原発問題

原発事故によるさまざまな問題、ニュース

12月28日(水)のつぶやき

2016-12-29 02:21:47 | つぶやき

【フクシマ見聞録】どうしてそんな所にいるんですか「放射能が来るので避難したんです」 ※56回目の紹介

2016-12-28 22:52:12 | 【フクシマ見聞録】

1876to1945さんのツイート(2013年10月01日~)を順に紹介します。56回目の紹介

【フクシマ見聞録】

どうしてそんな所にいるんですか

「放射能が来るので避難したんです」

Akira Tsuboi@1876to1945さん 2013年12月12日のツイートから


福島行-「どうもありがとうございました。」
松江院長の話が終わると司会の事務の方が言った。

「ええと、院長の報告についての質問等におきましては、
休息を挟んでいちおう3時から質疑応答の時間約1時間半ほど
とってありますので、みなさんのほうから
積極的に質問等を出していただきたいと思います-

 

-「つづきまして、今日、、講演をいただきます
崎山比佐子先生をご紹介いたします。

、、国会事故調査委員会として、とりわけ低線量放射線の健康影響を
担当されておられます。

1990年から高木学校のスタッフの一人として参画されておりまして、
福島の原発事故にも、本を数多く出版されております。-

 

-「今日は『原発事故による健康障害』と題しまして、約2時間、
スライドを中心に使った先生のご講演を拝聴してゆきたい、
とこう思います。よろしくお願いいたします-」そう紹介されると、
ベージュを基調とした服をみにつけた崎山比早子氏がマイクの前に立った。-

 

-懐かしい、というと顔見知りのように思われてしまうから
おかしいけれども、なつかしい、という印象をもった。

それまで原発はおろか放射線についてまるで知識を入れて
こなかった自分が、なかば必然的になにが起きているのか
知らざるを得なくなり、かじりつくようにして見ていた数少ない情報源の-

 

-一つが原子力資料情報室だった。彼らがウェブ上で
流す動画に彼女もしばしば現れ、放射線が遺伝子連結に与える作用を
話していた。雨の降っていた3月14日の福岡に一人たどり着き、
ホテルの一室に収まった自分はフロントにパソコンを借りて、
その日の彼らの解説内容を要約して、-

 

-SNSで誰彼構わず伝えるということをしていた。
あの頃の緊迫状態が思い出された。

やがて別のホテルに移らざるを得なくなり、そこはパソコン貸出しがなく、
ロビーにあった10分使用100円のパソコンに硬貨を次々投入して
重要と思われる事を文字起こしていた。

今とやっていることに変わりがない-

 

-3月12日から自分は三日間の休暇を無理言ってもらっていた。

それは自分の絵について取材を受ける予定が入っていたからで、
予定されていた独仏合弁のアート系のメディアとの収録は、
半端なかたちで流れた。

混乱したドイツ人数人を逃がす手はずをした後、
空いた休日は、福岡への避難で費やされた。-

 

-やがて、その三日間の休日も終わり、もどるかどうか逡巡した末に、
自分は福岡でとどまることを選んだ。三日間のあいだに電話がかかってきて、

会議があるから出るように言われたのだが(介護物資の
補給が途絶えたことについて話し合ったのだろう)、
自分は福岡にいて向かえない、と伝えた。-

 

-「どうしてそんな所にいるんですか」てきぱきとした上司が電話口で言った。
「放射能が来るので避難したんです」「、、、。」

あの時のやり取りを思い出す。やがて三日間が過ぎ、
もどるかどうか逡巡した末、自分は留まることを選んだ。

その旨電話して伝えると、馘首を言い渡された。-

 

-福岡の渡辺通りにあるスーパーで電池があるどうか見にゆくと、
異常なく棚に溢れていた。介護用の襁褓も同じようにしてあり、
失職してはいたが再度電話をかけて送ろうかと言うと、
その頃には物資補給のめどはついているとのことだった。

スーパーを出たときは晴れていた。大通りに面していて-

 

