昭和30年代から昭和40年代初めにアマチュア無線を始めた方々にはお馴染みの真空管です。
この真空管は初級局の出力10Wに最適な真空管でした。
私の頃になると前出の6146系や2E26が使われており、既にこの真空管で新たな無線機を造る人はおりませんでした。
さてこの2本良く見ると内部の構造が違っています。
向かって左の807は電極の下部に袴と言われる金属の筒がリード線を取り囲むように取り付けられ、そこから2本の金属柱が全体を支えるように上に伸びています。
プレートと絶縁用の雲母版の間にセラミックと思われるスペーサーが設けられています。
もう片方の807にはそれらは一切ありません。
前者はNEC製、後者は東芝製です。
東芝製の箱には「通信用」と記されていますが、古い物なので箱と中身が同一とは限りません。
想像するに後者の807は「マツダ」から東芝が引き継いだ後の製品で性能に影響しない程度にコストダウンされた製品と思われます。
UY-807はPA用などにも幅広く使用されており、低周波で使用するならこの構造でも何も支障が無かったものと考えられます。
さて、このUY-807、今の私に何か活用する方法は有るのでしょうか。