沖縄・台湾友の会

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「チャットGPTの作文で芥川賞とは!」。モラルの問題だと欧州が批判     日本の若者の肯定的反応とはまったく異なった文学観

2024-01-20 11:57:46 | 日記
「チャットGPTの作文で芥川賞とは!」。モラルの問題だと欧州が批判
    日本の若者の肯定的反応とはまったく異なった文学観
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 芥川賞受賞の作家がチャットGPTで作文したことに世界中の作家が否定的な反応を示した。その執筆態度は「道徳的に問題がある」との批判で、とくに英国とフランスなど文学賞の多い国からである。

「日本で最も権威ある文学賞」という触れ込みの芥川賞だが、近年の受賞作は文学性が乏しくセンセーションを目的と批判が多かった。選考委員会の審査員は「ほぼ完璧」で「普遍的に楽しい」と称賛した。受賞作は九段理江の『東京同情塔』。高層刑務所塔と建築家の犯罪者に対する不寛容を中心に展開した小説、じつは筆者も書店に立ち寄ると店先に積み上げてあったので立ち読みした。

 実力はあるようで、これまでにも文學界新人賞(2021年)、芸術選奨新人賞(2023年)、野間文芸新人賞(2023年)などを受賞して注目される女流新人。だが、『東京同情塔』には立ち読みの限りでは、文学の風情は感じられなかった。

 記者会見で彼女は「チャットGPTの反応は時々小説内の会話にインスピレーションを与えた」と語り、5%ほどがチャットGPTによると答えた。「今後もAIとの「良好な関係」を維持し、AIと共存しながら「創造性を解き放ちたい」とも述べた。

 サルマン・ラシュディは、10月のフランクフルトブックフェアで記者会見し、「最近、誰かがAIを使ってわたしの文体で300語を生成したが、できあがったのは『純粋なゴミ』だった」とした。ジョン・グリシャム、ジョディ・ピクルトらは「著作権侵害」でチャットGPTとオープンAI社に集団訴訟を起こした。NYタイムズも同社を訴えた。
創作とモラルの問題として、芥川賞騒ぎは世界では別のアングルで物議を醸したことになる。

プーチン大統領がバシコルスタン共和国へ飛んだ   バシキール人自治共和国の初代大統領ラヒモフの葬儀に列席

2024-01-20 11:56:59 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024)1月19日(金曜日)
        通巻第8097号  
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 プーチン大統領がバシコルスタン共和国へ飛んだ
  バシキール人自治共和国の初代大統領ラヒモフの葬儀に列席
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 2024年1月13日、プーチン大統領はモスクワから南東1400キロ、ウラル地方にある「バシコルスタン自治共和国」を訪問し、バシキール人の自治共和国としてロシア連邦の一員となった初代大統領ラヒモフの葬儀に列席した。プリコジンの葬儀には欠席したプーチンが、なぜ辺境の少数民族自治区へわざわざ出向いたのか?

 まずバシキール人とは何か。
チュルク系遊牧民を祖先として突厥、鮮卑、鉄勒などと交接し、モンゴル帝国時代以後、この土地に定着したと言われる。イスラム教スンニ派で、詳細な歴史は諸説があってよくわからない。

明らかなことはチェチェン、イーグーシ、オセチアなどと同様な少数民族であり、ロシアとは敵対的でありながらも、リアルポリティクスでは政治地政学的にはロシア連邦内で、自治権を確立している。

表向きは平等でもロシア人とは差別される。げんにウクライナ戦争ではバシキール人が動員され、初期段階で171名が戦死している。脱線すれば、アフガニスタン戦争で、ロシア軍の戦死者で一番多かったのはウクライナ人だった。少数民族、非主流派民族を先端の前衛の送り込むのはロシアの伝統的な遣り方だ。

 バシキール人は、ロシア革命時代にボルシェビキと闘った。タタールの血が混じるとされる。
1919年にソ連邦内の自治共和国として、タタルスタンと同様な地位にあった。
バシコルスタン自治区の民族構成はロシア人が36%、バシキール人が30%、タタール人が24%だが、大方はロシア語を喋る。少数言語では比較多数派のバシキール語より、タタール語を喋る人が34%もいる。自治区の人口は410万、近隣のタタルスタンの380万人よりすこし多い。
首都はウファ(人口122万人の大都会だが住民の過半はロシア人)。この国は石油とガスを産する。経済的資源に恵まれ、また水資源は豊富である。

 さてなぜプーチンは、このバシコオールウ人の自治区共和国「バシコルスタン」へ飛んだのか?

勿論、大統領選挙を控えての少数民族対策のための政治効果を狙ったのだろう。チェチェンをなびかせたように、少数民族自治区では反政府運動を抑え込みたいからだ。

 現実には反体制運動がある。
 バシキール民族の尊厳と文化伝統の尊重を訴えた活動家のアルシノフは「差別を扇動し社会を不安にした」として1月17日に懲役四年の判決を受けた。
 ところが裁判所の前には零下21度という厳寒状況にもかかわらず、五千人のバシキール人が裁判は不当だと押しかけ、警官隊と衝突した。
 日本にはまったく伝わらないニュースである。