泉区生活支援ネットワーク

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全盲クライマー 世界の頂点狙う 9月にパリで選手権

2012年02月29日 | 視覚障害・聴覚障害支援
(「河北新報」平成24年2月28日(火)付け記事より引用)
 仙台市太白区の鍼灸(しんきゅう)師・小松範明さん(39)は全盲のクライマーだ。突起物をつかんで壁を登る「パラクライミング」の大会で好成績を挙げている。競技を始めて約4年。世界の頂点を目指し、「障害を感じさせない強い選手になりたい」と意欲を見せている。

 パラクライミングの視覚障害者部門は、ルートやホールドと呼ばれる突起物の位置を示した立体コピーを手でなぞって記憶して競技に臨む。クライミング競技と同様に、ホールドが設置された壁を指定されたルートで登り、制限時間内での最高到達地点を競う。

 「コースをしっかり覚えておかないと、次のホールドをつかむために、最善な体の位置を取ることができない。記憶力が勝負です」と語る。
 競技に出合ったのは2008年の夏。健常者の妻典子さん(31)と一緒に楽しめるスポーツを探していた。「障害者用にアレンジされたほかの競技と違い、ほぼ同じ条件で楽しめるフェアな世界が魅力的に感じた」と振り返る。初めは未体験の高さに戸惑ったが、「自力で登り切った達成感が楽しい」とやみつきになった。

 その後、週1、2回、仙台市内のクライミングジムに通い、技術を磨いた。177センチ、64キロのスリムな体形も競技に合っていたという。10年12月行われた第1回視覚障害者世界選手権(千葉県習志野市)のB1(全盲)クラスで銅メダルを獲得。昨年7月、イタリアのアルコで行われた障害者世界選手権でも同クラス5位に入った。

 「最終目標は(世界選手権での)金メダル」と語る。ことしの障害者世界選手権は9月、パリで行われる。今は、主催団体から出場決定の連絡を待っている状態だ。

 選手として頂点を目指す一方で、競技の魅力を広めようと、1月に健常者、障害者が共に楽しむクラブ「マジック・ウオール」を仙台市内に設立した。「障害の有無を問わず普及させることで、有能な人材を発掘したい」と夢を描いている。
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