語りかける花たち

角島 泉(かどしまいずみ) 花日記
 ~石川の四季、花の旅、花のアトリエ こすもす日々のこと


武士の家

2009年12月06日 | 金沢の四季
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近所の住宅街にひっそり存在する武家屋敷、
「寺島蔵人(くらんど)邸」は、主人の風流な魂が今に続く。

樹齢500年ともいうモミジやドウダンツツジが
少し遅めに紅葉し、現在、その渋いお庭に彩りを添えている。

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水のない池をのぞむ茶室「乾泉亭」で
末裔のご主人がみずからお茶を点てて下さる。
障子ごしに、錦秋の名残の風が渡っていく。

「昔は戦に備えて、庭にたくさんの果物の木を植えていたのです。」
桑の木、いちじくの木、ざくろの木......
今は小さな柿の木が一本だけ。

その華奢な枝に、来る年への願いを込めて、
木守りがひとつ、残されていた。

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