語りかける花たち

角島 泉(かどしまいずみ) 花日記
 ~石川の四季、花の旅、花のアトリエ こすもす日々のこと


工藤和彦うつわ展レポート Ⅰ

2011年10月17日 | 作品展、コンサートなどのイベント
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工藤和彦さんのうつわ展がはじまった。

小ぶりの、日常使いしやすそうな花器や

大小の食の器が約250点ほど、

そのみずみずしい感性で

古い町家の3階に息を吹き込んでくれた。


去年に続いて2回目とあって、

すっかり工藤さんの器のファンになったという人々が

初日から大勢つめかけて下さった。

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工藤さんの器は、気負いのないのびやかな形、

植物も食物も、自然に受け入れてくれる器だ。


これまでの粉引、黄粉引に加えて、

出来上がったばかりの「シラカバ」シリーズや

透明感のある森の緑の器が

美しい色どりで並べられた。


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そこに 自由に植物を組み合わせていく作業は

この上ない楽しさだ。











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2週間の会期中、どんどん植物は生けかえていくが、

準備の日に、能登出身のスタッフのご両親が、

山やお庭からたくさんの花材をとってきて下さった。


花市場でもなかなか手に入れられないような

立派な実付きのアケビのツルを

天井まで上らせて、森の中での姿を再現した。








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自然からできた工藤さんのうつわは

こんな野性的なしつらいに違和感なくとけ込んでしまう。






ふっくら熟した果実を思わせる黄粉引の花器にも

アケビのツルと実を。

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4日目の今日は、

同じ器に、能登のツワブキを生けてみた。






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貴婦人のような黄粉引の鶴首花入れには

華奢な淡紅色の秋明菊を。

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緑グレーの素朴な器には

渋いホトトギスの花を。


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今回の新作、シラカバホワイトの一輪挿しは、

にごりのない美しさ。

そんな器に、今朝ひらいたばかりの芙蓉(ふよう)、

一日限りのはかない命を、

うやうやしく受け入れてくれた。















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会期中、様々なうつわの表情を

レポートしていきます。


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