「賢者の孫」 吉岡剛

　書いたはずの１巻感想が見当たらないので再記。

　事故で死んだはずの青年シンが、何の因果か赤ん坊の姿で異世界に転生し、山奥で老人に育てられ、すくすくと成長した。ある日、彼は気づいてしまう。育ての親とも言うべき老人は、
　しかし、15歳になった年に彼が教えられたのは、育ての親の老人は、救国の英雄「賢者」マーリン・ウォルフォードであり、魔導具の作り方を教えてくれたメリンダばあちゃんはやはり救国の英雄「導師」メリダ師、それだけでなく彼に武器の使い方を教えてくれたミッシェルさんは前の騎士団総長で、ちょくちょく遊びに来ていたディスおじさんはこの国の国王だった。世間から隔離されて育ったシン・ウォルフォードは、いわば前世の記憶に加えてとびっきりの英才教育を施されてきたのだ。
　しかし、その後に及んでマーリンは致命的な問題に気がついた。彼はシンに、常識とか自重とかを教えるのを忘れていたのだ……。

　田舎から都会の学校に出てきた少年が、剣でも魔法でも匹敵する者がいないバケモノで、それでいて世間知らずの自重知らず。自重は知らなくても、他人への敬意とか優しさは知っていて良かったねーというという学園コメディ。
　物語的にはラブコメになるんで、チート過ぎてもハーレムにならないのが良し。

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