いせ九条の会

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憲法を変える理由が見当たらない、新たな憲法のあり方/山崎孝

2008-05-02 | ご投稿
「憲法審査会の早期始動を」超党派議員ら憲法の4目標提示(2008年5月1日付読売新聞))

超党派の国会議員らでつくる新憲法制定議員同盟(会長・中曽根元首相)は1日、東京・永田町の憲政記念館で「新しい憲法を制定する推進大会」を開き、衆参両院に設置された憲法審査会を早期に始動させ、憲法改正論議を前進させるよう求める決議を採択した。

決議では、国会の憲法審査会が昨年8月の設置以来、野党側の反対で一度も開かれていないことを踏まえ、早期の開催を「強く願う」とした。また、新たな憲法のあり方について、〈1〉日本の歴史・文化・伝統の香り高い憲法〈2〉自由・民主・人権・平和・国際協調を基本とする〈3〉国際平和を願い、他国と共にその実現のため協力し合うことを誓う〈4〉自然との共生を信条に、美しく豊かな地球環境をまもる――の四つの目標を掲げた。

大会で、中曽根氏は「一意専心、不惑の信念を持って、戦後に生まれた憲法を正しい憲法に作り直し、責任を果たしたい。今の憲法体制、政治体制では、日本の地位が低下するのは必至だ」と訴えた。

自民党の伊吹幹事長、安倍前首相、民主党の長島昭久衆院議員、公明党の白浜一良・党憲法調査会長らのほか、政府から町村官房長官が出席した。(以上)

★コメント 新憲法制定議員同盟の憲法のあり方として掲げた、「自由・民主・人権・平和・国際協調を基本とするや国際平和を願い、他国と共にその実現のため協力し合うことを誓う」は、周知のように現在の憲法に包含されている理念です。国際協調は前文に述べられています。

新憲法制定議員同盟の考えている平和は、敵対するとみなした勢力を武力で鎮圧することで治安維持をはかろうとすることだと思います。

「自然との共生を信条に、美しく豊かな地球環境をまもる」は、現行憲法の下で既に取り組まれており、今年の洞爺湖サミットの主要議題となっています。憲法を改定するまでもないものです。

「日本の歴史・文化・伝統の香り高い憲法」は、具体的に何を意味するのか、憲法にどのように表現するのか検討がつきません。わざわざ憲法に書き込まなくても、日本人が各々に思う日本の文化・伝統を大切にしています。

日本の歴史は、近代において植民地主義政策や侵略戦争を起こした歴史があり、無条件に誇れるものではありません。日本の未来のためには歴史の教訓を汲み取ることが重要で、現行憲法はこの教訓に立脚しています。

日本の文化は外国の文化を取り入れて日本人に合う文化にした素晴らしい点はあります。私が特に素晴らしいと思うことは、漢字から日本語を容易に書けるように発明された、ひらかな、カタカナです。これが江戸時代において世界と比較して日本の識字率を高いものにしました。江戸時代に培われた庶民の学力が基本となり、明治時代に外国の文明を急速に日本のものに出来たと思います。

憲法は変える必要はなく、むしろ活かす政治が求められています。