付け焼き刃の覚え書き

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「幼女戦記8」 カルロ・ゼン

2017-09-22 | 架空戦記・仮想戦史
「勇者というやつは、必ず死ぬのだ」
 それが勇者の定めだとターニャ・デグレチャフ中佐。

 参謀本部は戦争を終結するつもりだったが、戦勝に浮かれる政府と国民は徹底的勝利を望み、常識も良識も押し切られた。ゼートゥーア中将は査察を名目に前線へと送られ、連邦資源地帯への大規模攻勢作戦『アンドロメダ』が発動する。
 しかし、連絡線は先細り、兵站網は破たん寸前。ここで無様に負けて国を滅ぼすわけにはいかないと、ゼートゥーア中将はターニャが指揮するレルゲン戦闘団へ退却の許されない篭城戦を命じた。
 人材、食糧、砲弾、すべてが不足したままであったが、囮となって敵を引きつけろというのだ……。

 自分のいない、知らないところでどんどん実績が積み上げられていくレルゲン大佐です。
 かなり端折って語られたウェブ版に対して、しっかり書き込まれる書籍版ですが、書けば書くほど敵は強大に味方は脆弱になり、読んでいて「辛いねえ」と親子の感想です。
 この大戦争における台風の目であり、要であり、敵対する勢力すべてにとって憎悪と恐怖の対象でありながら、ターニャ・デグレチャフという主人公はあくまでトリックスターに過ぎないのです。

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