-いくぶん肌寒さの残る日差しのなかで、保険が失効したことを伝えらると、
いっそう流浪の感じが強まったことを覚えている。

ホテルに戻ると、パソコンを見つめ、自分の知らなかった専門家たちが
話す内容を炙られるようなきもちで文字起こしていた。

ふくしま共同診療所は崎山氏を呼んでいたのだが、-

 

-この日、まったく同刻に、この報告会があった場所から歩いて5分ほどの
場所に矢ヶ崎克馬氏が呼ばれていた。

集団疎開裁判の方たちが催した会が開かれていたのだった。
(一緒にやればいいじゃないか-)自分は思うのだが、
事情はそれを許さないのが現状だった。-

 

-「あの、崎山です。今日は、あのふくしま診療所の開設9ヶ月の報告会に
お招きいただきましてありがとうございます-」崎山氏が言った。

国会事故調の委員として、日本各地で講演をされており、
その内容はウェブ上でも見ることができる。

診療所はもともとの診療所という性格上、目立った宣伝になる-

 

-ようなことを控えている。したがって診療所での発言映像はウェブ上にはない。

診療所で語った内容をこの間確認して、ほかで語られた内容と合わせてみると、
ほとんど内容は変わらなかった。

このツイッターという媒体に参加している方は、
おそらく世の一般より放射線に対する意識も高いと思われる。-

 

-そうした方々すると、彼女の発言に新味というものはおそらく
無いのかもしれない。

だが、自分の視点からはなれて、2013年9月段階の福島市現地の方々に
何を伝えたのかという点から見ると、またちがった意味合いがでてくる。

福島市から避難したこどもの割合は1割程度と3月の段階で聞いた。-

 

-自分が持っている前提と福島に住む多くの人間の前提はおそらく
だいぶ違うものだろうということは街をゆく人々との会話から感じていた。

行き過ぎかもしれないが、かつての自分のように原発をめぐる
国や企業の在り方になんの疑いも無かった人間に内実を伝える話として、
崎山氏は話してゆく。その内容も記録しておこうと思う。-

 

 ※次回に続く

 2017/1/4(水)22:00に投稿予定です。 


【告発!検察「裏ガネ作り」】起訴状を見ると「事実」そのものがすり変わっていたのである ※47回目の紹介

2016-12-28 22:13:22 | 【告発!検察「裏ガネ作り」】

*『告発!検察「裏ガネ作り」著者 三井 環 を複数回に分け紹介します。47回目の紹介

口封じで逮捕された元大阪高検公安部長の「獄中手記」~

----------------

**『告発!検察「裏ガネ作り」』著書の紹介

7 検察側の裁判戦術 P107~

 検察は私を収賄などで再逮捕したときの拘留請求で、問題のデート嬢接待が行われたのはホテル「チャペルシンデレラ」だと特定していた。勾留状にも,<7月中旬ころ、天王寺区上汐のホテル「チャペルシンデレラ」において情交の機会提供があった>、などと書かれていた。渡眞利が捜査段階でそう供述していたからだ。ところが起訴段階では、私が情交したとされる場所が、いつのまにかホテル「グランドカーム」に”変更”されていたのである。通常の捜査をしていれば、こんなことはあり得ない。

 取り調べ段階で、私が水沼検事からホテル「チャペルシンデレラ」について聞かれたことはすでに書いた。それもたったの1度、

「昼間、チャペルシンデレラというホテルに行っていませんか?」

というようなことを聞かれただけだ。私が、

「それは、土曜か日曜日ですか」と聞き返すと、

「いや昼間でなくても夜でもいいですが・・・」

と、何やらわけのわからない応答をしたのでよく覚えている。

 水沼検事から「チャペルシンデレラ」の件で質問があったのはそれだけである。「グランドカーム」というホテルについてはいっさい聞かれていない。

 ところが起訴状を見るとホテル「チャペルシンデレラ」の名前は消え、<7月中旬ころ、北区兎我野町のホテル・グランドカームにおいての情交提供の機会>と、「事実」そのものがすり変わっていたのである。

