沖縄・台湾友の会

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自衛隊明記に傾く公明党  【阿比留瑠比の極言御免】  

2022-05-28 18:09:33 | 日記
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自衛隊明記に傾く公明党
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【阿比留瑠比の極言御免】


 公明党は、憲法9条への自衛隊明記を主張する自民党案に賛成する多数 派の世論に押され、じわりとこれまでの消極姿勢からの軌道修正を図って いるのではないか─。13日の当欄でこんな見立てを書いたところ、早速19 日の衆院憲法審査会で、北側一雄副代表がこう発言する場面があった

 「自衛隊は最大の実力組織だから、それに対する民主的統制を憲法上に 書き込んでいく。これは民主主義、国民主権という観点からも非常に憲法 価値にふさわしい」

 「憲法上のどこに書き込むのがふさわしいか。自衛隊法7条(首相の指 揮監督権)を憲法価値に高めていく意味は理解できる。首相や内閣の職務 を規定する72条か73条に書き込んでいくことも考えられる」

 9条には手を付けたくないが、72、73条であれば容認できると示唆した のか。アドバルーンを揚げて反応を見ているのか。

 これについて、山口那津男代表は24日の記者会見で「北側さんの個人的 考え方」と断ったうえで、こう肯定的なコメントをした。

 「(憲法に)自衛隊に対する明文の規定はない。自衛隊法以下、実定法 の規範の体系がすでにできているので、そうしたことを憲法とのかかわり で文民統制を明確にしようとする議論はあってしかるべきだ。大いに幅広 く議論していい」

 党代表と副代表が国の根幹である憲法について、それぞれ勝手に発信し ているとは考えられず、これは連携プレーなのだろう。

[国防意識の高まり]

  公明党の昨年10月の衆院選の公約では、自衛隊明記についてこんな木 で鼻をくくったような消極的なものだったことを思うと、明らかに変化し ている。

 「多くの国民は現在の自衛隊の活動を理解し支持しており、違憲の存在 とはみていない。引き続き慎重に議論していく」

 言外に、国民は自衛隊を違憲だとは思っていないから別に明記する必要 はなく、放っておきたいとにおわせる書きぶりだった。

 公明党は平成27年9月に集団的自衛権の限定行使を容認する安全保障関 連法が成立して自衛隊の活動範囲が広がったことから、憲法9条改正や自 衛隊明記に関しては「その必要がない」と慎重姿勢を強めていた。

 それがロシアによるウクライナ侵略をきっかけとした国民の防衛意識と 安全保障問題への関心の高まりを受けて、自衛隊明記も真剣に検討せざる を得なくなったのだろう。

 そうして今回、自衛隊への「民主的統制」「文民統制」をキーワード に、憲法に足らざるところを加える公明党のもともとの主張である「加 憲」路線に片足をかけたのではないか。

[安倍元首相が主張]

  ただ、この論点はもともと安倍晋三元首相が首相当時の29年から「9 条にシビリアンコントロール(文民統制)をしっかり明記すればいい」と 提案してきたことでもある。
 安倍氏は23日にも、中曾根康弘元首相が率いた超党派の「新憲法制定議 員連盟」による「新しい憲法を制定する推進大会」でこう訴えていた。

 「国を守る軍事組織が憲法に明記されていない国はほとんどない。シビ リアンコントロールが貫徹されるという意味でも、憲法に明記する必要が ある」

 明記する先が9条か72、73条かという違いはあるものの発想は異ならな い。公明党は安保関連法にも当初は強く反対したが、19日の衆院憲法審で は北側氏は高く評価していた。結局、最初から安倍氏の主張に耳を傾けて いればよかったということになる。