![Img_1827 Img_1827](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/fe/9c1119cf3287cc057f729234a91ae5e5.jpg)
前日の青空が夢だったかのように、
その朝 起きたら街がすっかり雪化粧されていた。
どこもかしこも まんべんなく白粉がかけられ
それもまた はかない夢のような美しい世界。
![Img_1804_2 Img_1804_2](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/69/b3cfdb39bfd8d95f4d21e7e8ce541fff.jpg)
街の中から 色という色が消えると、
造形美の際立つものが 魂を吹き返してくる。
その朝は、いつもの風景が、一転していた。
![Img_1819 Img_1819](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/32/69808507a4daf354d114e54f08bad682.jpg)
モノクロの映画の中にいるような気分で
近所の路地をさまよっていると、
ふいに甘い香りに誘われた。
見上げると、大きな蝋梅(ろうばい)の木。
無彩色に映える明るい光の色。
![Img_1790 Img_1790](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/23/365ed89a66510888c8ee34d6b39c71ee.jpg)
雪の季節に咲くさだめの花は、
華やかに広がる花びらを諦めた代わりに
とびきりの芳香を与えてもらったようだ。
そして雪の下で咲くこのしたたかな姿。
![Img_1795 Img_1795](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/f6/d93521fea34c6e6a7ccad6d5e1fd722c.jpg)
甘い息は、魔法のごとく
春を待つ街にふりかけられていく。
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