付け焼き刃の覚え書き

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「異世界刀匠の魔剣製作ぐらし4」 荻原数馬

2024-07-11 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
「俺は今、この世の全ての職人を代表して言っています。納期、予算、技術、職人の都合、そうしたものを無視して仕事を取ってくるな!」
 相手が歴戦の勇士グエンであっても、刀匠ルッツは許さない。

 停戦の条件のひとつである連合国との交易があまり伸びていないらしい。それはルッツたちには直接関係のない話だが、それで不利益になるのは退役軍人を集めて開拓をしている王女リディアだ。政治的立場としても、開拓のための資金調達としても喜ばしくはない。ならば商人が自分の仕事として連合国に行商で赴いて滞っている理由を調べるのはよかろうと、同じ女のクラウディアが動き出し、それならばとルッツたちも付いていくのはやむを得ない。
 行ってみて分かるのは、結局相手方の諸部族の都合だということ。そして、その状況をなんとかしようとしていくうちに、なぜかルッツがある部族に伝わる古の魔剣を打ち破るための魔剣を打つことになっていた……。

 刀作りの職人たちの物語。前半は国境地帯の連合国での魔剣狩りで、結末は即物的な婚姻事情に。後半は伯爵領内に出没する通り魔の事件。ルッツの作った刀剣を狙う通り魔が巡回騎士を次々に殺害したところから二転三転、ルッツが伏し拝まれ、ひょっとこ仮面も登場する展開となります。
 過ちを償う機会が与えられ、きちんとそれに応えられるというのは有り難いことです。「生きていれば、いつか必ず挽回する機会も訪れよう」が今回のテーマ。人々に幸あれ。

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コメント
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