 ※続き『告発!検察「裏ガネ作り」』(検察側の裁判戦術)は、

2017/1/4(水)22:00に投稿予定です。 

 

告発! 検察「裏ガネ作り」


12月27日(火)のつぶやき

2016-12-28 02:20:06 | つぶやき

【フクシマ見聞録】なぜ、日本はヒロシマの経験があるのに、対応出来なかったの?「日本はアメリカの植民地だから」 ※55回目の紹介

2016-12-27 22:01:11 | 【フクシマ見聞録】

1876to1945さんのツイート(2013年10月01日~)を順に紹介します。55回目の紹介

【フクシマ見聞録】

なぜ、日本はヒロシマの経験があるのに、対応出来なかったの?

「日本はアメリカの植民地だから」

Akira Tsuboi@1876to1945さん 2013年12月09日のツイートから


三軒茶屋のアートスペースKENさんで自分の絵を前に、
イタリアミラノからやってきたスカラ座の主席バイオリニストが演奏した時があった。

そのリハーサルに夜勤明けで自分は向かったのだが、
かのバイオリニストには同行が居て、
オペラのダンサーだというイタリア人女性が二人来ていた。

 

"一人は黒髪の日焼けした肌の、凛とした眼差しの女性で、
イタリアを思わせる青いワンピースを着ていた。

日本の若い女性が身にまといがちな退嬰的なものが一切ない。

胡桃のような質実さが洒脱さを帯びている印象をいだいた。

もう一人はいくぶん若く、赤毛を揚げた女性でレモン色と黄緑の服を着ていた

 

ー軽みのある印象だった。自分は拙い英語で、

自分の絵をバイオリニストの男性に話し(彼もイタリアなまりの英語を話した)、
それを彼はイタリア語で翻訳してゆく。
描かれたことの背景をひとしきり話し終えると、赤毛の女性が言った。

 

"(なぜ、日本はヒロシマの経験があるのに、対応出来なかったの?)

イタリア語でのやりとりなので完全に分かった訳ではないが
単語の感じから彼女の疑問の内容が知れた。

バイオリニストがじぶんにその質問を流すかと思って見ていると、
そうせず、彼女に答え、こちらに回して来ない。

 

"(こいつ、分かっちゃないよな )バイオリニストは自分の顔色を危うく伺うように話す。
「coloniale. :植民地の」という単語が聞こえた。

男が、日本人の自分にばれぬように言ったのは「日本はアメリカの植民地だから」ということだった。
自分に伝えぬようにして処理すると、

 

"バイオリニストは何事もないように自分にむかい、微笑みをうかべた。
彼の気の遣い方 。それは、”彼ら日本人の多くは気付いてないんだが、
現実はそうなんだ”と声をひそめたのだった。

その気の遣いように苦いものを感じた。まったくそれが現実だった。
すべての問題はここに帰結してゆく。

 

"地中海ブルーの服を着た女の凛としたありようが、
なにか対象的なもののように思われて、情けなさを感じた。

「立っている」。青い服の女は腕を組んで、はっきりとした目でいるのだが、
その様子には「立っている」という単純な言葉が新鮮にあてはまるものだった。

 

 ※次回に続く

 2016/12/28(水)22:00に投稿予定です。 


【告発!検察「裏ガネ作り」】いくら「優秀」な検事が作文したとはいえ、その供述内容のほとんどが虚偽・虚構である ※46回目の紹介

2016-12-27 22:00:27 | 【告発!検察「裏ガネ作り」】

*『告発!検察「裏ガネ作り」著者 三井 環 を複数回に分け紹介します。46回目の紹介

口封じで逮捕された元大阪高検公安部長の「獄中手記」~

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**『告発!検察「裏ガネ作り」』著書の紹介

7 検察側の裁判戦術 P106~

 気候もだいぶ暖かくなってきた6月20日ころ、検察官が本件公判廷に提出予定の証拠書類などのコピーが弁護人を通じて差し入れられた。私は渡眞利忠光がどんなことを言って贈収賄事件をでっちあげているかがいちばん気になっていたので、まずその関係部分の調書を読んだ。

