沖縄・台湾友の会

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トランプ復活へ備えは十分か 安倍晋三氏亡き後、制御不能の恐れ 

2024-01-29 09:55:20 | 日記
わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
                 頂門の一針 6761号 

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 トランプ復活へ備えは十分か
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【高橋洋一「日本の解き方」】トランプ復活へ備えは十分か 安倍晋三氏亡き後、制御不能の恐れ 


 米共和党の大統領候補指名争いの初戦となったアイオワ州で、ドナルド・トランプ前大統領が圧勝した。トランプ氏がこのまま大統領選の本選にも勝つ可能性はあるのか。もしトランプ氏が大統領に返り咲けば、日本にどのような要求をしてくることが考えられるだろうか。

 共和党の候補者争いでは、昨年3月ごろまではフロリダ州知事のロン・デサンティス氏がトランプ氏を追い上げていた。だがトランプ氏は独走状態となり、デサンティス氏は大統領選からの撤退を表明した。

 このまま、大統領選がジョー・バイデン大統領対トランプ氏の争いになったら、現時点ではトランプ氏が優勢と伝えられている。

 ちなみに、米国の政治情報サイト「リアルクリアポリティクス」の大統領選の「賭け率」は、トランプ氏が41・5、バイデン氏が30・0、その他28・5となった。昨年9月末にトランプ氏がバイデン氏を逆転して以降、差が拡大しており、トランプ氏が大統領に返り咲く可能性はかなり高まっている。

 トランプ氏は、徹底的な「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」だ。これはかつて「モンロー主義」と呼ばれていたもので、米国人の多数の支持を得やすい。もともと米国自体が大きな国であり、自国以外のことには大きな関心を示さない傾向もある。トランプ氏はこうした米国人の平均的な支持を得ている。

 トランプ氏が2016年11月に大統領選を制した直後、当時の安倍晋三首相は外務省の反対を押し切って渡米し、トランプ氏と面会した。安倍氏はトランプ氏の個人的な信頼を得て、安倍・トランプ時代には日米間で懸案は全くなかった。世界の指導者は、トランプ大統領を説得できない時には、安倍氏の助けを借りることも少なくなかったようだ。

 トランプ氏は、前回の大統領当時は「新米」だったので、それなりに米国務省の言うことを聞いた。しかし、今回トランプ氏が大統領になれば2回目で、安倍氏もいないので、誰もトランプ氏を御する者はいない。北大西洋条約機構(NATO)からの離脱、ウクライナへの支援停止、台湾への不干渉などが現実化する可能性はある。

 特に「台湾有事」になったとき、日本の南西諸島のうち先島諸島は「有事」になってしまう。台湾の海上封鎖が行われれば、軍事的に不可避なことだ。

 これらが日米安全保障条約の対象であるのは当然だが、有事の際に米軍が自動的に出てくるわけではない。まずは自衛隊が防衛して、当面米軍の援軍は期待できないとみるべきだろう。

 いずれにせよ、トランプ氏が大統領になった場合、日本独自の負担を強いられる公算はかなり大きい。

 安倍氏の盟友だった麻生太郎自民党副総裁が、トランプ氏周辺と接触したと伝えられている。安倍氏の「人たらし」は世界レベルだったが、今後、麻生氏がどこまでできるのか。日本の国益がかかっているので、麻生氏に大いに期待したいところだ。


量子コンピュータで注目は、データ盗聴が不可能な「量子暗号通信」 日本の理化学研究所は3台の国産機を稼働させたが

2024-01-29 09:54:00 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024)1月29日(月曜日)
        通巻第8110号  
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量子コンピュータで注目は、データ盗聴が不可能な「量子暗号通信」
日本の理化学研究所は3台の国産機を稼働させたが
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 「日常感覚からはかけ離れた量子物理の原理を用いて、現在のスーパーコンピュータにも不可能な計算を行い、社会の課題を解いてくれると期待される次世代計算基盤、量子コンピュータ。世界で開発競争が激化する中、日本の量子コンピュータ研究を牽引(けんいん)する理化学研究所は昨年、相次いで3台の国産機を稼働させた」(「産経新聞」、2024年1月28日)。

