沖縄・台湾友の会

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香港の新しい行政長官は自由と民主弾圧の専門家   EUは「民主主義は破壊された」と『歓迎』の弁

2022-05-09 22:15:04 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和四年(2022)5月9日(月曜日)参
        通巻第7326号
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香港の新しい行政長官は自由と民主弾圧の専門家
  EUは「民主主義は破壊された」と『歓迎』の弁
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 香港行政長官に警察畑のジョン・リー(李家超=64歳)が99・2%という信じられない得票率で当選した。李は香港行政府のナンバー2、かの民主化でも弾圧で指揮を執った人物である。

もっとも選ばれる対象は「愛国者」だけであり、候補者は李一人だった。中国共産党のお墨付きを得て、らくらくと当選した。換言すれば選挙委員なんてあやつり人形でしかない。

 行政長官選挙は、議会議員や金融、商業業界からあらかじめ選ばれた1461人の委員が投票する形式であり、一人だけが中間派。残りの選挙委員全員は親中派。つまり選挙そのものが猿芝居だ 

 香港の民主化をもとめた若者、知識人等の雨傘運動から二百万人の抗議集会と騒乱にいたるまでの「香港大乱」。
そして大陸から動員した暴力団的な警察による大弾圧。自由を求めた香港の活動家、「リンゴ日報」創刊の黎智英(ジミー・ライ)を含む、メディア関係者ら二千名余が起訴された。
またおおよそ二十万人が香港の未来に絶望して、海外へ移住した。

李は当選の会見で「安定した繁栄、あたらしい香港のチャプターを開く」などと絵空事を述べた。待っていたのは歓迎ムードではなく市民の静寂、こころのなかでの冷笑だった。
ようするに習近平からみれば林鄭月蛾・前長官も「よくやったが、弾圧が中途半端だ」という不満である。「弾圧不足だった」というのである。
 EUは「歓迎」のかわりに「民主主義は破壊された」とコメントした。

スリランカ緊急事態。親中ラジャパクサ政権が危機に直面   「まるで『アラブの春』、政変が近い」と前首相

2022-05-09 14:23:17 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和四年(2022)5月9日(月曜日)弐
        通巻第7325号
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 スリランカ緊急事態。親中ラジャパクサ政権が危機に直面
  「まるで『アラブの春』、政変が近い」と前首相
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 コロナ災禍で経済危機に陥っていたスリランカ。ガソリン、食料品が20%近く暴騰し、外貨不足で医薬品が払底、各地で暴動、大統領官邸も一時襲撃された。
 ラジャパカス政権は4月1日に「緊急事態宣言」をだしてデモ鎮圧に努めてきたが、国民の不満は一向に収まらない。「ゴ大統領は家に帰れ」というスローガンのデモ隊に警察は催涙ガスを発砲している。

ウィクラマシンハ前首相は「政治変革が必要だ。いまの状態はまるで『アラブの春』である」とし、首相の辞任を求めた。各地の抗議行動はおさまる気配がない。

 現政権はゴダバヤ、マヒンダ、バジル三兄弟が政府の要職を占め、利権を寡占し、中国から過度の融資を受けた。ついにはハンバントタ港を中国に99年間の租借を認めた。コロンボ港ターミナル基地建設も、沖合の人工島プロジェクトもラジャパカス兄弟が中国企業とすすめてきた。
ゴダバヤ・ラジャパカスが大統領、兄のマヒンダ・ラジャパカスが首相(前の大統領)、弟のバジル・ラジャパカスが財務相という一族独占政権、国民の怨嗟の的である。

 外貨準備は急減して2500万ドルしかなく、政府はIMFに緊急援助を要請し、IMF調査団は5月13日にコロンボ入りすることになっている。くわえてスリランカは中国主導のAIIBに1億ドルの緊急融資を要請した。

 とくに中国依存度が高いため、ラジャパカス政権は北京に13億ドルのシンジケートローン返済時期延期と15億ドルの信用供与、さらに人民元で15億元の通貨スワップを要請している。

クシュナーが30億ドルのイスラエル投資ファンド設立    このうち20億ドルはサウジ王室からの出資

2022-05-09 14:22:16 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和四年(2022)5月9日(月曜日)
        通巻第7324号
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 クシュナーが30億ドルのイスラエル投資ファンド設立
   このうち20億ドルはサウジ王室からの出資
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 ウクライナに目を奪われている間に、中東地図が変貌を続けている。
 ジャレッド・クシュナーはトランプ前大統領の女婿。長女のイバンカは、ユダやヤ教に改宗して、クシュナーと結ばれ、ふたりはホワイトハウスで実権を振るった。
 ふたりの資産は7億4000万ドルといわれる。

とくにクシュナーは上級顧問として無給でトランプ政権の幹部スタッフに加わり、密使として中東を訪問すること数回。モロッコ、バーレン、UAEなどが次々とイスラエルを外交承認してきたが、つねにその舞台裏で活躍した。ちなみにトランプ一家は全員が無給だったが、大統領自身は報酬をすべて慈善事業に寄付し続けた。左翼メディアはこのことには触れたがらない。

 ワシントンを離れて政治世界と縁を切ったとされるクシュナー夫妻はフロリダ州の豪邸にうつり、「アフィニティ・パートナーズ」というベンチャー・キャピタル・ファンド(VC)を立ち上げた。
 ファンドは30億ドル、うち20億ドルがサウジ王家。クシュナーはサルマン皇太子と親しい間柄である。

 クシュナーのファンドは、イスラエルの二つのハイテク企業に集中して投資する予定とウォールストリートジャーナルが伝えて居る。
サウジとイスラエルは外交関係がない。つまりサウジの間接的なイスラエル投資というかたちになる。