グレートノーザン鉄道

アメリカのグレートノーザン鉄道の実物(歴史、資料等)と鉄道模型(HO:レイアウト、車両)に関するプログです。

「Wood's Book」翻訳:第3章 カスケードを越えて (その5)

2005年07月22日 | Wood's Book翻訳
 カスケード山脈は、比較的若い山脈で、カナダから北カルフォルニアまで約700マイルにわたっている。スティーヴンズ峠は、合衆国にまたがる最大の山岳自然保護地域である北カスケードとして知られる広大な原始的地域の南側の境界に位置する。カナダ国境から、スティーヴンズ峠の南約30マイルのスノクォルミー峠までの間に、7,000~9,000フィート級のピークが288存在する。ここには、500以上の氷河があり、100平方マイル以上が氷河に覆われており、これは、アラスカを除く他の50州の氷河面積合計の3倍にあたる。カスケード山脈は、二つの気候帯の境界線となっている。一つは、ポンデローザ松等の針葉樹林と草原となっている東側の乾いた気候、もう一つは、巨大なベイマツがびっしりとはえた、湿って温和な西側の気候である。
 東側では、空気も乾いており、温度も厳しく、冬の間は零度以下になる期間も長い。西側では、10月から4月にかけて継続的に雨が多く、1,000フィート以下では滅多に雪は降らない。高い標高でも、温度は零度以上に上がりやすく、雪はとても重く不安定なものとなる。
 1880年代の技術による当時の調査では、カスケードを超えることはほとんど不可能とみなされていた。このため、NPは当初の路線をコロンビア川峡谷からオレゴン州ポートランドに出てそこから北に向かいピュージェットサウンドにいたることとしたため、200マイルも遠回りをすることとなった。この恐るべき土地を通り、GNは、びっしりと生えた、非常に価値のある、カスケード西側の森林へのアクセスを得るため線路を伸ばしたのである。当時、材木のほとんどは、パイオニアのNPや多数の幌馬車で海岸沿いに運ばれていた。更に、急速に成長していた太平洋岸東北部全体にとって、追加的な重量高速陸上輸送手段が非常に必要とされていた。
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