画像は私が作成したバッハの教会カンタータのデータ・ベースのBWVと教会暦の関係シート。画像をクリックしてください。縦軸は教会暦、横軸は年代を表す。交差点がBWVと日付。オルガン曲についても作成中。
画像は私が作成したバッハの教会カンタータのデータ・ベースのBWVと教会暦の関係シート。画像をクリックしてください。縦軸は教会暦、横軸は年代を表す。交差点がBWVと日付。オルガン曲についても作成中。
バッハはまづ教会暦の順にその主日(日曜日)に歌われるコラール(賛美歌)をノートに書き、その下にその賛美歌を主題にしてオルガン曲を作曲した。これが Orgelbüchlein であり、いわばオルガンによる変奏。コラールは信者も歌うので簡単な旋律でどれも同じ様に聴こえるが、バッハはそれにバス(ペダル)と対旋律を組み合わせてポリフォニックに編曲した。この小本は現在でも教則本として使われているそうである。
今回のコンサートでは14曲が教会暦の順にまづ信行香代子さんのメゾソプラノでコラールが歌われ、そのあとにバッハのオルガン曲が吉田文さんによって演奏される形がとられた。他にコラール曲とは全く趣きの異なる、前奏曲とフーガ、ホ短調BWV533(アルンシュタット時代)とイ長調BWV536(ヴァイマール時代)が最初と最後に演奏された。
簡単なオルガンの伴奏を伴うメゾソプラノの独唱は素朴であるが、オルガン独奏になると精彩を帯びる。先ずリズム感が変る。私にはスウィングするように感じられ、思わず曲にあわせて体を揺らしてしまう。「最高にスウィングする音楽、それは紛れも無くヨハン・セバスティアン・バッハである」というグレン・グールドの言葉を思い出す。そして編曲のしかたも様々である。たとえば7番目に演奏された復活節のBWV627では3節が歌われたが、オルガン曲は第1節は慎ましやか、2節は壮大に、3節は華麗にアレンジされ正にバッハの才気あふれた変奏曲といえる。画像をクリックしてください、赤い丸印がBWV627。
この様なコンサートは日本では初めてではないか? ドイツで勉強された吉田先生ならはの企画だと思った。バッハファンには「こたえられない」ユニークで密度の高い内容だった。ありがとうございました!