古都探索日記

奈良や京都の散策日記

教会音楽への扉 バッハ オルガン小本

2019-06-08 08:27:25 | 音楽
 6月5日、朝日カルチャーセンターにて受講。講師は吉田文先生。

 ヴァイマール時代の中期の1713年頃、バッハは教会暦に沿って164のコラールを選び、縦15横19センチの小さな冊子の各頁に題名(歌いだし)を記してそのオルガン編曲を作曲した。実際の作られたのは45曲のみで未完に終わっている。これが「Orgelbücherlein」即ちオルガン小本であり、日本ではオルガン小曲集(BWV599-644)と言われている。

 画像をクリックしてください。テキストの一頁目が拡大します。左上がバッハが記した表題。初歩のオルガニストのための練習曲であり、特にペダルの奏法を習得するのに役立つと書かれている。

 現代でもパイプオルガン奏者を志す人には必須の教則本になっている。

 講義は楽譜を追いながら曲を視聴した。待降節の「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」BWV599 からはじまり、途中割愛しながら復活節の「主よ、わが助けよ」BWV627 までで時間となった。わたしが好きなBWV639まで進めなかったのが残念。

 吉田先生は作曲技法が持つ意味に重点をおかれた。下降する音階=降臨するイエス、半音階=苦悩や悲しみ、十字架を表わす音符の配列、喜びを表わす付点音符のリズムなどが例にあげられる。バッハのオルガンコラールが持つ深遠かつ神々しい響きの基になっている。

 視聴したコラールの中でも最も美しいと思われる「人よ、汝の大いなる罪を泣け」(BV622)を紹介。左をクリックしてください。

 興味深いレクチャーありがとうございました。
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