名機と名高き八重洲無線のFT-101。
ファイナルとドライブ以外は半導体化した当時最高クラスのトランシーバです。
発売は1970年、以降数々のマイナーチェンジとモデルチェンジを繰り返しながら10年間販売され続けました。
小型で精悍なマスク、μ同調、発売当時はだれもが憧れた高価なトランシーバでした。
実は、その最高級トランシーバですが、私はあまり好きでは有りませんでした。
何故?
それは私が軽くクルクル回るギヤダイアルが好きだったからです。
TRIOのTS-510、511やJR-310のあのダイアルが好きだったのです。
FT-101のダイアルはボールドライブが入りねっとりとした手触りに感じました。
その他にダイアルの回転方向が逆、時計回りに周波数が上がるダイアルになれていたので、反対方向で周波数の上がるダイアルには違和感がありました。
これは八重洲無線の無線機全般に言える事でした。
それと受信音、了解度優先でヒステリックに鳴り響くFT-101よりも落ち着いたトーンで聞こえるTS-510の音の方が好きでした。
FT-101で聞く電信などはまるでブザーの様でした。
レストアで両機を分解する機会が訪れ、使っている部品の違いや、無線機としての考え方を理解しFT-101の偉大さを知る事のなるのは15年近くも後のことになります。