 いやはやびっくりした。私の予想をはるかに超えていた。このでっちあげは渡眞利1人でできるものではない。でっちあげの内容がなかなかよくできている。いや、よくできすぎている。検事に誘導されながら、供述がなされたことは明らかだった。つまりこの事件は渡眞利と検事の合作なのだ。取り調べの担当検事をみると大坪弘道検事だった。私も知っている「優秀」な検事である。

 いくら「優秀」な検事が作文したとはいえ、しかし、その供述内容のほとんどが虚偽・虚構である。必ずほころびが出る。

 その最高の傑作は、私が勤務時間中にホテル「グランドカーム」でデート嬢の接待を受けたという一件である。

 検察が主張するストーリーは、大雑把に言うとこうだ。まず、渡眞利私の「検事としての力」(職務検限)を利用することを目的に、飲食などの饗応を繰り返し、私はその目的を知りながら接待を受け続けた。その際、私がデート嬢を世話するようにと要求したとして、検察は飲食はデート嬢の接待が「賄賂」にあたると主張している。

しかし、先に述べたように検察側の根拠は渡眞利の供述しかなかった(公判でも渡眞利供述以外の証拠は出ていない)ので、初後半でに何とか少しでも「まし」な話に仕立て直す必要があった。そんな通常では考えられない苦心の痕跡が、この「グランドカーム」の一件にくっきりと残っていたのである。

 

 ※続き『告発!検察「裏ガネ作り」』(検察側の裁判戦術)は、

2016/12/28(水)22:00に投稿予定です。 

 

告発! 検察「裏ガネ作り」


12月26日(月)のつぶやき

2016-12-27 02:22:17 | つぶやき

【フクシマ見聞録】福島には、親である自分の身は福島にとどめて、子を逃がした方が多くいる ※54回目の紹介

2016-12-26 22:01:24 | 【フクシマ見聞録】

1876to1945さんのツイート(2013年10月01日~)を順に紹介します。54回目の紹介

【フクシマ見聞録】

福島には、親である自分の身は福島にとどめて、

子を逃がした方が多くいる

Akira Tsuboi@1876to1945さん 2013年12月09日のツイートから


福島行-松江院長は言った。「それからもう一つはね、、えともう一つはね、
県が言ってきていることはね、チェルブイリでは甲状腺癌が出てきたのはね、
『事故以後五年ぐらいだ』と言うんですよね。

だけれどデータ見るとね、五年以内にもあるんです。
で、”事故後五年以後か”っていうことなんです。-

 

-「で考えてみるとですね、チェルノ’の事故というのは1986年なんですよね。
それでわたしがね超音波の仕事はじめたのが1980年ぐらいなんです。
で、その頃は今のような超音波の装置は”なかった”。

したがって、チェルノ’なんてソ連ですからね、
だから今よりももっと遅れているはずなんです-

 

-「だから、”1990年以前に”、そのね、小さな甲状腺癌を発見する手段が
”まったく無かった”。

なので五年間に、あの、、甲状腺癌が発生して、
その後、見つかってきたのが1991年とこうこれ言ってるんですよね、
だけどね1991年の頃ってね、わたし”装置は無かった”と思う。-

 

-「それじゃどうやって見つけたかというと、もう触って、
誰が触ってもわかるぐらいの大きな癌、これどのくらいの大きさかというと
2センチ3センチ以上なんです。

それではじめて発見されたん”だろう”と思うわけですよね。

で、その1991年ころに、日本人もね、けっこう行ってるんですよ。-

 

-「で超音波の装置持ってなんたらかんたらとか言ってるんですが、
どんな装置をもってねやったのか、これはまったく分かりません。

だけれども、いまあの報告されている記録にもどるとね、
1991年”以後”なんです、日本人が行っている、検査したのは。
ということはどういうことかっていうと、-

 