量子コンピュータ開発の基礎は物理学のもっとも難しいとされる量子力学である。世界最大の研究センターは、じつは米国でも欧州でもなく、まして日本でもない。中国安徽省合肥にある。中国が国を挙げて力をいれている。
スパコンを超える量子コンピュータ技術だが、とりわけ注目されるのは、データ盗聴が不可能な「量子暗号通信」だ。

量子コンピュータとスーパーコンピュータ(以下『スパコン』)の違いは、計算方法にある。量子コンピュータは重ね合わせた状態を利用して並列計算を行い、高速化が可能。スパコは0と1という従来の計算方法である。すなわちスパコンはCPU(中央演算処理装置)とGPU(画像処理半導体)を使って計算を行うからCPUとGPUを多く繋いで処理速度を上げる。対して量子コンピュータは0と1のその中間的な状態を取ったりして、0の状態と1の状態を同時に取ることができる。処理のアプローチが全く異なる。

量子コンピュータの特許ランキングはIBM、マイクロソフト、Dウェイブ、インテル、グーグルが五傑、日本国内での特許はIBM、NTT、日立の順番となっている。
 量子コンピュータの市場規模を「グローバル・インフォメーション」(調査会社)の予測に従うと、2026年に17億6500万米ドルの規模に成長する。
一方、スパコンの市場規模予測は、2021年から2025年の間に125億1000万米ドルに成長する。日本のスパコン「富岳」は世界一の称号を持つ。つまり市場規模だけをみると、当面はスパコン優位である。

 そしてスパコンの百倍以上とも千倍以上とも言われる高速で量子コンピュータは威力を発揮する。たとえばミサイルの発射速度、着弾地点、その時刻を即座に計算し、防御態勢を組む。反撃ミサイルの目標、速度、チャン地点を即座に決める。
 これらの技術はAIとセットだが、中枢部品が2ナノ半導体になる。日本のラピダスが2027年に予定している千歳工場で、この2ナノに挑むのである。

 量子物理学とは人間の身体がそうであるように、すべての物質は原子から成り立ってい、その「量子」は、原子、電子、陽子、中性子、さらに小さなニュートリノやクォークなど粒子を意味する。物理学の中で最も難しい分野だ。

量子暗号装置の大手はスイス企業「アイディー・クオンティーク」(IDQ)社で、2001年にジュネーブ大の科学者らが創業し、韓国企業も加わった。韓国では48の政府機関が量子暗号通信網で構築され世界トップクラスとされるが、中国の実態が不明。
中国は既に全長4600キロにも及ぶ量子暗号通信網の構築に成功し、人工衛星と地上間で暗号鍵を送信する実験に成功したという。
中国や欧州が次世代の通信網の整備を急ぐ理由は米国主導だったインターネット通信網からの脱却である。米中欧と韓国を加えた次世代通信基盤整備は、国家安全保障戦略と直截に繋がっている。

 ▼コロンブスより前にアメリカ大陸を発見したのは中国だ???

なにしろコロンブスより前にアメリカ大陸を発見したのは中国だと主張している国である。発想の基点は中華思想。したがって世界の基軸通貨も米ドルにかわって人民元が通貨は券を握るのだとする中華優位の発想に短絡するのだ。

 科学技術振興機構のブリテン(2024年1月10日)に拠れば、「中国安徽省量子計算工程研究センターと量子計算チップ安徽省重点実験室はこのほど、中国が独自開発した第3世代超伝導量子コンピュータ『本源悟空』が本源量子計算科技(合肥)有限公司で稼働したと明らかにした。同コンピュータは独自開発した72ビット超伝導量子チップ『悟空芯』を搭載し、先進的なプログラマビリティを持つ。研究者によると、超伝導量子コンピュータは超伝導電気回路量子チップに基づく量子コンピュータで、世界的にはIBMとグーグルの量子コンピュータがいずれも超伝導
技術ロードマップを採用している」としている。

量子暗号による通信網の整備? 日本にはそんな発想さえなく、ハッカーにさんざん襲撃されてから、当該政府部内にハッカー対策本部を立ち上げるなどと対策がのろくて鈍い上に泥縄式である。

