原発問題

原発事故によるさまざまな問題、ニュース

【フクシマ見聞録】「アキラ、日本政府が言ってる事が全く分からない。”爆発的事象”とは何ですか。酷すぎる」 ※77回目の紹介

2017-02-13 22:01:47 | 【フクシマ見聞録】

1876to1945さんのツイート(2013年10月01日~)を順に紹介します。77回目の紹介

【フクシマ見聞録】

「アキラ、日本政府が言ってる事が全く分からない。

”爆発的事象”とは何ですか。酷すぎる」

Akira Tsuboi@1876to1945さん 2014年1月19日のツイートから

 

福島行-なにか沈没してゆく船から脱出してゆくような気持ちだった。
ただそうして自分を含めた家族が切迫して車を飛ばしているのとは
無関係に、空は青く、地震の影響から抜け切らぬ街はいつもより身を
小さくしているように見えた。空がいつもより澄んで見えていたのは、-

 

-逼塞を余儀なくされた人間が多いためだったのかもしれない。
自分たちが只中にいる動乱と街の静けさとの差が、
透明な恐怖としてかつてない現実さ迫ってきたことを覚えている。

女が出国してゆく前の日に、政府の会見に出ていた。
その会見が終わるとドイツ人たちの国外退避の話が急遽決まったようで-

 

-やはり急遽パスポートが必要になった女を車で迎え、再度赤坂へ送った。

女の家に着くと、地震のせいで散乱した物が床に散らばっていた。
必要な物を物色しながら女が言った。

「アキラ、日本ノ政府ガ言ッテイル事ガマッタク分カラナイ-」
苛立ちをこらえきれず、両手に持った不可解な物体を-

 

-ゆすぶるようにして言った。「”バクハツテキジショウ”ハ、バクハツナノカ。

違ウノカ。辞書ヲ見テモ分カラナイ。アキラ、”ジショウ”
とは何デスカ。ヒドスギル-。」”『事象』という言葉に意味はないよ。
意味があるとしたら、現実をなるべく曖昧なものにしたい、そんなところだな-”-

 

-自分が言うと「ナゼ、コトバヲ急二作リダスノカ。信ジラレナイヨ。」
女は再度、両手を揺すって言った。それまで割合と日本という社会、
人間に信をおいていた女がはじめて日本人の抱えてきた
裏側にぶつかった瞬間だった。

現実を解釈の問題にすりかえ処理してしまう。それは不遜さだった。-

 

-これ以降、ただちに健康被害はないと繰り返し、ひたすら
解釈上の操作を展開してゆく日本の政府とドイツ人たちの
共有する認識は決定的にわかれてゆく。「行キマショウ。」

めぼしい物を集め終え、そうして赤坂へもどり別れた後、
女は電話口で言った。-

 

-「アキラ。怖イヨ-。ZDFの同僚二科学二詳シイ方がイル。
彼ガ言ッテイル。カクバクハツ、が起キルカモシレナイ-」
核爆発が起きるかもしれない-。

家を立つ前に爆発する3号機の映像を見て母が言った
「今までの爆発とちがう。横じゃなくて、縦に、爆発してる-。」
その言葉にも思い出した女の話-

 

-を、やはり思わずにいられなかった。荷はリュックが二つだった。
そのほとんどが服で占められていた。肌着。靴下。
トレーナー。みな、買うときには選ぶものがなくて仕方なく
買い求めた物ばかりだった。62年製のジャズマスターも、
これまで描いてきた絵も、およそ自分というものを注ぎ自分そのもの-

 

-のように思いなしてきたたいせつな物は、およそ持ってゆくことが
できない物ばかりだった。たいして思い入れのない、平凡で、
実用的な衣類ばかりの詰まったリュック二つ。
どうやらそれが自分そのものらしかった。-

 

※次回に続く

 2017/2/14(火)22:00に投稿予定です。 


【告発!検察「裏ガネ作り」】検察は、元のウソがばれないように検面調書のウソを、別のウソに修正 ※68回目の紹介

2017-02-13 22:00:32 | 【告発!検察「裏ガネ作り」】

*『告発!検察「裏ガネ作り」著者 三井 環 を複数回に分け紹介します。68回目の紹介

口封じで逮捕された元大阪高検公安部長の「獄中手記」~

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**『告発!検察「裏ガネ作り」』著書の紹介

14 崩れた検察側のシナリオ P194~

 検察はいまさらながら、頭を抱えていることだろう。それは1月21日の第7回公判から始まった弁護側の反対尋問で、渡眞利証言の矛盾が次々と露呈し始めたからである。他の事件と違う本件の特色は、検察の「起訴事実」イコール「渡眞利供述」だということだ。したがって渡眞利供述のウソがばれれば、事件そのものがおしまいになる。

