いせ九条の会

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脅威とならないことを日中は確認した/山崎孝

2008-05-09 | ご投稿
「日中友好の種、次代に」 胡主席、早大で講演(2008年5月9日中日新聞)

来日している中国の胡錦濤国家主席は8日、東京都新宿区の早稲田大学で学生ら900人を前に講演し、日中関係は「歴史上の新たなスタート地点に立ち、さらなる発展のチャンスを迎えている」と述べ、未来志向の関係に立ち、将来を担う青少年交流の重要性を強調した。また「中国は防衛的な国防政策をとり、軍拡競争をせず、いかなる国に対しても軍事脅威にはならない」とし、平和的発展の道を歩むことを公約した。

胡主席は中国の改革開放から30年間の歩みを紹介し、「日本の対中円借款が中国のインフラ整備や環境保護、エネルギー開発などの近代化に積極的な役割を果たした」と感謝の意を示した。「両国は一方が勝ち一方が負ける関係ではなく、共に勝つパートナーとなるべきだ」とした。

一方、今回の訪日で初めて歴史問題に言及し、「日本軍国主義が発動した侵略戦争により、中華民族に深刻な災難をもたらし、日本人民にも損害を与えた」と指摘。「歴史を強調するのは恨みを持ち続けることではなく、歴史をかがみに未来へ向かうためである」と強調した。

1984年に3000人の日本人青年を中国へ招いた経験を語り、「青年時代にまいた種は一生のものとなる。友好の種を代々に伝えていかなければならない」と主張。その一環として今年、同大学の学生100人を中国へ招待すると表明した。(以上)

★ コメント 胡錦濤国家主席が中国人を代表して「日本軍国主義が発動した侵略戦争により、中華民族に深刻な災難をもたらし、日本人民にも損害を与えた」と考え述べている状況で、日本の新憲法に「香の高い」という文脈で歴史を書くことが、日本の地位を高めるとは思いません。現行憲法は前文で、政府の行為により再び戦争はしない、と述べています。これは言うまでもなく過去の日本の戦争を教訓とした言葉です。

現在の中国は内政問題を見ると民主主義の到達段階は遅れています。チベット問題ではチベット人の心に配慮を欠くことで批判を受けています。しかし、その対外政策は、6者協議の場では、議長国として北朝鮮の核の問題を解決し、北東アジアの平和構築を目指し努力しています。東南アジア諸国との関係は韓国や日本を含め共同体を作ろうとしています。中国が日本の脅威になると考える必要はないと思います。今回の共同声明では、相互に脅威にならないことを確認しています。