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ドイツ・ヒトラー政権時代 ユダヤ人大量殺戮政策をめぐる日本語文献

2017年06月07日 | ドイツ国会議事堂炎上・ヒトラー

 

          ▲ 単行本中心のユダヤ人大量殺戮政策をめぐる日本語文献の一部 中東史も含む

 

 

ドイツ・ヒトラー政権時代 ユダヤ人大量殺戮政策をめぐる日本語文献

 

ドイツ・ヒトラー政権時代 ユダヤ人絶滅政策をめぐる日本語文献 外国語からの翻訳は以前からあったのだが、『マルコ・ポーロ』廃刊以降は、日本人によるユダヤ人絶滅政策について文献が増加したような印象があったそれは実際本当だったのか。まだ収集途上で細々と集めているので、ユダヤ人絶滅政策をめぐる論争の焦点が何なのか私にはまだ皆目分かっていない。始まったばかりの櫛欠状態であるが、整理しないと展望できないので現時点の通時的な文献の一覧を私的に作ってみたい。

 

▲中心部の縦の仕切り板より右側上下2段がユダヤ人大量殺戮・ホロコースト問題、ユダヤ人・イスラエル関連

 

1947年 7月 『ニュルンベルグ裁判記録』 時事通信社 

1969年 1月 イスラエル大使館編 『イスラエルという国』 イスラエル大使館

1972年 9月 ルドルフ・ヘス 片岡啓治 訳 『アウシュヴィッツ収容所 所長ルドルフ・ヘスの告白遺録』 サイマル出版会

1973年 ダヴィット・ベングリオン 中谷和男・入沢邦雄訳 『イスラエル誕生の記録 ユダヤ人はなぜ国を創ったか 建国の父ベングリオンの回想録』 サイマル出版会

1987年 12月 ウォルター・ラカー 高坂誠 訳 『ユダヤ人問題とシオニズムの歴史』 第三書館

1992年 1月 ヤド・ヴァシェム ホロコースト記念館制作 『ホロコースト』 イスラエル大使館広報室

1994年 4月 滝川義人 『ユダヤを知る事典』 東京堂出版

 

1995年 1月17日 『マルコ・ポーロ』 誌発行、西岡昌紀 「ナチ・『ガス室』はなかった」 


1995年 6月 木村愛二 『アウシュヴィッツの争点』 リベルタ出版

1995年 6月 クロード・ランズマン 高橋武智訳 『ショアー』 作品社 

1995年 6月 鵜飼哲・高橋哲哉編著 『『ショアー』の衝撃』 未来社 

1995年 7月 ピエール・ヴィダル・ナケ 石田靖夫 訳 『記憶の暗殺者たち』 人文書院

1995年 11月 ティル・バスチャン 石田勇治・星乃治彦・芝野由和 訳 『アウシュヴィッツと<アウシュヴィッツの嘘>』 白水社

1996年 8月 マイケル・ベーレンバウム 芝健介監修 石川順子・高橋宏 訳 『ホロコースト全史』 創元社

1997年 3月 栗原 優 『ナチズムとユダヤ人絶滅政策・・・・ホロコーストの起源と実態』 ミネルヴァ書房

1997年 6月 西岡昌紀 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』 日新報道 

1998年 9月 ロジェ・ガロディ 木村愛二訳 『偽イスラエル政治神話』 れんが書房 

1999年 12月 『ジャーナリズムと歴史認識 ・・・・・ホロコーストをどう伝えるか』 凱風社

            執筆者 梶村太一郎、金子マーチン、本多勝一、新美隆、石田勇治

2001年 1月 永岑 三千雄 『独ソ戦とホロコースト』 日本経済評論社

2003年 8月 永岑 三千雄 『ホロコーストの力学・・・・独ソ戦・世界大戦・総力戦の弁証法』 青木書店

2004年 1月  ヴォルフガング・ベンツ 中村浩平・中村仁 訳 『ホロコーストを学びたい人のために』 柏書房

2005年 5月 中谷 剛 『アウシュビッツの博物館案内』 凱風社 

 

2006年 10月 木村愛二 『ヒトラー・ホロコースト神話検証』 木村書店

2008年 1月  高橋正男 『物語 イスラエルの歴史』 中央公論社 中公新書1931

2008年 4月  芝 健介 『ホロコースト ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌』 中央公論社 中公新書1943

2009年 4月 臼杵 陽 『イスラエル』 岩波書店 岩波新書赤版 1182

2015年4月 『ニュルンベルク裁判』 A・ヴァインケ 板橋拓己 訳 中央公論社 中公新書2313

2015年 11月 ヴァンゼー会議記念館 山根徹也・清水雅大 訳 『資料を見て考えるホロコーストの歴史』

 サブタイトル 「ヴァンゼー会議とナチス・ドイツのユダヤ人絶滅政策」 横浜市立大学新叢書08 横浜市立大学学術研究会 制作・販売 春風社

 

日本人によるナチス政権時代のユダヤ人大量虐殺問題の論究は、西岡昌紀、木村愛二がその著書で指摘していたように、欧米における1980年代のホロコースト論争があったことをふまえると、日本人研究者は、その論争の片方だけを通説として紹介してきた経緯があるようだ。

