私は特に有馬監督の続投に対して特に反対意見はありません。今季の成績に関しては責任は監督が負う部分が最も大きいとは思っていますが、采配に関する不満はあったにせよ、この選手層で他の監督がどこまでやれたかに関する疑問もありますし、何せコロナ禍でのクラブが背負う大きな赤字を鑑みて考えれば、コストのかかる有名監督を招聘するリスクが大き過ぎると考えるからです。
ベテランを中心に多くの選手の退団が発表されている現状で、新戦力として発表されたのは大卒の2名だけ。短すぎるシーズンオフで大きな補強を期待することはできません。どの道、他のクラブから契約満了を言い渡された選手の中から選別するとなれば、補強そのものに大きな希望を見出すことはほぼ不可能かと思います。
ただ、クラブ経営の厳しさと今後の筋道を考えた時に、「これで大丈夫か?」という漠然とした不安が出てきます。
大きな声では言えませんが、今季の陣容が発表された今年の1月頃、色んな方と話をする中で、このメンバー構成を見た場合に正直これでJ1を目指すのは無理だろうと思いました。主力の年齢も高くなっていますし、余程上手く選手起用して戦力を回さないと難しいだろうなと感じました。しかも、コロナ感染拡大に伴っての長期に渡るリーグ戦の中断と超強行軍となったリーグ戦日程では、この戦力が持ちこたえることはできないだろうという嫌な予想は怪我人続出と言う結果をもって証明されてしまいました。
つまり、結果責任を監督に求めるにしても、それだけの結果を残せるだけの補強であったり環境整備であったり、それらの現場からの要望に対してフロントが応えてきたのかという点では「No!」としか言えないでしょう。つまり、フロントにも「とりあえずこれで何とか!?」という甘えの構造はあったと思います。監督だけに責任を押し付けることはできないとの想いが来季の監督続投に繋がったと考えるのは間違いでしょうか?
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2年で退任のJ2長崎・手倉森監督「3年目はJ1でと考えていたが」昇格逃した悔しさにじむ
https://news.yahoo.co.jp/articles/7e07fff0a1ac648111b104f61ef5e4e0c836da65
※以下、引用です。
今季限りでの退任が発表されたサッカーJ2のV・ファーレン長崎の手倉森誠監督(53)が18日、オンラインで会見し、3年ぶりのJ1昇格を逃した無念さを口にした。
就任2年目だった手倉森監督は17日にクラブから退任を伝えられたことを明かした上で「最低でも2年でJ1昇格を果たし、3年目はJ1でと考えていたが、それができず、責任を感じていた。昇格できなかった悔しさ、ふがいなさが大きい」と話した。
地元の応援には「長崎のサポーターは温かいと感じていた」と感謝し、「自分が発した言葉が長崎のサッカーの発展に役立てばいい」と思いを述べた。
文中にもあるように、「退任」とぱ書かれていますが、「17日にクラブから退任を伝えられた」とあるようにクラブ側からの解任であることは間違いありません。同じJ2のクラブでありながら、この厳しさの違いは何なのか? それは、「クラブとしてはできる限りの手を尽くした。その上でJ1昇格を逃したのは監督の責任である」という、クラブ経営に対する確固たる自信の裏返しではないかと思います。
岡山の問題点はフロントとして「クラブができる限りの手を尽くした」と言えるだけの努力をしてこなかった自信のなさにありそうです。木村さんが去り、合議体のような組織となったことでトップダウンで物事が瞬時に動かないもどかしい状況に陥ったのではないかと推察します。北川さんは悪い社長ではないと思いますが、何分にも若い。決断して押し通すだけの灰汁の強さもまだ持ち合わせていないでしょう。長崎の場合はオーナー社長という強い面もありますし、やはり違いは明白です。
来季に不安を抱えたままでシーズンオフを迎え、そしてすぐに新しいシーズンが開幕します。実質的なオフは半月もないでしょう。その短い時間で的確な補強をし、J1を目指せるチームになることは夢物語に近いです。指導力と采配でチームを勝たせるには限界があります。有馬監督にそれを求めることは難しいと思います。それでも勝たないといけないのであれば、必ず残って貰わないといけない選手を引き抜かれることなく引き留めて、適材適所で相応の補強を行うこと。このままではチームの体裁をなしていませんからね。
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これまで、特に取り上げませんでしたが、来季J1に昇格する2チームは、徳島ヴォルティスとアビスパ福岡の2チームに決まりました。来季はJ1から4チームが降格しますから、昇格したとはいえ喜んでばかりはいられません。エレベータークラブになるとクラブ財政にも悪影響が出る恐れがあります。
その上、来季はJ2からの降格も4チームになります。ファジが今季のような成績ですと間違いなく残留争いに巻き込まれます。J1昇格が高望みだったとしても、少なくとも1桁順位で終われるだけの戦い方をしなくてはなりません。それだけの戦力を維持できているとは言えない現状ではありますが、とにかくJ1昇格を目標として強く戦わない限りJ2残留すらままなくなる厳しい状況に直面していることだけは共通認識として持っておかないといけません。
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来季はJ2昇格して以降では最も辛く苦しいシーズンになることは間違いないでしょう。どのクラブもJ3に落ちることだけは避けたいですから、必死で戦います。ファジが今季のような甘っちょろい試合を繰り返しているようでは到底残れません。
その危機感だけはサポーターも全員が持ち合わせて応援しないといけません。
よろしくお願いします。