*『リンゴが腐るまで』著者 笹子美奈子 を複数回に分け紹介します。44回目の紹介
『リンゴが腐るまで』原発30km圏からの報告-記者ノートから-
著者 笹子美奈子
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**『リンゴが腐るまで』著書の紹介
第3章 復興が進まないワケ
官庁不在
(前回からの続き)
こうした前例のない事業に迅速に対応するため、2013年度補正予算で福島再生加速交付金で設けられた。2013年2月には復興庁の出先機関、福島復興再生総局が福島市に設置された。それまであった復興庁、環境省などの出先機関を統合し、縦割りによる弊害をなくすことを目的としていた。
ところが、復興業務を加速させるためにできたはずのこの福島復興再生総局が、自治体にとって大きな関門となる。ある町の担当者は「福島再生加速化交付金には要綱にいろんなメニューがあるが、メニューにない『その他』について申請する場合は、説明を要求された。2013年5月までは霞が関の本庁とやり取りしていたが、再生総局に担当が変わってから、調整に時間がかかってあきらめた事業もある。権限は福島にあるはずなのに、本庁から問い合わせがあったり、プロセスが短くなるはずなのに、逆に関門が増えて時間をとったりしている。どうやら、復興予算が適正に使用されていないという批判があったので、審査が厳しくなったようだ。復興庁は査定官庁みたいになっている。
※「第3章 復興が進まないワケ「官庁不在」」は次回に続く
2016/9/1(木)22:00に投稿予定です。
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