 検察は、元のウソがばれないように検面調書のウソを、別のウソに修正しながら法廷で証言させているようだ。渡眞利は元のウソと新しいウソの矛盾を突かれ、さらにウソを重ねてつじつま合わせをしようとしている。渡眞利は言い訳の天才である。弁護人に矛盾を突かれても、その場で瞬間的にウソで言い繕う。平然と、表情に出さずに。しかし、それには限界がある。詐欺師としての渡眞利の長所は、ウソのストーリーを平気でとうとうと述べられることだ。しかし、それは弱点にもなる。ウソをつける自信が逆に矛盾を生み出す。上手の手からどんどん水がこぼれていく。

 検察は、渡眞利のウソがあまりにも多いので苦労しているようだった。捜査段階で出ていなかった話が尋問で初めて出てくる。それが1度や2度ではない。しかし、それは自業自得だ。検察は渡眞利の騙され、渡眞利の供述の真実を思い込んで起訴したのか。いや、そうではない。ウソと知りつつ、起訴したのだ。

 並みの検事であれば、取り調べの段階で渡眞利のウソに気づくはずだ。これは私の経験からも言える。1日に仮に7時間調べるとすると、第1時勾留で140時間、第2次勾留も合わせると240時間、拘置所の狭い部屋の中で相対する。取り調べ官の裏も表も、被疑者の裏も表も、隠しようがないのである。

※続き『告発!検察「裏ガネ作り」』(崩れた検察側のシナリオ)は、

2017/2/14(火)22:00に投稿予定です。 

 

告発! 検察「裏ガネ作り」


2月12日(日)のつぶやき

2017-02-13 02:24:00 | つぶやき

2月11日(土)のつぶやき

2017-02-12 02:23:08 | つぶやき

2月10日(金)のつぶやき

2017-02-11 02:21:23 | つぶやき

2月9日(木)のつぶやき

2017-02-10 02:19:36 | つぶやき

【フクシマ見聞録】3.11直後「これ見て-」母が言った。「今までの爆発とちがう。横じゃなくて、縦に、爆発してる」 ※76回目の紹介

2017-02-09 22:21:44 | 【フクシマ見聞録】

1876to1945さんのツイート(2013年10月01日~)を順に紹介します。76回目の紹介

【フクシマ見聞録】

3.11直後「これ見て-」母が言った。

「今までの爆発とちがう。横じゃなくて、縦に、爆発してる」

Akira Tsuboi@1876to1945さん 2014年1月18日のツイートから

 

福島行-書類を手に家へ戻ると、出発の準備をあらかたまとめた
父と母が居間におりテレビを凝視していた。

画面には、原発が爆発する瞬間の映像が映し出されていた。
「また爆発したよ-」母が振り返って言った。「三号機。爆発。」
”さっき区役所でともだちから電話があった。知ってるよ”-

 

-「これ見て-」母が言った。「今までの爆発とちがう。
横じゃなくて、縦に、爆発してる-。」テレビの前には父もいて、
あぐらをかいて画面を見ている。脇に小さな手帳が置いてあった。

読売新聞の記者を退職してしばらく経っていた。
テレビが流し続けるうすく無為な情報の受け口のようになって、-

 

-まるでその相方を務めるようにやはり無為にテレビをつける。
それが習慣になっているようだった。退職してからは趣味の書道を再開し、
部屋に一人こもって般若心経の同じ字の並びを
ひたすら克明に書き写すことをしていた。

合間の時間に韓国の歴史ドラマを見る。テレビを見ている。-

 

-そんな毎日を送っていた。それが事故が起こると、
以前使っていた取材用の手帳が放り込まれている棚から小さな手帳を取り出し、
時系列に事態を記録し始めたのだった。

自分が戻ると、出発することになった。
その時にはまだ生きていた二匹の猫たちに挨拶して車に乗りこんだ。-

 

