「役者は、人間なんだよ。役者は、人間をやるんだよ。人間って、今言ったようなものでできているようなもんでしょ。エゴとかプライドとかって、最も人間臭い、人間の嫌らしさと崇高さと矛盾を含んだ部分だよ。そういったものがない役者が人間をやったって、ちっとも面白くないでしょ」
芹澤泰次郞は佐々木飛鳥という役者は技術と反射神経は卓越しているけれど、自我とかエゴとか自尊心や羞恥心がないという。
幼い頃から舞台に立ち、華やかなオーラを身にまとって天才の名をほしいままにする東響子。その響子に、プロデューサーである芹澤泰次郞が、次に制作する舞台の主演女優を選ぶオーディションの相手役を依頼してきた。芹澤はもう70近いが、特定の組織に属さず、自前で資金を確保し、気に入った作品を納得いくまで作り込んだ上で配給までおこなう伝説の映画プロデューサーだが、今度は舞台に挑むというのだ。
そのオーディションにはベテラン女優から新進気鋭の若手まで一流の役者が参加するのだが、その中に大学で芝居を始めたばかりの華奢で地味な少女が混じっていた。彼女の名前は佐々木飛鳥。飛鳥こそ紛れもない天才だったのだが、彼女自身にはその自覚はなかった……。
2023年、角川文庫の夏推しキャンペーンでは、本屋のカリスマ店員さんが描いたポップのようなデザインを帯にして登場しました。右がオリジナルの表紙。
読んでいて「ガラスの仮面みたい」と思っていたら、あとがきにそんな話を書きたかったのだと書いてあって納得。はい、マンガを最初に読んだときみたいに、役者たちの丁々発止の駆け引きにわくわくさせられました。
劇団が舞台だとか映画製作がテーマの作品は、そこで演じられる作品そのものの魅力と、大勢が集まって1つのものを作り上げるメイキングの面白さと、役者からスタッフまでその裏で繰り広げられる丁々発止の駆け引きや入り組んだ人間関係の3つの醍醐味が味わえるんですが、これはまさにそのもの。かなり厚めですが、オーディションに決着が付いて、脚本家が芝居のタイトルを思いつくまで。
【チョコレートコスモス】【恩田陸】【谷崎茜】【鈴木久美】【角川文庫】【興奮と感動の演劇ロマン】【W大学法学部】【空手】【11人いる!】【真夏の夜の夢】
芹澤泰次郞は佐々木飛鳥という役者は技術と反射神経は卓越しているけれど、自我とかエゴとか自尊心や羞恥心がないという。
幼い頃から舞台に立ち、華やかなオーラを身にまとって天才の名をほしいままにする東響子。その響子に、プロデューサーである芹澤泰次郞が、次に制作する舞台の主演女優を選ぶオーディションの相手役を依頼してきた。芹澤はもう70近いが、特定の組織に属さず、自前で資金を確保し、気に入った作品を納得いくまで作り込んだ上で配給までおこなう伝説の映画プロデューサーだが、今度は舞台に挑むというのだ。
そのオーディションにはベテラン女優から新進気鋭の若手まで一流の役者が参加するのだが、その中に大学で芝居を始めたばかりの華奢で地味な少女が混じっていた。彼女の名前は佐々木飛鳥。飛鳥こそ紛れもない天才だったのだが、彼女自身にはその自覚はなかった……。
2023年、角川文庫の夏推しキャンペーンでは、本屋のカリスマ店員さんが描いたポップのようなデザインを帯にして登場しました。右がオリジナルの表紙。
読んでいて「ガラスの仮面みたい」と思っていたら、あとがきにそんな話を書きたかったのだと書いてあって納得。はい、マンガを最初に読んだときみたいに、役者たちの丁々発止の駆け引きにわくわくさせられました。
劇団が舞台だとか映画製作がテーマの作品は、そこで演じられる作品そのものの魅力と、大勢が集まって1つのものを作り上げるメイキングの面白さと、役者からスタッフまでその裏で繰り広げられる丁々発止の駆け引きや入り組んだ人間関係の3つの醍醐味が味わえるんですが、これはまさにそのもの。かなり厚めですが、オーディションに決着が付いて、脚本家が芝居のタイトルを思いつくまで。
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