-「チェルノ’の事故があって、事故があって、
”事故があった以後5年間は何もない”ということなんです、データが。ね

。で、”にもかかわらず”、チェルノ’では五年間癌が発生していないから、
今福島で癌が発生したのは二年以内だから、あるいは放射線と関係がないなんて、-

 

-「まったくねわけのわからない論理としか思えない。

だからね、あれも”ゆるせない”とわたし思うんですよね。

で、まあそういうような、、で、わたしはですね、これ、、もう一枚、、。
そのA2判定というのを異常がない、というところの枠に入れてるのは
絶対これわたしは”間違え”だと思うんです。-

 

-「だから、A2判定はA2判定でいいけれども、これはね、
”精密検査を要するものである”。

それからAのなかのA1は全く異常がない、これはいい。

だけれどA2判定も、これは精密検査を”要する”というね、
くくりにすべきなんですよ。

だから、それをそういう姿勢はないと言っているものを-

 

-「まったく間違えだとわたしは思う。
それでまあ、もうだんだん時間がなくなって来ましたが、
まああの、われわれ診療所はさっき最初に言いましたけれども、

あの、、タダ働きで医者も一生懸命やっています。

で、できるだけ、みなさんがたの、、、
なにしろね日本全体が医療の不信ですからね。-

 

-「だからその、不信のなかで、われわれの医療は
”安心してください””信頼してください”ということを、
みなさんがたに”納得できるようなことを”
これからも続けてゆきたいと思います。

それからとくに、被曝との問題なんていうのもこれはね、そのね、、-


-「あらかじめ隠そう隠そうというふうじゃなくて、
”実際に起きた”んですから、ね。

起きたことに関する問題は問題として、追及しなければいけませんけれども、
”現実に起きて”、まあ生活している、
で、それをね、隠したところで”どうしようもないじゃないですか”。-

 

-「で、むしろ、隠さずに、こう、、、。そもそも原発作ったこと自身がね、
だって”隠しようがないじゃないですか”そんなものは。

そもそもおそろしい物造ったんだから、造った物は隠しようが
ないんだから今ある事故のね、

(事故に)よって起きていることを隠したってどうしようもないんで、-

 

-「それをどうするかという事を真剣に国が考えるべきだと思うんですよね。
で、それはそうとして、で我々は診療所としてですはね、

まあ皆さん方のお子さんを抱えているお母さんたちに、
まあ非常に不安だと思うんですね。

で、お子さんの事だけ考えてますけどね、大人の方がこういうセリフを言うんです-

 

-「『いまわたしは被曝しているかもしれない。
健康障害があるかもしれない。

だけど、もう先は短いからわたしたちはいい、
こどもだけなんとかしてくれ-』まあ、それはそうなんです、

日本の未来考えたら。だけどもおとなだって今必要じゃないですか、ねえ、-」
松江医師の言葉はここで緊張をゆるめた-

 

-”おとなだって、健康に生きてゆくべきだ-。

”松江院長は、こんな当たり前のことを言ったのだった。
福島には、親である自分の身は福島にとどめて、子を逃がした方が多くいる。
先日福島で話を伺った方もそうだった。
その方自身、甲状腺に異常を抱え、目を痛めた。-

 

-充血した術後間もない右目で、3.11から現在にいたる
その方の経緯を語ってくれたのだが、
やはり、異常事態に際した心構えを前提に持たれていた。

子供だけは-。言葉にすればそんな悲愴ともいえる心持ちには、
自分自身を守ることが脇に置かれている。
その悲壮さを、やわらかく自然体にする-

 

-そんな深い包容が院長の口調に現れていた。

福島の別の方は、保険会社の人間から直接福島で乳癌の増加傾向を確かめていた。
その肩の同僚も、診療所で甲状腺を見てもらうと、
その幾人かのほぼ全員に異常があったと言った。

