こんなアングルでKWM-2Aのコピーを自作された写真がCQ誌の表紙を飾っていた事がありましたね、方向が逆だったかもしれません、1969年の11月号でしたでしょうか。
このKWM-2Aは製造番号と水晶とIFTの刻印から、1970年の製造で1971年の出荷と読めます。
このKWM-2AはまだY型のメカニカルフィルタが装着されている時代のものです、FA-21に変更になったのはこの直ぐ後の事でしょうか。
シャーシの上からだとストロボがスラグチューンの陰になって撮影できないのでシャーシの裏側から撮影しました。
裏側はおなじみのゴチャゴチャですが、これでもグリッドの引き回し一つでも吟味していると言うことです。
本体が軽いので気軽にケースから出し入れが出来ますが、私がやるのは恐れ多いですね。
しかしちょっとのめり込み過ぎです、昨日のお休み等は温泉に行く以外はKWM-2Aで遊んでいました、まるで新しいオモチャを与えられた子供状態です。
KWM-2Aの実用性を考えて見た。
40年前のRigである、オール真空管、50年前の設計としてはすばらしい芸術品に近いだろう、同年代の国産の機械と言えばFTDX-400が1967年、TS-510が1968年である。
しかし造りの良さなどは比べ物にならない、いや国産機だって負けていない部分もある、立派なダブルギアのダイヤルなど日本製ならではだと思っている。
しかし、これらの国産機のいったいどれだけが実用状態で存在するのであろうか、KWM-2Aは多くの固体が実用可能な状態で存在している(それだけマニアが多い?)
ではKWM-2Aを実戦機として考えてみた。
真空管であるので発熱を何とかしなければならない、ファンを2基内蔵するキットも有る様だ。
RITが無い、これは致命的、皆さん確実にゼロインして呼んでくれるわけではない、最新鋭機でもオペレータは人間です、多くの人が明らかにズレて呼んでいます。
CWフィルタが無い、一時期CWフィルタを内蔵する改造を行ってくれるところが有ったようだが今は中止している。
しかし、CWのおトーンは自然で綺麗に聞こえる、濁った局は濁って、澄んだ局は澄んでありのままに聞こえる。
VFOの安定度、これは逆立ちしても今の普及機の足元にも及ばない、でもこれは気にしなければ気にせずにオペレートできる、ずれたと思ったら合わせれば言いだけの話、その時代としては十分に安定していると思う。
周波数の読み取り精度、当時としては画期的な1kHz直読、しかしこれも現代としては論外です。
混信除去機能が何も無い、それに比べてリジェクション・チューニングやCWフィルタが入る75S-3の方が遥かに使い道がある。
結論、何かに言ってもSSB専用と割り切って使えば現代でも立派に通用するトランシーバだと言うことです、さすがCollinsですね。
KWM-2Aでこれだけ楽しいのですからS-Lineだったらもっと楽しめる事でしょう、送信もしてみたいですね。