 ビッグサイトで開催されたロボット展覧会を見学したが、なるほど日本のロボティックス技術は「産業」「工業」「工程処理」などの分野にしか視点がなく合理化 省力化 省エネ、その機能性、便利性を追い求め、生産現場ならびに医療、遠隔手術、看病・介護の補助ロボットなどに向けられている。
見学商談会を覗いても、機械のデモンストレーションをみても、日本のロボティックス開発に安全保障の視点がない。軍事ロボット開発の展示はゼロだった。

イーロン・マスクは「テスラ・ボット」を発表しロボット業界へ殴り込みを宣言した。日本はうかうかしていると、後発組に先を越されるだろう。

「TSMCは世界で最も重要な企業。海峡両岸の紛争で生産停止を余儀なくされれば、 世界的不況につながる」(『ニューヨーク・タイムズ』、1月27日 )

2024-01-29 09:44:15 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024)1月28日(日曜日)
        通巻第8109号  
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「TSMCは世界で最も重要な企業。海峡両岸の紛争で生産停止を余儀なくされれば、
世界的不況につながる」(『ニューヨーク・タイムズ』、1月27日 )
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台湾の半導体はアップルやNVIDIA(エヌビディア)のスマホ、ゲーム機、チャットGPT機器などへ供給されている。『台湾の半導体四天王』とはTSMC(台湾積体電路製造)、UMC、世界先進積体電路(バンガード)、そして力晶半導体で、これら四社の世界シェアは70%に及ぶ。
  ハイテク半導体の7ナノと5ナノでは92%、そして5ナノ以下の半導体を量産しているのはTSMCと韓国のサムスンの2社だけ。

 業界の推計に拠れば、もし台湾製半導体を失えば、アメリカのGDPは5~10%低下する。
ニューヨーク・タイムズ(1月27日 )でニコラス・クリストフが書いた。
「TSMCは世界で最も重要な企業である。海峡両岸の紛争で生産停止を余儀なくされれば、世界的不況につながる。しかし、中国が台湾の占領に成功したとしても、TSMCは北京政府に裨益しない。なぜなら台湾の技術者が働き続け、ウェーハ工場が破壊されずに済んだと仮定しても、国際的なサプライチェーンに依存するからだ。中国によるTSMC接収は『電池のない携帯電話』をのみ込むようなことになるだろう」。
 クリストフは「ただし」として付け加えた。「TSMCは電力を大量に消費しているため、紛争が激化すると、中国が生産を妨害するために台湾の電力網にサイバー攻撃を仕掛け生産が中断すると、世界経済に悪影響を与える」

 こうした脅威を煽る報道が生ずるのは、台湾人エンジニアや企業経営者が多く出席した国際会議で中国の学者が「TSMCをそっくりのみ込めば良い」と中台戦争の未来予測の際にのべたことに端を発し、ペンタゴンに飛び火した。戦争シミュレーション専門家が「そのときはTSMC工場を破壊し、中国には渡さない」とするシナリオも存在するとの応酬があって、物議を醸していた。

3ナノ半導体を量産する韓国の半導体メーカーに珍客があった。
 サムスンは2030年には無人でAIが製作する半導体工場を作ると宣言しているが、そのサムソンとSKハイニックスの工場をサム・アルトマンが訪問した。アルトマンはいうまでもなく「オープンAI」のCEOだ。

 台湾TSMCとの関連文脈で考えるとアルトマンは危機の際に半導体供給先の代替メーカーを探しているのかもしれない。日本より高度な半導体を量産する韓国に米国の先端企業トップが訪問するのは珍しことではなくなった。

 フィンテックに乗り遅れたとみられた韓国の銀行業界も、気がつけば日本の先を走っていた。ネット銀行は日本では楽天などが若者に人気があるが、普及率は迅速とは言えない。韓国では新興のカカオバンク(2017年開業)が早くも2300万口座を獲得し、Kバンクが953万口座となった

 日本のネット銀行第二位の楽天銀行(トップはゆうちょ銀行)はようやく1000万アカウントに近づいた。
ソニー、イオン、SBI、ローソン、セブン銀行など雨後の竹の子状態で既存の銀行窓口はがらんとしている。証券会社は支店をつぐつぎと閉鎖統合し、株式取引はいまやネット空間へと移行した。AIは銀行証券の有り様を革命的に変えた。