-道は空いていた。晴天で、空が青かった。田町をぬけてゆくところで兄が言った。
「曲がってる-」東京タワーのほうをハンドルを手に指差す。
見ると、青空を後景に見える東京タワーの頂点、
避雷針かなにかの細い棒が、わずかに傾いていた。-

 

※次回に続く

 2017/2/13(月)22:00に投稿予定です。 


【告発!検察「裏ガネ作り」】私の逮捕を事前に知っているかのようだった「先生、助けてくれと連絡があると思ってましたよ・・」 ※67回目の紹介

2017-02-09 22:00:40 | 【告発!検察「裏ガネ作り」】

*『告発!検察「裏ガネ作り」著者 三井 環 を複数回に分け紹介します。67回目の紹介

口封じで逮捕された元大阪高検公安部長の「獄中手記」~

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**『告発!検察「裏ガネ作り」』著書の紹介

13 暴かれた「謀略」の構図 P190~

 逮捕直後の検察の悪質なリークは、私が指定暴力団と癒着した悪徳検事であるとのストーリーだったが、真実は検察こそが大物OBを使って現役の指定暴力団組長と接触をはかっていたわけだ。しかも、そこで何らかの裏取引があった疑いが濃厚なのだ。

 亀谷組長は私の”詐欺の共犯”として逮捕されていながら、自宅も車もガサ入れ(家宅捜索)されていないことが判明している。前出の大仲検事の捜査報告書には、捜索差し押さえの必要性として、「5月24日付の不動産売買契約書が存在しないのでその発見等を目的に捜索する」という趣旨のことが書かれているのに、肝心の買主である亀谷組長宅を捜索しないとはどういうことか。

 一方、自らの公判では検察側の主張をすべて認め、収賄罪で懲役5か月の実刑判決を受けた渡眞利は、過去複製の検事弁護人と知り合っている。だが、第10回公判で渡眞利は、谷弁護士とは「接見室で初めて会った」ことを認めた。では、いったいだれが紹介したのだろう。弁護人の追及に、渡眞利は「まあ、いい先生だったんで、家族に(言って)入れてもらいました」と、家族を通じての依頼だったと答えた。

 ところが、逮捕直後の渡眞利は私と同じ接見禁止で、家族にどの弁護士を依頼してほしいと頼める状況ではなかったのだ。

 実は渡眞利の弁護人を引き受けた谷弁護士は、関西大学法学部出身で昭和50年に司法試験に合格し、同53年に検事に任官した経歴のヤメ検弁護士の1人だった。そして、私の逮捕を指揮した高田明夫特捜部長はこの谷弁護士と同期(30期)で、初任地も同じ大阪地検だったことが、弁護団の調べでわかっている。これは偶然だろうか。話はまだある。

 私の逮捕直前の平成14年4月中旬、しばらく音信不通だった渡眞利から久しぶりに電話があった。渡眞利はろくに挨拶もせず、やぶからぼうに、

「先生、助けてくれという連絡があると思っていましたよ・・」

 と言ってきた。それはまるで、私の逮捕を事前に知っているかのようだった。

 もはやこれ以上、何も言うことはないあろう。私の逮捕、起訴の背後にある謀略の構図がかなり明確に像を結び始めた。

※続き『告発!検察「裏ガネ作り」』(崩れた検察側のシナリオ)は、

2017/2/13(月)22:00に投稿予定です。 

 

告発! 検察「裏ガネ作り」


2月8日(水)のつぶやき

2017-02-09 02:20:28 | つぶやき

【フクシマ見聞録】3.11直後「また原発、爆発したよ-。3号機、爆発だって。本当は仕事だけれど行ってない」 ※75回目の紹介

2017-02-08 22:17:00 | 【フクシマ見聞録】

1876to1945さんのツイート(2013年10月01日~)を順に紹介します。75回目の紹介

【フクシマ見聞録】

3.11直後「また原発、爆発したよ-。3号機、爆発だって。

本当は仕事だけれど行ってない

Akira Tsuboi@1876to1945さん 2014年1月16日のツイートから

 

福島行-14日午後、兄の車に乗り、羽田空港へ向かった。

被曝から避難する人間がスリーマイルの時に殺到して混乱したことを考えると、
果たしてすんなりと空港へたどり着けるのかどうか不安な気持ちをもっていた。
ドイツ政府が取ったチケットの時間に間に合うのかどうか。-