福島で放射線に気を使う方はおそらく、現実には多数ではないように思える。-

 

-だが、そんな大人たちも同じく、今後何が起こるか
分からない状況にいることはかわらない。

松江院長の話は、ともすれば俎上から前提として
外されてしまっている大人の身に目を向ける内容だった。

「べつに大人の健康をきちんと管理してゆく、
それはもう”ぜったい”必要なことなんで、-

 

-「そういうことも、まあわれわれ、微力ですけれども、
まあこれからも一生懸命やってゆきたいと思っています。

まあ、、よろしくお願いいたします。」

松江院長がそうして発言を終えると、会場から拍手が挙がった。
松江院長の発言は以上だった。これ以下でも以上でもない。-

 

-自分が丸木美術館でのイベントを設けた際、とある移住支援団体の方は
「松江院長も中核派と認定しています。」と拒絶した。

現在存在しているこどもの保養支援団体は、やはり
ふくしま共同診療所とは関わりをもたないことを方針としている。
そのために、診療所を通じた避難、保養は進んでいない。-

 

-避難と保養を同じように掲げながら、避難保養団体の輪から外されて、
なかば取り残されている状態にちかい。つくづく、不毛だと思う。

診療所が診察した超音波検査が、三件、福島市医師会により
保険適用として認められなかった話を先日聞いた。

松江医師は市の医師会に事務の方と乗り込んで-

 

-その事情を確かめたという。ことを荒立てないように、
慎重に慎重を期するように周りから言われていたのだが、

そのあまりにまっとうなことの通じぬ人間を前にして、
松江医師は怒りを発した、という。

これも、探っても伝わってこないレベルの話だ。
こうして苦闘している医師もいることを、-

 

-知っていただきたい。彼、および彼らがとりのこされている現実というものも。-

 

詳しくは知らないが、特定秘密保護法というのは、
法律の施行以前の言動もさかのぼって処罰を行うものだと聞いた。

おそらく、3.11後福島に(福島だけではないが)向かい、
現地の実態を聞き調べている方にとっては、
以前のつぶやきに書いたように”すでに”福島がこの法律の目指す社会に-

 

-足を踏み入れていたことはご存知のことと思う。

(秘密にする、って、もう秘密になっていただろう)という
感慨をもたれる方は多いのではないか。

それが一歩を歩を進めて逮捕対象になる、というところが悪化なのだが、
遡上して処罰されるのならば、処罰対象に自分がすでに入っている、このことは-

 

-もう不動の事実になっている方もおられるように思う。

結局、そうした方にとっては、実はこの法律をめぐる喧騒にも
凪のような感覚をお持ちなのかもしれない。

(なんだ)(自分がやることは、ぜんぜん変わらないじゃないか-)

福島の方もこうした感覚を実際にお持ちだった。
この法律の直接の被害者が-

 

-実は自分にはあまりはっきりと見えていない。

おそらく、日本の兵隊なのだろうと思う。
兵として存在しながら、原発で働く作業員のように人知れず、
顧みられずに処理されてゆく。酷い話だとおもう。

そして、ある意味で曖昧な場所に身を隠しながら声を挙げていた多くの方が、
恐れから口を閉ざしてゆくこと、
行動に参加することをためらうようになることが、懸念される。

 

 ※次回に続く

 2016/12/27(火)22:00に投稿予定です。 


【告発!検察「裏ガネ作り」】新聞や週刊誌などの定期刊行物の購読が禁止されていたのは「証拠隠蔽の恐れがある」という理由だった ※45回目の紹介

2016-12-26 22:00:47 | 【告発!検察「裏ガネ作り」】

*『告発!検察「裏ガネ作り」著者 三井 環 を複数回に分け紹介します。45回目の紹介

口封じで逮捕された元大阪高検公安部長の「獄中手記」~

----------------

**『告発!検察「裏ガネ作り」』著書の紹介

6 異常な取り調べ P103~

 新聞、雑誌を読めるようになって、少しは人間らしさを取り戻した気になる。新聞は朝ゆっくりと1時間くらいかけて読む。どうせ何もすることはない。週刊誌も隅から隅まで読む。文庫本も週3冊まで読める。文庫本もだいぶ読んだ。

