ホルマリンのマンネリ感

札幌出身苫小牧在住、ホルマリンです。怪しいスポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、一人旅、昭和レトロなどなど…。

兵庫、岡山、広島珍スポットラリー その7

2019-05-11 01:31:19 | 旅行(道外)2018~2019
1日目 午後2時半

手柄山中央公園内にある「手柄山交流ステーション」に着きました。
水族館が併設しているため、どうやら地元民にとっては定番のデートスポットらしい。日曜日という事もあって、周りはカップルばかりです(^_^;)。
みんな水族館に入っていくなか、私はひとりモノレール歴史館へ……。


水族館は入場料がかかりますが、嬉しいことにモノレールの方は無料
前回お伝えした通り、終点駅であった手柄山駅を改装して作られており、なんとモノレールの入出場用だった穴がそのまま建物の出入り口になっています(*^_^*)。

そして…、嬉しいことに当時の車両が展示保存されているんですね。

姫路モノレール 200形車両


開業時のものを再現したであろう「祝・開通」のヘッドマークが誇らしげです。
1966年製造ですが、意外と古さを感じさせないデザインなのでは。
なんと廃線になってから数十年間、ここ手柄山駅跡にホコリを被って眠っていたのだそうです。
駅もろとも封鎖されて長らく半放置状態だったものが、観光資源として再評価。
2009年に封印が解かれ、展示施設としてめでたく蘇ったという事なのです。

「ロッキード式」に注目

モノレールの構造は大きく「懸垂式」「跨座式」に分けられますが、このモノレールは跨座式の中でも大変珍しい「ロッキード式」を採用しています。
…あの航空機のロッキード社です(^_^;)。

一般的な跨座式はゴムタイヤを採用していますが、ロッキード式は軌道の上に鉄道のようなレールを敷き、鉄の車輪で走行するというもの。
米ロッキード社が考案しましたが、採用事例は日本のみで、しかもここ姫路と小田急向ヶ丘遊園の2か所のみ!!
向ヶ丘遊園のモノレールも既に廃止されているので、ロッキード式で現存している路線はありません。


展示館の外にも、実際のモノレールの台車が展示されていました。
保護カバーがなく、構造が分かりやすいですね(^_^)。
ロッキード式は乗り心地、高速性能に優れる一方、鉄車輪ゆえに騒音が激しい、登坂性能が乏しいなどのデメリットがありました。
またロッキード社もモノレール事業から早々に撤退してしまった事もあり、普及することはありませんでした。

展示車両の向かいには…モノレールに関する各種展示。

細長いスペースに、歴史や当時の背景などのパネルが貼られているのですが……。
実はこの場所、当時の手柄山駅ホームそのものなのです。

なんと…当時の設備が至るところに!!



駅名表や発着時刻表、吊り下げ式の時計、当時の広告などなど……。
なにしろ廃止以降ずっと閉鎖されていた空間だったので、設備も壊されることなくそのまま残っていたわけです。
マニアには嬉しすぎる展示!!(T_T)


こちらは発車・到着を知らせていた信号機
この他、再現された物ですがホーム上のゴミ箱なんてものもありました。




ホーム上の巨大広告。雰囲気重視で再現されたものではなく、これも当時モノだというのだからスゴイ。
ホーム自体は展示用に改装されたとは言え、往時の雰囲気が色濃く残ります。
…なにやら冷凍保存された昭和の空間にそのまま飛び込んでしまったようで、一人でテンション上がりまくりでした(*^_^*)。


さて、保存されている車両は2両あるのですが、うち1台は太っ腹なことに車内に立ち入ることが可能です。
さっそく入ってみましょう!



車内は東京モノレール等の一般的な跨座式とは違い、段差がなくフラット。これもロッキード式のメリットの一つです。
座席は国鉄車両のようなモケット地。約40年間放置されていた割には傷みもなく、小奇麗で状態が良いですね(^_^)。
そして吊り革がないというのと、日よけが上げ下げ式のシェードではなく一般的なカーテンだったのが意外でした。
これは恐らく、姫路モノレールが観光用の乗り物に寄せて作られたためでは?と言われています(詳細は後々)。

時代を感じる運転台

当たり前ですが、アナログな計器が盛りだくさんです。
旅客営業では最高速度が50キロに制限されていましたが、実際には120キロまで出すことが可能だったようです。
なお、姫路モノレールには両端に運転台がある車両「200形」と、片側にのみ運転台がある2両セットの「100形」が存在していたようですが、ここに展示されているのはいずれも200形。100形は全て解体されてしまったようです。

車内では営業当時の映像を上映。

…元気に動くモノレールの映像はかなり貴重。開業当日に手柄山駅に進入する映像などもあり、思わず見入ってしまいました。こんな雰囲気だったんですね~。
そして先ほど見てきた橋脚や軌道跡の在りし日の姿が見られますね。

かわいらしいジオラマも。

これですよ!すでに解体されてしまった中間駅「大将軍」駅。
マンションの4階部分を突き抜けた特異な姿がお分かり頂けるでしょう。
右の写真は、大将軍駅を出てここ手柄山へ向かう中間地点。先ほど見たコンビニ裏に軌道が残っている部分は、ちょうどモノレールの模型があるあたり。



在りし日の路線図はこんな感じです。

ちょっと見づらいですが……。オレンジの線です。

次回!1日目ラストです。
姫路モノレール廃止の理由は?そして夢の跡散策。

続く。
コメント (2)
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