 

-チケット受け取りのために発行されたドイツ政府の書類をプリントアウトした。
その前の時間に役所に向かい、戸籍謄本、身分証明書、めぼしい個人証明と
なる書類をまとめて出してもらっていた。
東京に戻れない場合のことを、かなり現実的に想定してそうしたのだった。-

 

-渋谷の区役所で書類の発行を待っていると(役所は平静を保っていた)、
着信があった。音楽をやっていたころの知り合いだった。

理系の男で、ホテルマンをしている男だった。
譜面があれば音は出せるが、何もない状態では自分から
音を出せぬ男だった。ずいぶん久しぶりの連絡だった。-

 

-「明。どうしてる」自分は状況を説明した。
「また原発、爆発したよ-。」理系の男は言った。”ほんとうか”
「ああ、、。3号機、爆発だって。今、テレビで映像が流れてる。」
”、、、”「こわいよ-」男は言った。
「本当は仕事なんだけれどもう12日から行ってない。
外へでることができない-

 

-男はつづけた。「今、迷ってるんだよね。台湾にともだちがいる。
彼のもとに行こうか-」自分は言った。

”お前はめぐまれてるよ。外国に友人がいるんだろ。
そんなやつばかりじゃない。

逃げるつてがあるんなら、避難したほうがいい。
”自分は言った。「-そうか、、。こわいよ。」男は繰り返した。-

 

-持っていた番号札で呼ばれる。”すまない書類があがってきた”
言って電話を切った。彼は結局、一週間家の中で過ごし、
仕事に穴をあけ、そして逃げることもなく職場復帰した。
職場に戻ると、叱責されたと後日言っていた。-

 

※次回に続く

 2017/2/9(木)22:00に投稿予定です。 


【告発!検察「裏ガネ作り」】検察は大物OBを使って、現役暴力団員と接触し、私のアラ探しをしていた ※66回目の紹介

2017-02-08 22:00:14 | 【告発!検察「裏ガネ作り」】

*『告発!検察「裏ガネ作り」著者 三井 環 を複数回に分け紹介します。66回目の紹介

口封じで逮捕された元大阪高検公安部長の「獄中手記」~

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**『告発!検察「裏ガネ作り」』著書の紹介

13 暴かれた「謀略」の構図 P188~

 平成15年3月7日の第10回公判で、弁護人らの渡眞利の対する反対尋問によって、渡眞利が荒川洋二弁護士を訪ねたときの様子が一部、明らかになった。

 同行したのは渡眞利と亀谷組長のほか、荒川氏を紹介した”組長の知人”2人の計4人である。事務所にはなぜか検察の裏ガネ疑惑を扱った週刊誌のコピーが用意されていたという。面会時間はわずか10分で、その短い時間に荒川氏は渡眞利のメモを見ながら、なぜか私の知人で、私に代わって検察の裏ガネ作りを刑事告発してくれた川上道大氏のことを聞いてきたという。次のセリフは同日の渡眞利の証言である。

「何か四国タイムズか何かいう新聞屋がいてると。まあここ(渡眞利メモ・筆者注)に書いてあるのと合うなと、ああそうですかと、そんなようなことやったと思うんです」

 荒川氏は渡眞利の話を聞きながら、渡されたメモの余白に何かを書きこんでいた。渡眞利のメモには川上氏のことが「三井の情報提供者」と記されていた。

 公判では、渡眞利は訪問の目的はマンション買戻し交渉の依頼だったとあくまで主張していたが、メモの内容はどう見ても買戻しとは関係のない、私に関するスキャンダルめいた虚偽の記述で埋められていた(荒川氏は買戻し交渉の代理人を引き受けていない)。

 荒川氏がメモをただちに大阪高検側に渡したことを考えると、初めから検察側の意を受けて、渡眞利・亀谷側と接触したことが推測できる。検察は大物OBを使って、現役暴力団員の亀谷組長や渡眞利らと接触し、私のアラ探しをしていたことになる。そうなると、キーマンはこの会談をセットした”組長の知人”の紹介者ということになるが、渡眞利は弁護団の執拗な尋問にも、また裁判長の「裁判所のその人物が誰なのかを知りたいので答えてくれませんか」との問いにも首を横に振り、この紹介者ついては最後まで口を割ろうとしなかった。