「週刊朝日」副編集長の山口一臣氏から歴史小説の差し入れがあった。楽しく読ませてもらった。ウーロン茶の差し入れも何人かからあった。独居房に長くいるとそういうささいなことが本当にうれしいものである。人の温かみを感じる。感謝したい。

 それまで新聞や週刊誌などの定期刊行物の購読が禁止されていたのは「証拠隠蔽の恐れがある」という理由だった。新聞を読むことと罪証隠滅と、どういう関係にあるのかよくわからない。とくに私の事件の場合は、どんな関係があるのだろうか。よくわからないことをするのが裁判官だとつくづく思った。やはり何年から弁護士を経験した人の中から裁判官を選任する法曹一元化がいいのだろうか。自分が勾留されて初めて思う。

 ところで、接見禁止が一部解除されたといっても、まだ弁護人以外の人との接見はできない。家族ともダメである。衣類の差し入れなど、日常的なこともすべて弁護人を通じなければならない。とにかく生活のすべてが煩雑だった。

 サッカーのワールドカップも楽しみにしていたのに、残念だ。プロ野球は阪神ファンで、ある。昨年(平成13年)は頑張っていた。その前の年は甲子園球場に5、6回は行った。娑婆にいれば、それ以上、行ったであろう。もちろんテレビはないし見る機会もない。まれにプロ野球のラジオ放送があった。しかし午後9時にはその放送も打ち切られ、明かりも滅灯されて就寝しなければならない。未決収容者は7時30分起床、7時40分点検、8時朝食、12時昼食、16時30分夕食、16時50分点検、17時30分仮就床となっている。毎日、同じ日課である。変わることのない日々が何日も何日も続いていた。

 

 ※続き『告発!検察「裏ガネ作り」』(検察側の裁判戦術)は、

2016/12/27(火)22:00に投稿予定です。 

 

告発! 検察「裏ガネ作り」


12月25日(日)のつぶやき

2016-12-26 02:22:10 | つぶやき

12月24日(土)のつぶやき

2016-12-25 02:19:43 | つぶやき

12月23日(金)のつぶやき

2016-12-24 02:20:54 | つぶやき

12月22日(木)のつぶやき

2016-12-23 02:21:13 | つぶやき

12月21日(水)のつぶやき

2016-12-22 02:19:17 | つぶやき

【フクシマ見聞録】”数万人”いるんですよ、A2判定が。5ミリ以下の癌で落とされている子どもが、”相当いるんじゃないか” ※53回目の紹介

2016-12-21 22:15:59 | 【フクシマ見聞録】

1876to1945さんのツイート(2013年10月01日~)を順に紹介します。53回目の紹介

【フクシマ見聞録】

”数万人”いるんですよ、A2判定が。

5ミリ以下の癌で落とされている子どもが、”相当いるんじゃないか”

Akira Tsuboi@1876to1945さん 2013年12月05日のツイートから


福島行-松江院長は言った。「-それで、福島県でやっている検査に関して、
まあいくつかここにありますが、わたしが一番言いたいのは、
あの、、、超音波検査のですね、その診断、その基準なんですね。
ABCとあるんです。それでAというのは、『異常がない』。-


-「Bというのはその、『癌が疑わしい』。Cというのが
『かなり(癌であることが)つよく疑わしい』、こういうことなんですね。
ところが、Aは”急がない”と言ってるんですが、じつはAのうち、
A1とA2と分けている。で、A1は『まったく異常がない』。
まったく異常がない。-

 

-「A2というのが”これが”問題なんです。

(スクリーンに各判定、その基準が示される書)A2と言っているのはここに、、、ある。

あの、”5ミリ以下の結節”、『結節』というのはちょっとした塊のことです。
か、”『または』”『2センチ以下の嚢胞』。いいですね。-

 

