドベルグ変奏曲の演奏、モンサンジョン氏と参加者の対話と続くが今日も立ち見がでるほどの超満員状態。気分が悪くなり退出せざるをえなかった。残念!!!

 youtubeでグールドとモンサンジョンの対話を発見。グールドの意見と超絶技巧、モンサンジョンのエアーヴァイオリン(BWV1017.2)が試聴できます。下を是非クリックしてください。

 グールドの対話を見る。
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