栗原優、永岑三千輝、芝健介、石田勇治らのホロコーストをめぐる著作も、1995年の西岡昌紀、木村愛二の提起以降に本格化する。

それは、なぜなのだろうか。

西岡昌紀、木村愛二らによれば、欧米における、1970年代~1980年代の論争が日本では抜け落ちていたと著書に記していた。それは本当だろうか。?私が今のところ入手した単行本からは、その傾向があるように思う。ホロコースト特にガス殺再検討論は全く読むに値しないネオナチ言説だったからなのか。

私は、9.11以降の巨大事件、政治言説はまずかっこに入れることにした。

そうすると、20世紀の事実とされるものも、科学的・合理的言説の検証を通して通説になっているのか不安が残る。やはり、自分が納得するまで考えてみたい。

それは重く、長い問いかけになりそうだが、「一度はすべてを疑って」視るという、歴史学の基本的態度から、考えねばと思う。

『ホロコースト大事典』、『ホロコースト歴史地図』、『ヨーロッパ・ユダヤ人の絶滅』という大著を座右に置いて参照できないのが残念なのだが、まずは出発してみよう。

ドイツ・ヒトラー政権は文書であれ、口頭であれ、暗号であれ、いつ、どのような方法で、ドイツ第三帝国の広大な地域に「ユダヤ人絶滅」を伝達したのか?

それは、前から言われていたヴァンゼー会議からなのだろうか。

あるいは、ソ連との戦線膠着状況、食料不足、食料現地調達主義、ポーランド・ゲットー反乱などからくるなし崩しの抹殺が始まっていくのか

単著によるものでは、「ガス殺」見直し論者の西岡昌紀・木村愛二が、欧米の70ー80年代ホロコースト論争を読みながら、著作を準備していたのに対して、ドイツ現代史、フランス現代史領域の研究者は、ドイツファシズムの関心領域は違っていて、ホロコーストの具体的実相の解明については寝耳に水というか、1995年の西岡昌紀・木村愛二の論説の発表からこの分野の研究に接近したような痕跡があるのではないだろうか。

私の調査不足だけならいいのだが。

研究者は、ホロコースト見直し論=ネオ・ナチ極右言説という、歴史研究者らしからぬ「先入観」を少しばかり宿してはいないだろうか

 

インターネットで入手できるホロコースト関連の論文など


PDFなどあるいは大学リポジトリー等入手できる論文など下記のようなものがあった。もっとあると思うが以下のものが入手できる。

2001  栗原 優    「ホロコースト研究の現状 拙著『ナチズムとユダヤ人絶滅政策』その後」 創価大学

2012  永岑三千輝  「ユダヤ人移送と特別処置ーヴァンゼー会議から1942年末までー」 横浜市立大学論叢人文科学系列 2012 vol.63-3

芝健介 「ホロコーストとニュルンベルク裁判」                        東京女子大学

芝健介 「ホロコーストと歴史学 ・・・ゴールドハーゲン論争のあとさき」        東京女子大学

芝健介 「ヒトラーの支配をめぐって ・・・カリスマ性の問題に関する研究覚書」   東京女子大学

 

加藤一郎 「第二次大戦における歴史的修正主義の現況 (その1)          文教大学

       ・・・・・・・論点1 ドイツははたして「侵略国」であったのか・・・・・・

加藤一郎 「第二次大戦における歴史的修正主義の現況 (その2)          文教大学

       ・・・・・・・ホロコースト論争 (ダッハウ収容所のケース)・・・・・・・

加藤一郎 「第二次大戦における歴史的修正主義の現況 (その3)          文教大学

       ・・・・・・・プレサック論文「アウシュヴィッツでの大量殺人装置」        

加藤一郎 「第二次大戦における歴史的修正主義の現況 (その4)          文教大学

       ・・・・・・アーヴィング対リップシュタット裁判より・・・・・・・・

加藤一郎 「第二次大戦における歴史的修正主義の現況 (その5)          文教大学

       ・・・・・・再考:プレサックの「犯罪の痕跡」・・・・・・・・・ 

    

なお、日本でのホロコースト再審論のデータベースが、下のホームページにある。最近では更新が止まっているようではあるが。閉鎖・削除されないうちに情報入手を薦める。

多岐にわたるホロコースト関係の大量の情報があるので参照されたい。私は、下記にある論考のすべてよしとして容認するものではないが、言論の自由・表現の自由と言っておきながら、再審論を頭から無視して研究するのでは歴史の研究とは名ばかりで、「ナチス・ヒトラー時代の焚書」とどう違うのか大いに危惧する。

フランス・ドイツ・オーストラリアなど、ホロコーストに関する研究発表など、法と、過激シオニストの恐怖で亡命を余儀なくされている現況もある。内心の自由・心では思ってもよいが、公共の前では、思想信条を訴えることができない啓蒙専制君主時代に回帰したような欧州世界がある。

ホロコースト論争の論文データベースはここ▼

                    http://revisionist.jp/

 

つづく

 



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