-「だから『5ミリ以下の結節、2センチ以下の嚢胞は異常はないと”する”』というんです。

なので、お母さんたちがですね、報告書を県から送られてくるんですね。
つまり『A2判定。』とこう来るわけです。
『ただし精密検査、二次検査を必要と”しない”』とこう書いてあるんです。-

 

-「そうすると、異常があるのに(なんで、二次検査精密検査を必要としないんですか)
という疑問はとうぜん起きるじゃないですか。
で、そういう疑問でお母さんたちが私たちのところへ相談に来られるわけです。

”異常があるのに無いと言って、検査が必要ない、って一体どういう事なんですか”-

 

-というはなしになるんです。で、ところがその、A2判定って言ったって、
『5ミリ以下』で、しょう?ねえ、、。2センチ、、、。

それでその、だいたいこどもの嚢胞で2センチって”無いです”。

あの、、ここへ来て、福島で検査しててね、
2センチ、2センチってけっこう大きいですよ。-

 

-「2センチの嚢胞もってる子なんて””一人もいません””。
だから、そういう2センチというところで決めている訳が、
おそらく”大人”だと思うんですよね。
大人にはいます、2センチ3センチ持ってる方が。
だから、大人を基準とした判定基準だろうと思うんですよね。-

 

-「だから、こどもにはまったく当てはまらない。

それからもう一つは、さっきもちょろっと言いましたけれどもね、
その18例の癌のうち、一番小さいのは5.2ミリなんですよ。

だから(4.9ミリっていうのはどうなの)っていう話なんだが、
それは”ぜんぶ、無視”ってことでしょう。--

 

-「だから、””こんなばかな話ない””と思う。

だから、あの、、、まあわ、わたしはね、あの、、、
(自分の専門を口外するときには常に恐縮するようになる)
超音波の専門をしてて、まあほかのことも色々やってますけどね、
”こんないい加減な判定基準なんてほかの癌には”無い”ですよ”。-

 

-「だから、こういう判定基準でやっているその、、県の考え方、
あるいは福島医大っていうのは”いったいなに考えてんの”という話になる。

で、そんなことやってたら、5ミリ以下、小さなね、、
その癌を”完全に見落としている”、ということになるんです。-

 

-「だから本来ならば、その、、18例の甲状腺癌が発見されたと言ってるけれども、
だけれども、A2判定として、『外された』ところの中にこれはもう、今20万かな、
30万ちかくと言われてるんでしょ、で、
その中にA2判定っていうのがあの、、えーとね、、。-

 

-「きょねん、去年までの症例ではね、”数万人”いるんですよ、
A2判定が。ちょっと数字がね、数字が今出てこないんだけれども。

で、っていうことは、そのね”5ミリ以下の癌で落とされている子どもが、
どれだけいるのか”まったく分からない。たぶん”相当いるんじゃないか”と、思う-」-

 

-松江医師の話はつづく。繰り返すが、超音波の専門家ならば誰しもが、
現在行われている公の調査の異常性に気づくのだろう。気づいているのかもしれない。

だが、こうしてそれを一般にむけて語りかける医師が現実に何人いるか。
ふくしま共同診療所の医師達は6人。北海道癌センターの西尾医師。-

 

-2013年の段階で、全国の医者の数は29万5049人と言われている。

公の調査に声をあげている上述の医師たちは、
医師全体の0.002%という数になる。

99.998%が、その異常性に気づきながら声を上げぬか、
知らぬ、という状態にあるのだろうか。-

-いずれにしろ、自分は、その0.002%の声を書いていることになる。
雑踏の中で落とされた針の音。-

明日、福島へ向かうかもしれない。体調が問題なければ、だが。
某所をたずねる。明日、あさっては呟けない。

国会第二議員会館前。特定秘密保護法採決反対の人間が集まっている。
抗議行動の総決算、の感じがある。えらい人が来ている。

 

 ※次回に続く

 2016/12/26(月)22:00に投稿予定です。