※続き『告発!検察「裏ガネ作り」』(暴かれた「謀略」の構図)は、

2017/2/9(木)22:00に投稿予定です。 

 

告発! 検察「裏ガネ作り」


2月7日(火)のつぶやき

2017-02-08 02:20:16 | つぶやき

【フクシマ見聞録】3.11直後「アキラ。家族扱いで、ドイツ政府から飛行機のチケットがもらえる。南へ逃げて」 ※74回目の紹介

2017-02-07 22:31:21 | 【フクシマ見聞録】

1876to1945さんのツイート(2013年10月01日~)を順に紹介します。74回目の紹介

【フクシマ見聞録】

3.11直後「アキラ。家族扱いで、

ドイツ政府から飛行機のチケットがもらえる。南へ逃げて」

Akira Tsuboi@1876to1945さん 2014年1月16日のツイートから

 

福島行-その電話は実のところ、意外なものと自分は捉えていた。
ドイツ人たちを逃すためにチャーターされたはずの飛行機が台湾で
そうして予定外に来ないこととなり、彼らは各々、
出国を自ら調整しなければならなかった。

それは、日本出国のために早い者勝ちの競争が
はじまったことを意味にしていた。-

 

-「アキラ。怖イヨ-。チケット、私ハ取レルノダロウカ。」
女は電話口で言った。
パスポートもない自分にはどうすることもできなかった。

”だいじょうぶだろう、きっと。”無力感を感じながら自分は言うほかなかった。
そのことを察したのか、女は言った。
「-アキラ、私ノタメ二、祈ッテクダサイ。」-

 

-祈るほかなかった。海苔を買ってくると、ドイツ人たちの行動を
登録しているミクシィで書き込み続けることをはじめた。

海苔を食べていること。風向きを気にして身重の中国人の妻を
福岡へ飛ばした者がいること。海外のサーフィンのサイトに、
世界の詳細な風向きを予想するものがあり、URLを書いた-

 

-翌日の早朝に女から連絡があり、無事旅客権を確保したと言った。
それからすこし遅れて中国人達が出国を図り大挙して詰めかけていた。

そのわずか一足先に出国の手配を済ませたことになる。
自分は仕事場へ向かう前で布団に寝ていて、寝たまま、
その連絡を受けた。女は言った。「アキラはドウスル-」-

 

-”逃げられないよ。パスポートもない。今日は仕事。仕方がない-”
「-私ハ、アキラを置イテユクノカ、。迷ウ気持ちがアル、。

私ハ一人デ逃ゲテ良イノカ、」女が迷いはじめたので言った。

”$$$、逃げな-。”さめざめと、
受話器の向こうで女が嗚咽するのが聞こえた。-

 

-自分はこれまで自分がドメスティックな生き方しか
してこなかったことを伝え、謝った。縁があればまた会えるだろう、
今までのことを感謝すると「-ワカリマシタ。」女はようやく言い、
通話を切った。(これで、終わり-。)
前日の12日の夜には、フランスのメディアがネット伝えていた。-

 

-『福島の事故は最低でもスリーマイルと同等の規模になる可能性がつよい-』。
原子力災害の国際基準でスリーマイルはレベル5だった。

日本のテレビも騒乱の中にあったが、そうしたことを伝える報道はなかった。
かなり近い距離で、外側からもたらされる死というものを意識した。-

 

-こんなことがあるのか、とも思い、その反面やがて訪れるはずだった
事態が現実としてやってきたとも思った。自分がその事態に
何の準備すらもしていなかったことが、決定打として自分の前に露出した。

飯舘村には多くのフィリピン人女性が働いていた。
農家の男と結ばれて工場勤務などをしていた。-

 

-『原発さえなければ』と厩舎に字を残して縊死した男性は、
やはり事故後フィリピンへ急遽戻ってしまった若い妻のことを大きな喪失として抱え、
その他の傷もあり、克服できなかった。空港でのようなやりとりは、
日本のあちこちで起きたはずだった。縁があれば会えるだろう-。-

 

-自分は言ったが、もう女とは終わったと感じていた。そんな気持ちから、
仕事場で受けた電話に意外な気持ちを持ったのだった。

「アキラ。家族扱イで、ドイツ政府カラチケットがモラエル。
南へ逃ゲテクダサイ。沖縄カ、福岡、ドチラカ選ンデクダサイ。」
翌日から三日間休みを取っていた。-

 

