ホルマリンのマンネリ感

札幌出身苫小牧在住、ホルマリンです。怪しいスポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、一人旅、昭和レトロなどなど…。

兵庫、岡山、広島珍スポットラリー その6

2019-05-07 23:38:06 | 旅行(道外)2018~2019
1日目 午後2時

太陽公園の散策を終え、路線バスで姫路駅まで戻ってきました。
だいぶ疲れたし雨も酷くなってきたので、このままホテルを探して避難しようかな~とも思いましたが、明日以降の予定を考えてこのまま探索を続けることにしました。

というのも、次なるお目当ては駅前のすぐそこから始まるのです。

バス乗り場から少し歩くと…すぐに分かりました。

建物の合間から、何やらコンクリートのエントツのようなものがピョッコリ飛び出ています。


裏通りへ入り近づいてみると、何とビルの中から生えていました。そして横に目をやると、同じような煙突が横一列に続いているのが分かります。
不思議な光景ですよね(*^_^*)。

実はこれ、モノレールの廃線跡なのです。
1966(昭和41)年から1979(昭和54)年まで、わずか13年の間ですが姫路市内に存在していた姫路モノレールです。
(※休止期間が5年あったので、実際の運行年数は8年ほど)

運行区間はここ姫路駅前から手柄山までの1.63キロ、駅数はたったの3駅。
既に廃止から40年近くが経つのですが、撤去に莫大な費用が掛かるため、このように未だ至る所に遺構が残っている状況なのです。
故に姫路市民には「幻のモノレール」として認知されているご様子。

路線の詳細は追々説明させて頂くことにして、終点の手柄山駅跡にモノレールの歴史館があるとの事なので、廃線跡探索がてら徒歩で行ってみることにします(*^_^*)。

存在感あるT字型の橋脚



カメラでズームしてみると、車両に電力を送る電線のようなものや、ガイドレールを固定していた跡のようなものまで確認できます。
さすがにモノレールの通る軌道自体は撤去されてしまっていますが、橋脚は建物と合体しているようで撤去は難しいのか、そのまま残されている状況です(^_^;)。
なお、これらの遺構をキレイさっぱり撤去するには20億円ほどかかるそうです(汗)。

橋脚に目が行きがちですが…建物の味も中々のもの。

単純に考えて、モノレールの建設時もしくはそれ以前から建っている建物という事になるので、かれこれ40年以上前のものになりますね(^_^;)。

路線跡がよく分かります……。



↑このように建物から独立して、フェンスや町内掲示板で囲われたものも。
何やら古代遺跡のようで、路上観察学的観点から見ると見ごたえがありますね(笑)。


ここから路線は大きく南へとカーブし、手柄山方面へ向かってゆきます。
そして路地を出たところにある広い駐車場は、中間駅の「大将軍」駅が建っていた場所。
なんとマンションと合体した駅舎で、4階部分にホームがあり、軌道がそのまま建物を貫通しているという特徴的な外観だったようです。
この大将軍駅は開業後わずか2年で廃駅となり、以降路線の廃止までは単なる通過地点となっていたそう。

マンション自体はつい最近(2016年)まで残っており、駅の設備もほぼそのままの状態だったようです(^_^;)。
中にこそ入れませんでしたが、外観から軌道部分や4階のホーム跡を確認することができ、マニアに人気のポイントでした。
2016年の解体前には内部を特別公開する見学会が行われ、全国から応募が殺到したようです(私も行きたかった……)。


ここら辺は近年まで軌道跡も残っていたポイントでしたが、マンションの解体と前後してゴッソリ一掃されてしまった模様。
景観向上計画でツタに覆われた橋脚と、その色あせた説明版のみがポツンと残ります……。

満開の桜と橋脚跡…。

ここから川に沿って、ゆるやかにカーブしながら廃線跡が続きます。
ネットで調べてみると、ここ数年で遺構の撤去が猛スピードで進んでいるようで、画像で見ていたダイナミックな廃線跡とは少し違う風景のような気がします…。

あらぁ~、もっと早く来ていれば良かったなぁ、と思ったその時!


おぉ~!軌道跡キタ!


幹線道路のコンビニのすぐ裏、ほとんど手つかずの遺構が辛うじて残っていました!(*^_^*)
裏道でそれほど危険も無いからでしょうか。
橋脚の根元部分は個人所有の土地になっているのか、家庭菜園?のようなものが展開されていました。


…残念ながら、わずか数十メートルで軌道跡は分断。
すぐ先には新幹線と山陽本線の高架があるので「新幹線建設時に撤去されたか?」と思いましたが、開通時はモノレールはまだ現役。
1972年に、モノレールを跨ぐギリギリの高さで新幹線の高架が造られました。
近年まで、高架と近距離でクロスする軌道跡を見ることが出来たそうですが、現在は撤去されています。


新幹線と山陽本線を超えると、しばらく遺構は消えてしまいますが、少し歩くと駐車場裏に再び!
思わず「おお…」と声が出ます(笑)。
思えば廃線跡探訪なんて何年ぶりでしょうか??楽しいです(*^_^*)


会社の敷地内のようで、これ以上近づく事はできませんが…。
この上をモノレールが走っていた事を想像するとロマンありますね~(*^_^*)。

終点・手柄山駅跡を望む

軌道跡の撮影地点から振り返ると、レンガ造りの手柄山駅跡(真ん中)が見えました。
そして建物下に、ポッカリ空いた黒い穴があるのが分かるでしょうか??
実はあの穴からモノレールが出入りしていたのです!
言うまでもなく、ここからあの穴まで軌道が一直線に伸びていましたが、現在は橋脚含めすべて消滅してしまっている模様。

午後2時半、手柄山駅跡に到着!!

手柄山中央公園内にあるこの建物、現在は「手柄山交流ステーション」として市民に親しまれています。
内部は改修され、水族館や市民ホール、そして目指すモノレールの歴史館となっている訳です。

そしてここが、姫路モノレール廃線跡探訪のハイライトであります。


当時の車両が展示されているのです。

続く。