いせ九条の会

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憲法9条を守る根っこは、政治記者の想像以上に張っている/山崎孝

2008-05-11 | ご投稿
【「9条」の集客力】(2008年5月10日の朝日新聞「論説委員室から」国分高史論説委員)

3日間でのベ2万2千人。こんなにたくさんの人が集まるとは予想していなかった。4日から千葉市の幕張メッセで開かれた「9条世界会議」のことだ。

 「武力によらない平和、という9条の考え方を世界に広げたい」。翻訳家の池田香代子さんらの呼びかけに、世界各国から賛同者が集まったイベントだ。

 北アイルランドの平和運動家でノーベル平和賞のマイレッド・マグワイアさんの講演や歌手のUA(ウーア)さんらのライブなど多彩なメニューだった。

 実行委は「初日で4千人ぐらい」と予想していた。だが、労組などを通じた宣伝とは別に、ネットで知ったらしい若者たちが初日だけで1万5千人も押し寄せ、3千人が会場に入りきれなかった。

 「9条の交戦権の否認は、世界の多くの人々を勇気づけてきた」。マグワイアさんのこんな言葉に送られた拍手は、人気アーティストの熱唱に寄せられる喝采と同じ種類のものだった。

その3日前。改憲派議員が開いた集会では、安倍首相が「憲法を自分たちで書く決意が、新しい時代を切り開く魂につながる」と声を張り上げていた。

安倍さんの力みように比べ、幕張に集まった人たちの言葉や掛る舞いは、とてもしなやかで自然だった。

 憲法9条は、ふだん国会で取材をしている政治記者の想像以上に広く、深く、若者たちの間に根を張っているのではないか。世界会議の盛況を見て、こんな思いを強くした。