-「福岡。」急な展開で狼狽しながら、自分は言った。帰宅して
この話を家族に伝えると、家族も縁故をつたって南へ逃げることになった。

自分以外の三人の家族は奈良へ。母は二匹の飼い猫のため、
ダンボールに餌を大量に注ぎ、バケツに水を張っていた。-

 

-自分のもとに取り残さた側のドイツ人の女からメールが入っていた。
多くのひとに状況を聞いたが判断がつかない、混乱している、アキラはどう思う、
私たちはどうしたらいいか。英語で書いてあった。

三日間の休みというのは、以前の呟きに書いたことだが、
彼らからの取材を受ける予定だった。-

 

-彼らはフランスドイツ合弁の先端的なアート系を扱う番組制作チームで、
自分は下北沢という街で活動するひとりの絵描きとして取材を受けていた。

下北沢の街の中での映像収録の最後の三日間が、その休日だった。
それが3.11で頓挫し、そんなメールをよこしていた。自分は書いた。-

 

-「逃げろ、可能な限り速く。この国のメディアは何も言わないが
もうすでにメルトダウンしてる可能性が高い。

君に見せた絵のテーマ、隠蔽が、今動きだすぞ。君は日本人じゃない。
チケットさえ取れればすべては解決する。この国から離れろ-」
英語でそう書くと、その言葉を受けて二人はタイへ向かった-

 

-クアラルンプールにいる女の方の親を頼って向かったと言っていた。
結局、一貫して自分を被曝から避けるために力となったのは、
ドイツという国、その国の人だった。日本国政府ではなかった。
タイへ出国していった二人とのやりとりから、
自分とドイツという国の奇妙な縁を感じざるを得なかった。-

 

-友人は米軍のラジオ放送で艦隊が持ち場を離れて南下することを聞き、
福島での事故の程度を図っていた。岐路と、縁-。
これまでの自分の一切が凝縮して露出してきた時だったと思う。-

 

※次回に続く

 2017/2/8(水)22:00に投稿予定です。 


【告発!検察「裏ガネ作り」】法務・検察の首脳が集まり会議が開かれ、私を逮捕する大方針が決定された ※65回目の紹介

2017-02-07 22:00:58 | 【告発!検察「裏ガネ作り」】

*『告発!検察「裏ガネ作り」著者 三井 環 を複数回に分け紹介します。65回目の紹介

口封じで逮捕された元大阪高検公安部長の「獄中手記」~

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**『告発!検察「裏ガネ作り」』著書の紹介

13 暴かれた「謀略」の構図 P187~

 2日後の4月20日、原田総長、但木敬一法務事務次官をはじめとする法務・検察の首脳が法務省三田分室内にある料亭「かつら」に集まって午前会議が開かれた。ここで私を22日の早朝に逮捕する大方針が決定されたというのである。

 月刊誌「噂の真相」の報道によると、私の容疑はあまりに根拠が希薄で逮捕したときのリスクが大きすぎるとの異論も出たが、原田総長と但木時間が押し切ったという。

 なるほど、これでは証拠固めも内偵捜査もあったものではない。しかしすごい話ではないか。

 謀略にかかわった検事たちは、その後、次々と人事で手当てされた。まず主任検事だった大阪地検の大仲検事は特捜部副部長に昇進、捜査を指揮した高田特捜部長は大阪高検の総務部長になり、高検総務部長だった落合氏は刑事部長を経て、仙台高検の次席検事にまで出世した。だが、もっとも驚くべきは大塚清明氏だ。

 彼は私が逮捕、起訴されたことの監督責任を問われ、平成14年5月に減給処分を受けた。にもかかわらず、高検次席としての謀略の中心的役割を担った論功行賞からか、同年8月には最高検検事、10月には最高検公判部長、そして12月には名古屋地検検事正と3段飛びでの出世を果たした。減点主義の官僚社会において、処分の”キズ”は決して小さくない。それが異例の出世を遂げている。この事実をどう受け止めるか。読者のみなさんの冷静な頭で判断してほしい。

※続き『告発!検察「裏ガネ作り」』(暴かれた「謀略」の構図)は、

2017/2/8(水)22:00に投稿予定です。 

 

告発! 検察「裏ガネ作り」


2月6日(月)のつぶやき

2017-02-07 02:20:51 | つぶやき